2008年08月09日(土) |
どれだけ長期化しても追及し続けたい、追及されるべきだと思う事件や問題は?(後編) |
どれだけ時間が経過しようと追及し続けたい、あるいは追及されるべきだと思う事件や問題を挙げてください。社会的な事柄でも身近な事柄でもかまいません。(A新聞/2008年3月30日掲載) http://aspara2.asahi.com/club/user/paper/100answers/index.html
著名な100人のみなさんの回答(敬称略・50音順)
チチ松村ミュージシャン 具体的な事件は挙げれませんが、どんな殺人事件でも、時効は設けず、追及し続けて欲しいです。迷宮入りは悲し過ぎます。
中条省平学習院大教授・フランス文学 たった今、「時効なし。」と大見得を切っておいてナンですが、「身近な事柄」には時効を設定させてくださいよ。人間に過ちは付き物。そんなことを時効なしで追及されたらたまりません。一方、「社会的な事柄」に時効はないと思います。(例えば、最近続発する薬害問題。官僚と製薬会社が利益がらみで人の命を弄んだことは明らかじゃないですか。)
陳天璽国立民族学博物館准教授・文化人類学 慰安婦、人身売買(とくに少女の)など。
綱島理友コラムニスト 毒物混入の「グリコ森永事件」など、社会的混乱を巻き起こした事件や多くの時効となった殺人事件。凶悪犯罪はどれだけ時間が経過しようと追求されるべき。でないと社会正義という概念が成立しない。
坪井秀人名古屋大教授・日本近代文学 誰かがある問題について「追及したい、されるべき」と言えるとしたら、個人の切実な痛みや怒りに裏打ちされているという前提が必要となる。もちろんその痛みや怒りは必ずしも正当であるとは限らない。したがって、この設問には簡単には答えられない。
出久根達郎作家 これはもう一言に尽きます。すなわち,権力者の犯罪です。いかに追及するか。我ら庶民の永遠の課題です。
手塚眞ビジュアリスト 実際の税金の使われ方。細部まで公表してほしい。
寺井谷子俳人 三億円事件。
寺脇研映画評論家 安倍晋三前首相の政権投げ出し劇。国会の代表質問をすっぽかしたのだから、国会議員をも辞職するのが当然である。政治家としての資格ゼロであり、少なくとも、改めて選挙で信任を得るまでは議員として活動するのは許されないと思う。にもかかわらず最近、早々と活動を再開し、メディアもそれを批判しようとしないのは情けない。あの醜態、わたしは生涯忘れないからね。追及できる機会があれば言い続けるつもりだ。
中島丈博脚本家 学校の用務員が床下に死体を隠していたことを自首してきた事件。これは行方不明事件として処理されていたものであるのに時効成立はおかしい。殺人罪に時効がなければ、こんな問題もおきないだろう。
中村桂子JT生命誌研究館館長 事件よりも問題に関心があります。10年以上前に特別会計という存在とその使われ方を調査した若者の論文を読みびっくりしました。これは重要なことと応援しましたが、うやむやになり、消えてしまいました。小泉改革と称する日本社会の破壊とそれでも壊されない特別会計的体質との組み合わせが、この国のよさを奪っています。共に追及し解決しなければいけないと思います。
中村紘子ピアニスト (この質問には回答がありませんでした)
長山靖生評論家 意図的な反国民的犯罪。すなわち情報操作による戦争誘導など、国家指導層の犯罪は無期限に検証されねばならない。また防衛・外交・各省庁の経理など、秘匿義務によって各種の不正が露見しにくくなっている。これらは情報が開示された時点から時効を算定できるようにすべき。
新実徳英作曲家 組織ぐるみの犯罪。行政、法人を問わない。悪質であり、社会、ひいては青少年に与える影響が多大である。
橋本治作家 私にとっては「日本のあり方」です。たとえ問題が奈良時代にあろうとも、平安時代にあろうとも、問題は問題だと思う。
櫨山裕子日本テレビプロデューサー すべての犯罪・・・。
畑村洋太郎工学院大教授・失敗学 社会保険庁の年金データの散逸の経過を明らかにすること。チェック機能を持たず、日常業務の意義を共有できなかった組織運営の結果についての知識は、全ての組織運営に当てはまるので。
