先月初めのことだった。2004年夏に購入した愛用の腕時計を、修理がてらオーバーホールに出した。
　……いや、朝出かけるときにネジきっちり巻いたのに昼頃止まるとか、４時間につき１時間遅れるとか、とんでもないことやりだしたんで。

　修理受付のお兄さん（っても、わしとあまり変わらん年齢かな）は、修理期間１ヶ月程度を見込んでくれ、と言っていたのだが。

　今日、その兄ちゃんから電話があった。メーカーの都合で、後１ヶ月くらいかかる、とのことだった。

　その理由が、「もっと精度を上げたいから」。

　……ええと。
　がっつりきっちり仕上げてくれるのは、大変にありがたいんだが。次回のオーバーホールまでの間隔も空くし。
　だがしかし、いったいあの腕時計のどの辺が、職人魂に火をつけてしまったんだろう。特に変わったモノでもないのに。一応2003年冬限定モデルだったが、夏まで残っていたところを見ると、そんなに人気のあったものでもないだろうに。

　……はっ。逆か。人気なくて、現存点数が少なかったりするのか。「マイナー好き」のわしのハートにジャストヒット（古。）だったからなー。

　まあいいか。納得いくまで、存分に調整してくれたまえ。出来上がりを楽しみにしておるぞよ。ほほほ。（偉そう）

新瀬