2006年04月30日(日) |
ROOTS,ROCK,REGGAE |
1977年制作 監督ジェレミー・マー 出演 ボブ・マーリー/ジミー・クリフ/リー”スクラッチ”ペリー/ジョー・ヒッグス
約30年前のレゲエとジャマイカを捉えたドキュメンタリーフィルム。 迫力ある大重低音のベースの音が鳴り響く。 映画館の音響設備の弱さが悔やまれる。
貧しいジャマイカン達が育んできたレゲエミュージックの重みはやはり日本人が演るレゲエには無い。まったく似て非なる音楽であることを改めて知る。 ジョー・ヒッグスが「レゲエは詞なんだ」といってギター一本で歌う曲は所謂レゲエのリズムは刻んでいないけれどもとても胸にせまる歌声だ。
リー・ペリーのレコーディングスタジオでの様子はかなり面白い。 ガチャガチャと機材のスイッチングを適当滅茶苦茶にやってるようにしか見えないのだが、それが絶妙な彼にしかできない神仕事なんだそうだ。 レゲエのあの独特な音の感じはジャマイカのスタジオ以外では出ないものだとナレーションが断言していた。
この日私は疲れていたせいもあって結構観ながら眠ってしまっていたのだけれどもボブ・マーリーのライブ映像の部分だけは何故かふっと目が覚めた。 ボブ・マーリーの歌声はどうしてこんなにも神がかり的な力を発しているのだろう?
短いけれどもスカやロックステディの古い時代の映像が観れるのも嬉しい。
映画館の客層がいつものレイトショーに集まるような”映画ファン”ではなくていかにもレゲエミュージックが好きそうな人達が多かったのも面白かった。
2006年04月24日(月) |
君とボクの虹色の世界 |
監督・脚本・主演 ミランダ・ジュライ
非常に”アート的”な映画作品だと思う。 この作品自体がミランダ・ジュライのインスタレーションといった趣。 映画に対して”アート系”というとある種の傾向にあるミニシアター系作品を指すけれども、この作品は本当にミュージアムでのインスタレーションに近く、より現代的なアート作品という感じ。
何人かの登場人物が登場してそれぞれが関係性を築くけれども、それは物語の展開としてではなくてこの監督であるミランダ・ジュライの表現の手段としての展開なので物語として閉じていない。
キャンディカラーの色彩で撮られたこの作品は一見少女趣味でポスト・ソフィア・コッポラと揶揄されているようだけれども、この中に登場する人物やエピソードは結構エグい。そして映画を製作していくうえでの制約とか常識みたいなものに縛られている感じも無い。
11人の登場人物全員が皆しょーもないお馬鹿なのだけれども愛さずにはいられないチャーミングさも持っているので「なんなのこれ!?」と思いつつも憎めない感じの作品。
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