「忘れてしまいたいんだ」 淡々と寺島が言う。 「君に関すること全て。君との過去は全て」
忘れないで、というつもりだった私は言葉を失った。 友達でいよう、という提案は寺島に却下されたから、 それが最後の望みだったけれど。
今までのどんな別れの言葉より、心に響いた。 だから本当に最後なんだと思った。 それ以上、反論はしなかった。
ボクらの関係は、これほどまでに崩れてしまった。 最低限の「思いやり」すらも見つからないほどに。
どんなときでも、笑顔が見れる距離にいたかった。 肩書きは何でもよかったから。
でも、捨てよう。そんな気持ちは。 持っていたって仕方ない。 陽ちゃんには届かない。
何もかも手遅れ。 だからさよなら。
2004年04月29日(木) |
「縁切り」「抹殺」「過去の人」 |
涙は、多くは無かった。 「慣れ」と言ってしまえば悲しいけれど、 寺島との「別れ」は、もう何度も経験していたからだと思う。 頭はポジティブに切り替わっていた。
頑張らなきゃいけない。 ちょうど今日から大学生活が始まったのだから。 あんな不埒で、未来の無い関係は終わらせなければならない。 新しい恋を探さなければならない。 大丈夫。 頑張れる。
というより、腹が立つ。 それは、寺島に対して初めて持つ感情だった。 「むかつく」とか、「悔しい」とか、「怒り」とか。 思ったことなかった。 感じたことなかった。 だけど今回だけは、腹が立つ。 あの人を追うのなら、今日言ってくれればよかったのに。 信じなかったあたしも悪かったけれど。 ものすごく悪いことをしたけれど。 何故、何故言ってくれなかったの。 何故あたしは市丸から聞いてるの。 そう考え出したら止まらなくて。 今までの関係も許せなくなって。
深夜に、寺島に電話した。 途中までメールでしていたけれど、返事を待つのが嫌になったから。
そこであたしは、 「縁切り」宣言をされ、 「抹殺」宣言をされ、 「過去の人」宣言をされた。
要するに自分はもう、忘れたいのだと。 未来へ向けて歩きたいのだと、寺島は言った。
寺島と縁を切ったのは、4月2日のことだった。 私は大学の入学式だった。
もう随分と、怠惰な関係が続いていた。 同じことの繰り返しだから、書く意味もない。
それでも私はどこかで、寺島に好かれていると思っていた。 少しずつでも私が変われば、またちゃんと付き合ってくれるんじゃないかと。 短所を直せば。 そう思っていた。
入学式から帰ってきた後、会った。 いつになく寺島は、真面目な顔をして、 「けじめをつけよう」 と言った。 でも私は信じなかった。 こんなこと言ってるけど大丈夫、とか。 私がそう言ったときは、つけてくれなかったくせに。とも思っていた。 話は進まなかった。 まだ、次はあると思っていた。
夜に市丸と会って、話した。 「なんだか今日、けじめって言ってたけど。よくわからない」 そう言ったら、市丸が、 「言っていいか?」 と言い出した。 何のことかわからずに、とりあえず「うん」と言った。
何であの人なの? 私が、一番とられたくなかったあの人。 寺島を頼りにしているあの人。 寺島の初恋の人に、似ているあの人。
私の涙を、泣き叫ぶ声を、市丸は受けとめてくれた。
日記を更新するということは、気持ちを吐き出すということ。 私は、とても好きだったのだけれど。 この間の更新ほど、辛かったことはなかった。
私の心はあまりに単純な構造だった。 吐き出したら、無くなる。 気づいたときは一人で笑った。
憎む気持ちも、悔しい気持ちも、あの更新の後は、 すっかり目立たなくなってしまった。 残ったのは、1%の気持ち。
無理矢理忘れようとは思わなかった。 そうしてむしろ忘れられなくなっても困ると思ったから。 時の流れで、自然にそうなるだろうと思った。
寺島に逢うことなどもうないから。 忘れたくなくても、きっと忘れていく。 だから、頑張ろう。
***追記
やっとつながりました。ネット復帰。 幸せです。
過去日記だったのに、「今」に押し負けてしまって。 これからどう書こうか迷っています。
また、よろしくお願いします。
とてもとても、いろんなことがあった。 日記の続きを思い出そうとしても、思い出せない。 家のPCに当時書いた日記があるけれど、大学の友人のPCを借りているので、 あまり自由にできない。
メールマガジンを読んでくださっている方はご存知だと思うが、 寺島と完全に縁を切った。 日記を書かなくなってから、何度も始まりと別れを経て、 ようやく結末を迎えた。
怒り、悲しみ、憤り、後悔。 あんなにも渦巻いていた感情も、今は薄れて、 ただ平穏だけが残っている。
メルマガでは省略した、別れの理由は、 寺島が、昔好きだった人を忘れられなかったこと。 しかもそれは、寺島ではなく、市丸の口から私へと伝えられた。 別に伝言というわけではないが。
初めて寺島に、「怒り」を覚えた。 「悔しさ」を覚えた。 何故こんな男にしがみついていたのかと、本当に思った。
相手は、あの娘。 「これまで見たことがないほど」に書いたあの娘。 やっぱり、あの娘。 でももう嫉妬は、しなかった。
別れるにあたって、これからも友達でいたいと言った私に、 「もうお前は、俺にとって過去だから。 過去は、抹殺したい。 縁が切れても、かまわない。 会っても、初対面扱いをしたい」 そう言った寺島。 泣く自分が、許せなかった。 泣かされることが、悔しかった。
今は、それでよかったと思っている。 私の生活は、とても楽になった。 寺島へのメールを考えなくていい。 素っ気無い返事に泣くこともない。 どれだけ寺島に気力を使っていたか、思い知った。
日常で、ふと、気持ちがよみがえることがある。 涙がにじむこともある。 99%寺島を嫌っても、1%が確かに存在している。 でも、間違いなく、 過去。
「寺島は、戻ってくるよ」 そう周囲は言う。 「また戻るんじゃない?」 「結婚するんじゃない?」 この期に及んでもそんな声が飛ぶ。
寺島が戻ってくるかもしれないことは、否定しない。 そんなに強い人ではないからだ。 強いふりをしているけれど。 しかし問題は、 私の気持ちが復活するか?ということだ。 いつかのように、100%寺島を信じることができるのか? 自信はない。 まぁ、寺島が戻ってきたときの話だから、これ以上は考えない。
私の生活から、寺島の生活から、お互いが消えていく。 それでも、それが恋だ。 それが人生だ。 皆頑張っている。 私だけ止まってはいられない。
***
卒業したらつなぐ予定が、延びに延びています。
迷惑メールの急増に困り、アドレスを変えました。 先週の15日から今日(19日)まで、フォームメールは使えていません。 もしくださった方がおられたら、お手数ですが今一度ください。 メールマガジンの登録希望も、メールでお願いします。
では、また。 次がいつになるかわかりませんが。
悠介
|