八谷和彦アーティスト 「どれだけ時間が経過しようと」というのは、例えば1000年とかそういうことでしょうか?それとももっと短い、100年とか?現実的に1世代分・・・例えば50年とか? 「許す」という行為は人間性の中でも尊いものであるし、ずっと追求すべき問題がある、という考え方が人間性と反していると僕は思うのです。(ただし、被害の当事者が生きている限り、本人がそう主張する権利はある、とも思うけど)
林家彦いち落語家 無駄な公共事業など、ある時期が過ぎると誰も何も言わなくなる。建造物はそのままそこに残り続けるので、その限り、選挙が終わって、現職を退き元議員であってもずっと追求されるべき。
原武史明治学院大教授・日本政治思想史 なぜ太平洋戦争終結の判断があれほど遅れたのか。例えば1944年のサイパン陥落の時点でなぜできなかったのか。
日比野克彦アーティスト 全ての犯罪はどれだけ時間が経過しようが追及すべきであるだろう。ひとつひとつの犯罪には加害者・被害者がいるのだから、それを比較することはできない。しかし犯罪は起こり続ける現実がある、捜査する人の数はそれに比例することは不可能である。しかし時効を持ってして終止符をうつことなく、情報を受け付けることのできる機能は保持するべきである。
平田オリザ劇作家 政治家などの贈収賄事件。
平野啓一郎作家 池田小学校児童殺小事件 犯人の人格から、処刑のスピードまで含めて、考えるべき問題が多かったが、社会は既に忘れかけている。
平野勇治名古屋シネマテーク支配人 「時間の経過に乗じて事実を曖昧にしよう」と当事者が思っているに違いない幾多の国家レベルの犯罪行為。
福田美蘭美術家 オウム真理教事件。オウムを生み出した日本の社会のあり方を変えていくために、又、現代社会がかかえている根本的な矛盾を克服するために、事件の最も本質的な部分を解明することは重要。過去の問題ではない。
福永伸哉大阪大教授・考古学 アジア・太平洋戦争で日本人が多くの人を殺し、また多くの日本人が殺されたこと。
藤崎圭一郎デザインジャーナリスト 戦争に関するすべて。
藤沢周作家 戦犯。公約不履行。
藤野千夜作家 具体例ではありませんが、弱者をいたぶるような犯罪は、なにより許しがたく思います。
伏見憲明作家 朝日新聞の阪神支局銃撃事件。
藤本由香里評論家 企業や組織ぐるみでなされた犯罪。とくに、水俣病やサリドマイド、薬害エイズなど、人の生き死にや健康にはかり知れない被害を与えた場合。これはシステムの問題であり、また同じことが繰り返される危険性が高いので、徹底的に多方面から原因を追求すべき。
藤原智美作家 この世界で発生した事象で、追及を免れてかまわないものなど、ただの一つもないと確信します。
船曳建夫東京大教授・文化人類学 罰するのではなく、むしろ、冤罪、あるいは刑が軽減されるケースは、どれだけ時間が経過しようと、追求されるべきであると思います。また、法律の問題ではなく、倫理の問題は、どれだけ時間が経過しようと追及し続けたい、あるいは追及されるべきだと思います。
古川日出男作家 冷静に「数」を出す必要のある歴史的ジェノサイド。それは南京でも、沖縄戦の犠牲者数でもいい。それこそ豊臣秀吉の朝鮮侵略(文禄の役と慶長の役)の犠牲者の数でもいいのだ。百年を、千年をすぎても被害者側が忘れないことを、忘れてはならない。
ペリー荻野時代劇研究家 「時効」がなくなればよいと思うのは、最近の年金問題のように、過去の失策で多くの人が困り果てるというような事態を引き起こした場合。刑事事件でなくても、責任の所在は過去にさかのぼってみんなが納得いくようにはっきりさせてほしいです。
星野智幸作家 官公庁や政治の絡む事件等。例えば、汚職や薬害問題などの法的責任。
星野博美写真家 下山事件。戦後日本の大きな分岐点になった事件だと思うから。
堀井憲一郎著述業 存在しません。かなり記憶のいい方だけど、縄文時代にやられたことは忘れてます。みんなそうじゃないでしょうか。
