縁側日記  林帯刀





2006年10月07日(土)  夢想。


雨の夜。
屋根を打つ雨音を聞いている。
強い音が、北のはしから南へ渡っていく。
みえない屋根の上で、外灯に反射するたくさんの粒。
屋根ではねかえるしぶき。
水が増えた川の、ごうごうという音。

雨の音はきらいじゃない。
寝返りを打っても、目を開けても続く。
外ではすべて、
乾いたところがないくらいどこまでも濡れているはずだ。

親しかったひとのことを考えている。
そうして、次の呼吸で眠りに落ちる。



ひどい雨のあがったあとは、いつだってすがすがしい。
でも、どこかかなしい気持ちが捨てられないのは、
何もすることが思いつかないからだろうか。
覚えていない夢のせいだろうか。


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