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★短編小説9 - 2003年09月25日(木)








[ 君が僕の中にいる。 ]






流川がアメリカに行って、何ヶ月か経ったある日。

俺の中で、異変が起きる。






抱き合った時。


キスをする瞬間。


喧嘩する間。




感じ取る事の出来る、流川の匂い。





もう忘れてしまった。
そう思っていたアイツの匂いが、急に俺の鼻を掠めた。


すぐに、アイツの匂いだと気が付いた自分が、嫌だった。







最初は、気のせいだと思っていた。


誰か、アイツに似た匂いのする奴が近くを通りかかったり。


そんな感じなんだろうと、


そう思っていた。









たけど、今日一日で、



何度も

何度も



アイツが近くにいるんじゃないかってくらい、


錯覚を起こすほどに、


その匂いを感じ取っていた。









もう、アイツのことなんて、忘れようと思っていた。


ただの“思い出”で、片付けてしまおうと思った。







だけど、アイツの匂いに良く似たそれを嗅ぐと、

鮮明に、

ハッキリと、

アイツとの共用した時間を思い出してしまう。



思い出したくもないと思っていたのに。













あぁ




今、気が付いた。




この匂いは、俺からしている。







流川の匂いが、俺からする。









吐き気がした。








end





BGMはDick Dale & His Deltonesの「MISIRLOU」で。





...

★短編小説8 - 2003年09月24日(水)







[ 寒い日。 ]





最近、寒くして死にそうになる。
早く学ランに腕を通して、温まりたい。

移行されない夏服。
移行期間まであと3日。
それなのに、3日後は蒸し暑いという週間天気予報。

ワケの分からない気候に、うんざりしていた。





授業中。
みんな寒そうに授業を受けてる。
いつもは寝てるのに、今日は雨が降っていて、心地いい日差しが俺の身体に当たることは無かった。

だから寒くて、寝れない。
だからこうして、みんなを見ている。


夏服の袖から伸びる、震える腕。
辛そうに寒さと戦う。
教員は、そ知らぬ顔で授業を進める。
そういう奴に限って、厚着。

着てる洋服、全部脱がしてしまいたいと思った。
きっとみんな思っている。
きっとみんな。





早く部活に行きたい。
この身体を温めたい。


寒い。

寒い。



寒い。







朝も寒いけど、夜も寒い。











部活が終わって、家に帰る途中。

冷たい風の音が耳元で聞こえて。
流川の自転車の音が響く。


「さみぃーな…。」
「ああ。」


こんな話しをしていたら、尚更寒くなる。


流川の顔を見る。

いつも真っ白くて、綺麗な色をしていて。
だけど今日は、青白くなっている。


紫色の唇。
いつも以上に色が悪い。



「お前、ホントに寒そうだな。」
「あぁ、死ぬほど寒い。」


流川は眉間に皺を寄せる。


「お前、本格的に冬来たら死ぬんじゃねぇーの?」

笑いながら言った俺に、真面目に流川は答える。

「死ぬな。」


尚更笑えた。









分かれ道。

ここで流川とはさよなら。


コイツ、早く家帰らねぇーと冬来る前に死ぬぞ。
そんなバカみたいな考えが浮んで消えた。



「じゃーな。」って言う前に。

「じゃーな。」って言われる前に。




無理矢理流川のYシャツを掴んで、
色の悪い唇に、俺の冷たい唇を重ねてやった。




たったそれだけのことで、流川の唇は色を変える。


その様子がなんだか笑えて。


だけど、俺の唇も十分温かさを取り戻していた。





無償に嬉しくて、寒い事を忘れそうだ。














end







最近急激に冷え込む。
そんな日常に、温かさを。







...

謝罪 - 2003年09月16日(火)




急に連続更新とかしてみました。
何してんでしょ、自分。



えぇーと、9月に入って、もう半分くらい経ちますね。
8月はロクに更新もせずに、私の予想通り3日分くらいしか日記がございません。
8月はもう少し更新する予定だったんだけどなぁー。

で、9月に入ってすでに2週間ちょい。
体育祭なんかで時間が完璧に潰れました。
ここ1週間は余裕なんかなかった…。
体育祭1週間前から計画をたてたりなんだりしていたので、2週間体育祭ノリで、もう余裕がないのなんのって。
で、今に至ります。

連続更新、ただやりたかっただけです。気にしないで下さい。
あっ、票入れてくださった方がいました!
ありがとうございます☆★





ここで突然ですが。


マジで更新1ヶ月くらい出来そうにありません…。
理由は2つ。

1つは受験。
受験勉強しないとホントにヤバいんです。
8月中は全然集中できなくて、ヒドい夏だったと久々に思いました。
そんぐらい夏は全然出来なくて、マジで本人焦ってます。
だから、そろそろマジで気合いれてやらなきゃ!!と思っているわけですわ。



そしてもう1つの理由。

スミマセン、他のCPに浮気しました…。
今はそっちのことで頭一杯です…。(←死んで来い)
浮気相手は某テレビ局で放送していたドラマ。
多分いままでの日記を読んでいれば、なんのドラマか気付く人いると思うのですが…。
そのCPに今熱が入ってしまってる訳です。
マジでごめんなさい。

リハビリ作として昨日流花2本書きました。
けどやっぱりまだ感じが掴めてない…。
いや、前から感じなんて掴めてないんだけどさ…。(死)


ドラマはもう終わってしまったので、気持ちが薄れる時が、きっとすぐ訪れると思います。
なので、あと1ヶ月くらいは、このままの状態が続くと思われ。
もうしばらくお待ち下さい…。




えぇーと、受験勉強の方は、息抜きで日記掛けるんですけど、よそのCPに浮気してる時は、どうしても更新だけは出来そうに無いです…。

なので、気持ちが乗るまでもうちょっと待ってください。
ご迷惑お掛けします…。











ぶっちゃけた話し。
WB田立で夜露死苦。

(↑分かる人いるかなぁー。)




...