本田由紀東京大准教授・教育社会学 戦争、侵略、虐殺。ただし、それらを忘れないということと、前向きに新しく望ましい関係性を作り上げていくということは別です。
町田康作家 (この質問には回答がありませんでした)
松浦寿輝作家 これもまた質的な特異と考える「事件や問題」は特に思い当たらない。
松原隆一郎東京大教授・社会経済学 三河島列車事故のように、事故原因の究明が以後の電車の安全性向上に大いに役立つ事例。ヒトの罪については時効になったとしても。
マツモトヨーコ画家 身近な問題ではとくにありませんが、やっぱり「拉致問題」は、拉致された方々が全員日本に帰って来れるまで、追求し続けるべきとおもいます。
みうらじゅんイラストレーター 帝銀事件などの戦後どさくさもの。
美輪明宏俳優 あまり多すぎて列挙のいとまがない。
茂木健一郎脳科学者 (この質問には回答がありませんでした)
山極寿一京都大教授・人類学 すぐには思い浮かばないが、行方不明者を含め、たくさんあると思う。
山田昌弘東京学芸大教授・家族社会学 経済犯。特に、贈収賄、詐欺、証券取引法違反などは、時効をなくすべきだ。
李光一桜美林大教授・政治学 国家あるいは国民の「安全」の名のもとに行われた、そして現在も行われている、マイノリティに対する弾圧・隔離・殺戮。
わかぎゑふ劇団主宰 第一には戦争に対する追求を確実にしなければならないと思います。何故、アメリカ国民は対イラク戦争を始め、途中で曖昧な言い訳しかしかなったブッシュを許してしまったのか理解できません。もうひとつ、幼児虐待に対する事件は徹底的に追求されるべきだと思います。絶対に許される行為ではありません。それなのに残念ながら永遠に無くならない犯罪のひとつですから。
2008年08月06日(水) |
どれだけ長期化しても追及し続けたい、追及されるべきだと思う事件や問題は?(前編) |
どれだけ時間が経過しようと追及し続けたい、あるいは追及されるべきだと思う事件や問題を挙げてください。社会的な事柄でも身近な事柄でもかまいません。(A新聞/2008年3月30日掲載) http://aspara2.asahi.com/club/user/paper/100answers/index.html
著名な100人のみなさんの回答(敬称略・50音順)
赤塚正幸北九州市立大教授・日本近代文学 人間や人類や地球に対する罪。第二次世界大戦・太平洋戦争(大東亜戦争)、原爆、無差別の爆撃、自然に対する無用の手出し、自然の生き物に対する様々な虐待。
有栖川有栖作家 すべての刑法犯。民事に時効が存在するのはやむなし。 石田衣良作家 被害者が生き返らない以上は、殺人事件のすべて。
和泉昭子生活経済ジャーナリスト (この質問には回答がありませんでした)
伊東信宏大阪大准教授・音楽学 一連のオウム事件とJR宝塚線脱線事故。両方とも、現代日本の核心にあると思うから。
伊藤有壱アニメーション演出家 今の自分としては「自然環境破壊」問題は人類ある限り追求し続けるべき問題。人間がダメージを与え続ける自然自体は人間の言葉で悲鳴をあげてくれない。
稲葉振一郎明治学院大教授・社会哲学 「どれだけ」という言葉はちょっとあいまいで大げさです。大概のことは1000年もたてばどうでもよくなります。100年くらいなら、こだわるべきことはまだ残るでしょうから、100年のオーダーで考えますと、いわゆる「戦争犯罪」とか「人道に反する罪」などが浮上するでしょう。月並みですが。
稲畑廣太郎俳人 これは犯人が憎い、というわけではない、と言えば語弊があるが、3億円強奪事件の真犯人は是非知りたい。そして一連の「連合赤軍」が関与した事件は、是非全面的に解決してほしい。
井上由美子脚本家 本来はどんな事件でも、被害者がいる限り、追求され続ける手段がるべきだと思います。ですので、特定の事件をあげるのは困難です。
梅沢由香里囲碁棋士 (この質問には回答がありませんでした)
大野俊九州大教授・東アジア学 閔妃暗殺の責任、満州事変をはじめとする中国侵略の責任、太平洋戦争を開戦し、大勢が決してもなお戦争を続けた指導者たちの責任。
