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2004年01月04日(日)
年下の男の子。

年末年始のバイト先で出合った一つ下の男の子。
どうやら気に入られてしまった。

彼は高校を辞めてフリーターをしている。
かっこいいバイクに乗っている。
あたしはバイクにまたがったことはなかった。

「seriaさん乗ってくださいよ!」

バイト先からあたしの家までは歩いて三分だというのに
彼はあたしを無理矢理バイクに乗せてくれた。
正直、怖かった。

バイクは思ってたより、気持ちのいいものだった。
彼は信号待ちで
「今日連れ出していいですか?」
と聞いた。
あたしは黙って彼にしがみついた。

向かった先は市内が一望できる山の上だった。
冬の夜景は綺麗だ。

年末の忙しさでたくさんの車が走り
田舎だからあちこちの家に電気がつく。
きっとその中ではたくさんの一年の思い出や
来年の希望で満ち溢れてるに違いない。

充足した物。

あたしたちは自分のことを少しずつ話し始めた。
彼は話が上手くてあたしは何度もうなずき
何度もおなかを抱えて笑った。
話し下手なあたしなりにユーモアを含めて
一生懸命彼に話した。
彼も笑ってくれた。
二人で大笑いした。

ふと、こんなに笑ったのはいつ以来だろう
と思った。

男の人といるとあたしはあまり笑うことがなくなっていた。
笑顔でいることはあった。
でもいつもシリアスになりすぎたり、
疲れていたり、
求めていたり、
泣いていた。
こんなに笑ったのは久しぶりだった。

きっと世間の彼氏彼女はこんな感じなのだろう。

と思った。

どうでもいい空想の話を彼とし続けた。

午前2時。

あたしたちは山を降り、
家に送ってもらった。
彼はメットを取って
バイクを止め、
あたしを抱きしめた。

「これじゃあ浮気になっちゃう。」

そうゆうと

「彼氏いたんですか?」

と。

大笑いした。


「じゃあ俺は本気で。」

そういってキスされた。


顔が赤くなり
急いでメットをかぶり
バイクにまたがった。

「じゃあまた。」

そういって彼はいなくなった。

じゃあまた。

二人に次は二度とない。
あたしは確信していた。





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