★短編小説7 - 2003年09月15日(月)






[愛に狂う]


それは、アイツの家に向かう途中。
その足で地を蹴って夜道を走る快感は、

ある種の快感とよく似ている。



アイツの事を考えている時間。
その時生まれた快感。
生きている中で、一番幸せな瞬間だと気付く。


きっとその、その快感に良く似ている。






バスケをしている瞬間に快感を感じる。
だけど、それとはまた別の快感が、俺の頭の中を駆け巡る。

きっとこんな痛みを覚えてしまったのは、アイツが原因している。



きっと桜木を好きになって、どんどんバカになっていってるんだと思う。
元々バカだって事ぐらい知ってる。
だけどそれ以上に、アイツに狂ってバカになっていく。



そんなことはどうでもいい。

桜木が笑顔を向けてくれる方法。
桜木が喜んでくれる方法。

桜木のために、精一杯考えて。


そうやって生きていく事が、どれだけ快感か。



結局出来ることはほんの少し。
そんなことは、バカな俺だってわかってる。

ヘンに空回り。
想像通りにいかない世界。

本当は後悔だらけの心。





だけど、桜木は笑ってくれる。

お前はホントに情けないと、そういいながら。

本当に嬉しそうに笑ってくれる。




それだけで、生きる喜びを感じる。












今日もまた、夜の街を走る。
いつもの愛車は自宅で待機。


なんだか今日もまた、走りたくてしょうがなかった。
きっと、桜木のことを考えて、いつもより時間をかけて、
アイツに会いに行きたかったんだと思う。



景色が変わる。
走るスピードは加速して、アイツの家に一直線。

頭ん中はアイツのことだらけ。



“愛に狂う”ってこういうことだと、
何故だかそんなことが頭に浮んだ。



前が見えない。
後ろも見えない。
横なんか見ちゃいない。

きっと、アイツ以外見えちゃいないんだ。
そうやって突っ走って。
だけど、そんな俺をアイツは、止めようとしないことを知っている。




だからいつまでも、アイツという海の中をさ迷っている。


溺れる魚。


アイツの海の中にいれば、溺れてしまう。

たとえ今までそんな事なかったとしても。
だけど、アイツの海の中で泳ぐ俺は、簡単に溺れてしまう。




いつかきっとアイツは俺を、そのうち殺してしまう。
窒息死しそうだ。


愛に溺れて。
前も見えず、後ろも見えず。

きっと俺はいつか、アイツの海の中で死んでしまうんじゃないかと思う。



そんな下らない事が、頭の中を駆け巡る。
月が俺を照らしながら、嘲笑っている様な気がする。



アイツというナイフで殺されてしまいそうだ。

また下らない事が頭を駆け巡る。


そんな下らない事すら快感。





走って。
走って。
走って。



息が出来ない。

何が原因なのか、分からない。


この速度のせいで、息が出来ないだけじゃない。
きっと愛に狂い過ぎて、呼吸もロクに出来ない。

そんな感じがする。




俺を照らす月は、相変わらず俺をバカにした様に笑う。


もうどうにでもなれ。

愛に狂って死ぬのも。


アイツの海の中で溺れ死んでも。


もうどうにでもなれ。


そう思う。




なんでもいい。


甘い痛みで死ねるのなら、なんだっていい。






アイツの家の明かりが見える。








***




スミマセン、流川さんのイメージを完璧に崩してしまいました…。
バカ過ぎる…。






...

★短編小説6 - 2003年09月14日(日)






[痛み]




辛いことがあったらしい。

泣きそうな顔して。

じっと耐えて、苦痛の波を必死に抑えてる。

誰にだった分かる。

こんなに鈍い俺だって、

アイツが今ツライのが分かる。




でも俺は、

その痛みの原因を、少しも理解しちゃいなかった。

理解したくても、理解できない領域がある。



だから、アイツの痛みを半分しか、

理解出来ないでいる。



理解しようとしても、出来ないもどかしさ。

きっとアイツは、それを知らない。






隣にいてやることしか出来ない。

頭の悪い俺は、気の利いた言葉も投げかけてやれない。


そんな俺は、隣にいてやることしか出来ない。


それしか、出来ない。





ただ静かに。

アイツの髪ぐしゃぐしゃにするように。

乱雑に撫でてやることしか出来ない。




アイツはきっと満足してない。


こんな俺じゃ、満足できないだろう。




だけど、俺の今出来る精一杯のことは。

こんなことだから。






俺のこんな行動で、全ての涙を流して欲しい。


俺のこんな行動で、全ての痛みを吐き出して欲しい。



すべてをさらけ出して欲しい。








***



今、いろんなことが頭ん中いっぱいで、こんなものしか書けなくなってます。
足を運んでくれる皆さんには、本当に申し訳ないと思っています。

で、もうちょっとだけ。


あぁ、時間が欲しい。




...

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