大宮エリー映画監督 追求されなくてもいい事件なんてない気がします。事件に大小はなくて、うやむやになるということが一番よくない気がします。
小川洋子作家 北朝鮮による拉致事件。
荻原博子経済ジャーナリスト 中国ギョウザ毒物事件、石井紘基(衆議院議員)殺害事件(刺殺犯の背景は?)、社会保険料横領事件など。
小倉紀蔵京都大学准教授・韓国思想 自分の家族や近しい人が理不尽な被害を受けたとしたら、どれだけ時間が経過しようと追及したいと考えるだろう。
長志珠絵神戸市外大准教授・日本近現代史 戦争や軍事占領に関わる犯罪 弱者に関わる犯罪。
オノデラユキ写真家 圧倒的な暴力ならば、まずは国家による戦争犯罪。それに尽きる。
加賀美幸子アナウンサー 追い続けることが可能な状況なら、幾つもあるのではないでしょうか。
梯久美子ノンフィクション作家 (webへの掲載を辞退されています)
加藤陽子東京大准教授・日本近代史 国家の犯罪。国家が国民の利害にかかわる問題について、怠慢あるいは故意によって記録を紛失した場合など。
亀山千広フジテレビ映画事業局長 3億円事件にグリコ森永事件。時効が成立しても未だにメディアが取り上げ続けているのは、その事件に時代背景やなんらかの教訓があるからだ。それを風化させないために、メディアとしての事を尽くすべきだと考える。犯人を捕まえることと、事件の真実の探るのは別物だと思うから。
苅谷剛彦東京大教授・教育社会学 国の方針を誤らせて、多大な損害を国内外の人びとに与えるような犯罪や政策(無作為を含め)の失敗。ただし、罪の重さとは関係しない。
川島蓉子伊藤忠ファッションシステムマーケティングマネジャー 人と殺めることには、錯綜した複雑な理由が存在するものだが、でき得る限りの追及を行い、公表すべきだと思う。人の命の存在意義、生かされていることを確認する意味を問い続けることは大切だと思うので。
北澤憲昭美術評論家 良心にかかわる事柄には、たとえ忘却はありえても時効はありえない。
北村想劇作家 戦争の無差別殺戮です。原爆、大空襲、さらには現在の自爆テロにいたるまで、ひとりを殺せば殺人、大勢なら英雄というのは実に奇妙な論理です。
金聖響指揮者 未だに未解決な3億円事件と、グリコ社長誘拐事件でしょうか。
隈研吾建築家 景観への犯罪(看板など)も、もっと徹底した態度でのぞむべきです。
倉橋健一詩人 最近、被害者が一切関知しない殺人事件がふえています。誰でもいいから殺したかったの類。強盗強姦によるもの、幼児・児童にたいする殺人には時効は意味をもたないのではないでしょうか。故になぜ時効があるのか、司法の側からの国民に納得できる言葉での説明を求めたいものです。
呉智英評論家 個人的なことなら、関係者の死去によって忘れ去られてもよい。しかし、戦争にともなう残虐行為、圧政による虐待などは、半永久的に追及すべきだろう。
黒岩比佐子ノンフィクション作家 犯人が死刑に処せられる可能性が高い事件は、時効にすべきではない。それが、再犯を防ぐことにもつながるのではないか。
黒沢清映画監督 大袈裟ですが、すぐに思いつくのは貧困、それから差別。ある人が20年間貧困だったら、その人の抱えた貧困という問題には終止符を打とう・・・なんてことあるわけない。差別も同じ。難しいのは戦争だ。誰かを処刑して無理やり戦争を終わらせようとする考え方はある。それと同じように、数十年たったら戦争にも時効がくるものなのだろうか。
小谷真理SF評論家 わたし自身が被害者だったテクスチュアル・ハラスメント事件の真相。ネッシーは存在したか? アブダクション(エイリアンによる誘拐)は本当に存在するか? 三億円事件。
是枝裕和映画監督 「大型間接税」とか「日の丸君が代強制」とか、政治家がしないと言ってしたり、するといったのにしなかったりしたことを時間とともになし崩しに事後承諾せずに、結果責任も含めて問い続けるというのが必要だと思います。その中でも今最も追及されるべきだと思うのは憲法9条と前文を持ち出して「イラク派兵」を正当化した小泉純一郎の責任。
