詩のような 世界
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自分から手放して
失ってからまた欲しくなる
無くなったものは
もう遠すぎて見えなくなっている
繰り返し繰り返して僕は
何も掴めないまま
さりげなく確実に傷を増やしていく
でもそれは代償であることを知っている
僕の身体から流れ出る叫びは
誰を癒すこともなく
永遠に空をさまよい続ける?
2001年04月22日(日) |
=愛しきレッドライン= |
僕はずっとずっと
見えないものを見ようとしている
それは夢であり
それは願いであり
それは存在であり・・・
ねぇ
君が抱いた幼かった僕の
ほのかな体温を感じられた?
僕は君の力が強くて
その腕の中でもがいていたよ
ただ逃げ出そうとしていたよ
真っ赤になった背中の跡は
僕の痛みなのか
それとも、君の・・・?
愛しきレッドライン
とっくに消えてしまったけど
焼けついた君の感触は
僕の一部となった
傷口が痛い
・・・
気まぐれな誘いは風に似ている
私の脆い部分をさらっと刺激する
君は何を考えているの?
君は何も考えていないの
わかっているようでわかってない
そんな君と私を消したい
悪魔は微笑して立っている
私を呼んでいる声が聞こ……える
はね返すチカラが私にはあるのか?
強靭な精神力とやらが
いつもどんな時も
私の身体に宿っていると信じたい
悪魔は常に魅力的だから
ほのかにピンク色
花びら散って
地面に落ちてからも
風に乗って流れてゆく
どこからか聞こえた
ウツクシイモノハ イズレ ハテル
デモカナラズ マタ ハナヒラクトキガクル
もう消えることはないような
過去も感情も理性も
すぐに朽ち果てるの?
新しく生まれる気持ちに
期待できるの?
桜が散った後の枝を見ると
不安が押し寄せるけれど
次の春にはわかることなんだ
この世に生まれてきたのは
幸せになるためで
悩んだり泣いたりするためじゃない
そんなふうに思う私は
まだ十分成長できてないのかな
偶然どこかで痛みを知って
それが今までの価値だと言われても
笑いとばせないよ
それは私の弱さなのか それとも・・・
ただ一瞬の輝く何かのために
人は数え切れないほどの壁にぶつかり
時には絶望し破綻し
すべてを風化させてしまう
それでも生きている
意味を見つけようとしながら
何もわからないことを知っていながら
生きていく
この空の下で
君が呼吸しているのを知りながら
僕は毎日を過ごすのに精一杯で
何か大切なことがあったんだけど
結局曖昧になって消えていくんだ
本当は僕が望んでいたのはこんな世界じゃなくて
理屈も見栄も雑音もいらなくて
ささいなことで満たされていたあの場所に
戻りたい
強く思えば思うほど
何もかもが嘘のように白く揺らいで消えていく
夢なのか現実なのかわからない視界
でも君がいたことだけは覚えてる
僕は
明日も明後日もその次もその次も
当たり前のように笑っているんだろう
君の姿を刻々と忘れながら
もし誰かと一緒にいても
孤独感から逃げ切れないとしたら
そこに満たしてくれるものは何もない
ヒトは独りになりたくないから
それでも自分は幸せなんだと思いこんで
やっと生きていられるのだろうか
その熱い唇から流れる言葉
この冷えた耳に聞こえる音
傷つくことも傷つけることも恐れている
振動が胸に突き刺さって…
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