2008年09月16日(火)
 

形にしたりない言葉が
体中に満ち溢れてる

声になって
音になって
文字になって
インクで形とって

息になって
涙になって
汗になって
何度も思い返して

形にしたりない言葉が
形にするにはもったいなくて
体中に溶けていく
溢れそうだよ





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2008年09月15日(月)
 

雨の向こう側
知らなくていいことの中に
知っててもいいことがたまに転がっている

溢れる想像の向こうは
どうしようもないくらい
ひどいことで埋もれているけど

まったく知らない道の先
少しだけ知らない顔のきみがいる

手を引かれて
少しだけ
雨の向こう
帰れるように長靴で





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2008年09月11日(木) 大切なこと
 

たくさん息を吸うこと
たまにはため息をつくこと

道の端っこを走ること
たまに迷子になること

自分の中で解決しないこと
たくさん傷つくこと
かさぶたを剥がすこと

相手とたくさん話すこと
どうにもならないこともあるって知っておくこと

上下左右見回すこと
知らない街ではきょろきょろしないこと

昔のひとの言葉に耳を傾けること
新しいものにも興味を持つこと

大切なこと
あなたを知ること
自分を知ること
ときどきたくさん
眠ること





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2008年09月08日(月)
 

頭が重いよと友人に打ち明けたら
逆立ちしてみたらと言われたので
とりあえず逆さになってみることにした

逆さになったって
ねじひとつ落ちてこないので
上手に笑う方法を探すことにした

鏡の中でにんまりと笑うわたしが
踊り狂うようにはねた
髪の毛の先が気になるというので
暴風にさらされないヘルメットを探すことにした

上手く前が見えなくなったので
いらいらして全部脱ぎ散らかして
笑顔も忘れてひっくりかえる
ころりと何か落ちた気がして
わたしは少しだけ軽くなった

急に恥ずかしくなったので
明日は厚手のお洋服を探しに行く、ことにする





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2008年09月06日(土)
 

他人も友達も家族も仕事も
すべてのものを巻き込んで
ちいさな布団の上に横たわる
赤ちゃんはまるで宇宙みたいだ

きみのために世界が廻るよ
きみはまるで
わたしを乗せた宇宙のよう





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2008年09月05日(金)
 

紙の上の無音の世界で
夢見た言葉がワルツを踊る
泣いたり笑ったり嬉しかったり
すべての音で鳴いている





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2008年09月04日(木) 新緑
 

あて先も戻り先も書いてない封筒に
手紙を入れて投函した
途方に暮れる郵便屋さんの手で
くるくるくると
行き先迷ってどこへ行く

光と影はくるくる混ざって
大人の都合で
きれいな緑色になりました

窓の近くで
誰かがボートを漕いでいる
夢と現実をぐるぐると
行ったりきたり
時折ちらちらと見える
鮮やかな緑が目に痛い

きれいな言葉ばかりつづった手紙は
どこにも届かずごみの中
わたしもようやく目を覚まし
くるくると鮮やかな緑の向こう側
全部全部落ちていく





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2008年09月03日(水) 時々やさしい
 

教えてもらった場所に行くのに迷子になって
たどり着くまで一日半
定休日の看板に今日はため息が止まらない

甘酸っぱいイチゴに
とろけるようなチョコレート
身を包むはドット色
夢の中ではいくらでも
わたしにやさしい世界があって
現実では雨が頭上に降り注ぐ

大人になっても間違いばっかり
まわりの大人は小学生を伸ばしたような人ばっかり
そういう自分の肺の中に黒い煙がたまっていくのを見ないふり

カメラを携えて外出した日に限って曇り空
迷子になって3日経つ
今日はきっと4つくらいいいことあっていいはずだって
空が言ってる

雨は降らない
今日は定時で帰れるみたい
世界はときどき
ちょっぴりやさしい





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2008年09月02日(火)
 

世の中は不安定なものと
完成されているもので出来ている
わたしは間に挟まれて
不均等な隙間でぐらぐら揺れる

言葉はひとりごとでも言葉になるのか
誰かに聞かれてようやく形を持つのか
自分自身が聞くことでも形を持つのかなんて
どうでもいいこと考えながら
今日も日が暮れます

夕陽がきれい
カメラ掲げるわたしにつられて振り向く誰か
形なくとも単純に
なにもかも繋がっているかも知れず





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