妖異金瓶梅

山田風太郎の『妖異金瓶梅』が復刊されたので読む。もう風太郎節全開。西門慶は金持ち&&大の好色家で,自分の邸宅に妾を6人も7人も住まわせている。この館で起きる怪事件を,西門慶の友人兼幇間の応伯爵が解決するという趣向の連作短編です。

山田風太郎の手にかかると,この馬鹿馬鹿しい設定が怪しい魅力あふれる舞台に変貌するからまったく不思議なものですな。ミステリとしても楽しく読めるし,メロ(エロ?)ドラマとしても面白い。後半は水滸伝とリンクしていくというおまけつきで,まあこんな小説山田風太郎以外にはとても書けないでしょう。
2001年11月19日(月)

ゲームの話をしよう (2)

『ゲームの話をしよう』の第二巻を読了。これは週間ファミ通で私が一番楽しみにしている連載を本にまとめたもので,よく考えれば全部読んでいるんだけど,面白いのでつい買ってしまった。

ゲーム関係者へのインタビュー集なんだけど,1つのインタビューが比較的短いのがかえっていいですね。ファミ通の編集者や,ごく一般の人へのインタビューが含まれているのが特徴で,一巻では小学生インタビューが爆笑ものだったけど,今回はまったくゲームに興味が無かったのにPS2を買ってしまった夫婦へのインタビューが笑えます。夫婦してハマリまくったゲームが初代リッジだったり。

読んでいて楽しい本ですな。
2001年11月15日(木)

インターネットと宗教

だいぶ前にお茶の水を探し回ってやっと見つけた『インターネットと宗教』をようやく読了。いや,面白いっすね。ヘブンズ・ゲートのようなカルト,ペイガン(カルトのような破壊性を持たない非キリスト教の総称),そしてイスラムなどを取り上げている。インターネットとの関連はあるようなないような。

イスラムに関しては目ウロコの記述だらけ。原理主義(fuandamentalism)は,元々キリスト教原理主義を指す言葉で,"イスラム原理主義"という呼び方は正しくない。"イスラム復古主義"などと呼ぶべきである,とか。またイスラム教は寛容と共存の宗教であり,それはなによりアメリカにいる500万人のイスラム教徒の存在が示している,とか。中絶反対を叫んで中絶医を殺害するキリスト教原理主義者と,イシラムテロリズムの何が違うのか,とか。

インターネットの世界も含めて,日本から見た世界があまりにアメリカ中心(例えばインターネットを使ったとしてアメリカ以外のサーバは少ない)なので気づかないが,アメリカは先進国の中でも例外的といえるほどの大宗教国なんですね。その中でも,世俗主義と原理主義の対立があるとか,いろんな指摘がなされています。

これを読むと,今回のニューヨークテロ事件は,宗教戦争(ブッシュを支持するキリスト教右派は最初からイスラムと戦争したかった)としか思えない。ううむ。
2001年11月10日(土)

ま2の本日記 / ま2