斉藤斎藤歌人 朝日っぽくて恐縮ですが、プリンスホテルには絶対に泊まりません。
佐伯啓思京都大教授・社会経済学 個人的にいえば、私なら、たとえば私の家族や大切な人が殺されれば、いくら時間が経過しようと犯人を追求し続ける。
佐藤優起訴休職外務事務官 第一次世界大戦の開戦原因。なぜサラエボでのオーストリア皇太子暗殺が、世界大戦に発展したかについては、定説がない。この戦争がどうして発生したかというメカニズムを解明することが大規模戦争を防ぐためのヒントを多々提供すると思う。
残間里江子プロデューサー すみません。思いつきません!(私たちが犯罪を知るのは、ほとんどがメディアによるものなので、報道されている「角度」によって、過度に情緒的に反応していることもあるような気がします。現行社会に募る不満や反感が、「みんなで糾弾してもいい存在」を探してる昨今、(今の時代にやり切れなさを感じ、何かのキッカケを探しては溜飲を下げたいと思っている人が激増しているように思います)罪を憎む一方で、犯罪報道に対する冷静さも必要だと思います。)
清水良典文芸評論家 1988年に名古屋近郊で臨月の妊婦が殺害され、切断された腹部から男児が取り出され、電話機が突っ込まれていた事件があった。この犯人は今どこで何をして暮らしているか、ときどき考える。病的な犯罪の実態を把握するためにも、このような常軌を逸した事例については時効を外して、追求し続ける特別指定をかけたほうがよいと思う。
辛酸なめ子漫画家 前に雑誌で、殺人を犯したことのある若者数人の座談会を読みました。彼らは口々に殺すしか選択肢がない状態に追い込まれたと語っていました。やむを得ぬ事情があったとしても、殺人は許されるものではありませんが、もし、殺人に、やむを得ず自己防衛的なものと快楽的なもの、2種類あるのでしたら、後者は絶対に追及し続け、罪をつぐなわせるべきだと思います。
杉本博司現代美術家 張作霖爆殺事件。亡国への第一歩。
鈴木光司作家 (この質問には回答がありませんでした)
瀬戸山玄ノンフィクションライター 政治的な背景をもつ暗殺や疑獄、また組織犯罪については何年かけても真相究明するべきだと思う。さもないとコミュニティーは自浄作用を失い、社会が時代の流れと共に益々闇だらけなっていってしまう。
先崎学将棋棋士 社会的影響の強い団体、組織(国家を含む)の変節は、追及というよりも個人として忘れないように、と思います。
高木博志京都大准教授・日本近代史 多くの人々の記憶に刻まれた戦争・ジェノサイドなどの暴力。
高嶋哲夫作家 バカな政治家やずるい官僚の「政策の失敗、怠慢」の責任の追及。「バブルの崩壊」やそれに続く長い「不況」、「ゆとり教育」「年金の問題」など、明らかに失政による膨大な税金と時間の無駄遣いが発生している。さらには、失政が原因の自殺者も膨大な数におよぶと思う。こうした政治家や官僚の能力不足、怠慢による失政も一つの重大な「罪」としてとらえ、「責任の所在」を明らかにして、「相応の処罰」を与え、「責任」を取らせるべきである。
高田文夫放送作家 やっぱり三浦(和義)問題。かつて「ひょうきんプロレス」(*)で景山民夫に演じさせた「フルハム三浦」の作者としてそう思う。
竹川大介北九州市立大教授・人類学 恋泥棒。
武田徹ジャーナリスト 背景事情の更なる追求や、事件の歴史的意味の公的な確定を求めるという意味で。沖縄返還密約事件、リクルート事件、佐川急便事件、オウム真理教村井殺害事件、国松狙撃事件、ライブドア事件など。
多田容子作家 特にない。それほど深い怨恨、問題などは、その時代の社会制度の下では摘発されない気がする。もし暴いても納得のいく解決が望めるかは疑問。後に歴史の功罪を論じても、当事者に証言能力はなく、推測に過ぎない。
束芋現代美術家 自分自身。(‘自分の気持ち’を時間をかけて追求していかないと見えなくなっている今日このごろ。わかったつもりになっている‘自分の気持ち’と現実のズレが果ては大きな事件につながってしまうことだってある。)
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