無題ドキュメント
数年前、一つの映画の特集記事を見たことがあります。
その記事には、こう書いてありました。
「コンピュータグラフィックスが、演技をする時代が来た」
役者のインタビューでは、
「コンピュータグラフィックスに演技をさせてはいけない。
演技を人間が行うから、映画になるんだ。
命の無いものが演技なんかしてはいけない。」
「コンピュータグラフィックスが演技をしたら、
私たち役者は全員廃業だよ」
等など、役者はコンピュータグラフィックスに脅威を感じていたようです。
その時は、ビルから飛び降りる主人公が、颯爽と着地する、と言う
わずか数秒の間でしたが、確かにこのシーンは人間では無理だと思いました。
人間にできないことをコンピュータグラフィックスに任させることによって、
より迫力のある映画が出来上がる。
当時の役者が心配したように、コンピュータグラフィックスは、
全ての映画で使われて、演技をするようになりました。
しかし、それは、役者を廃業に追い込むようなものではなくて、
役者と共存することによって、映画はより迫力のあるものになりました。
人間がやらなくてはいけないことは人間が、
人間ではできないことはコンピュータグラフィックスが担当する。
まさに、適材適所だと思います。
今では、コンピュータグラフィックスは無くてはならない技術になっています。
そして、その技術は、まさに実在しないものが演技をする、レベルまできました。
そして、STAR WARSのヨーダや、ハリー・ポッターのドビーなどコンピュータグラフィックスの
キャラクターが物語の重要な役を任される様になりました。
私は演技は人間でなくてはいけない、とは思いません。
コンピュータグラフィックスなら、歳をとることがありませんから、
年月による役者の成長による、登場人物の変更なども無くなるし、
良いこともあると思います。
例えば、マクドナルドのドナルドとか。あの厚化粧でも、
昔と今では、全然印象が違います。
何十年後には、映画のEnd Rollで、登場人物が一人も紹介されないで、
コンピュータグラフィックスを作ったスタッフが、紹介されるかもしれませんね。