詩のような 世界

目次


2001年06月26日(火) ・・・Who is he?


彼は片隅に立っていた

明るすぎる茶っこい髪の毛が揺れる

やけに彼のギターケースに目を引かれ

私はふと感じていた

彼に誰かを重ねていることを

誰だったかは思い出せないほど記憶は弱っている



中途半端に混雑した電車の中で

彼は窓の外を眺めていた

景色を見ているようで見ていなかった

彼の視線はもっともっと先を彷徨う

きっと幻影をみているんだと思い

私も想像してみた

同じように茶っこい髪をしていたアノ人



浮かばない 浮かばない 忘れたくなんかないのに



実はそんな人は存在していなかったんだろうか?

私が作り上げた架空の人物だったんだろうか?

そんなバカみたいなことを考えながら

目の前の彼を見てみる

アノ人は確かにいたんだと気づかされ

それでも胸がザワつかない自分に安堵した




あれから

もう何度目の夏が来るんだろう・・・








2001年06月07日(木)



小さな鍵が

空を飛び弧を描く

蒼の光を放ちながら

鍵穴を求めている



僕は鍵なんて持ってない

だからたどり着くべき場所がナイ

探して探してそれでも見つからなくて

最初から鍵穴なんてなかったんだ・・・と



それなら鍵を創ればいい

もちろん簡単なことじゃないけど

待ち続けているよりラクかもしれない



もしも命が尽きるまでに

僕の鍵を完成させることができたら

その時は思いっきり空高く投げよう





きっとあの月を越えていける








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