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2006年05月21日(日) 固くて驚く。

夫は会合があったので夜は一人。テレビで愛情のこもったお弁当を作り続けている人を特集した番組を見た。宮大工のおかみさんとか、大家族のおばあちゃんとか、節約上手の若い美人妻とか、いろいろな人が出ているのだが、私と同年代の茨城県のとある市に在住の専業主夫の人もいた。
彼の妻は市内にある某大手電機メーカー(ってバレバレ。テレビでも伏せていない)の技術職で子供は3人。はじめは共働きだったがどうにも家が回らなくなったので、当時収入が高かった彼女が仕事を続けることにし、夫は家に入った。男性が専業主夫として働くというのは、女性が専業主婦になるより超えるべきハードルがいろいろあって、テレビではそのあたりの苦労話や夫への彼女の感謝の気持ちなどが中心に描かれていた。奥さんは技術職の人が着るジャンパーを通勤のときも羽織っていて、化粧気は一切なし。たぶん車通勤でこのほうが効率はいいんだろうけど、いくら大黒柱として働いていても女らしく口紅ぐらいつければいいのになー、などとちょっとジェンダーなことを考える。
帰宅した夫に、そんな話をする。
我が家は、結婚後私が正社員として働いていた時期もあったが、今は一応私が仕事量を控えて「内助の功」もしているという状態。私がサボりたいというのもあるが、実際私がフルタイムで働いていたら、生活で手一杯になって双方仕事に支障が出ると思う。私の周囲には、子供もいてフルタイムで働いていて、という人もいる。私にも余力はあるかもしれないが、すでにそうしようという野望やモチベーションが薄れてしまっている。
夫のほうは、能力的には著しく劣っているが家事自体はやぶさかではなく、実際お皿洗いなどはほとんど毎回するが、今は非常に仕事が忙しいので、これ以上はたぶんムリ。彼のほうが収入も社会的インパクトも強いので、家庭の分を私が多く担うことについては疑問がない。テレビに出ていた家庭の場合は、周囲とよく折り合いをつけてやっていて、最上の選択をしていると思ったのだが、夫に話してみたら思いがけない反応が返ってきた。
「ダンナさん仕事やめちゃって大丈夫なのかな?」というのである。「最近は、定年まで勤められないケースもあるし、最後まで残れないんじゃないか。」
それは男性が勤めていても同じだと思うのだが、たぶん夫の考えは「男性ですら残れないのに、それより不利な条件にある女性が会社に残るなんてリスキーだ」ということらしい。(今書いてて初めて、夫がそう言った時、私の脳内では「女性は劣っているから」と変換されてムっとしたのだということに気づいた。)まあ、そうかもしれないが彼女は技術専門職だし、そんなことは当然彼らも考えてのことだし、子供が巣立ってしまえば夫も何かの仕事をすればいい話だ。しかも地方都市なら何とか暮らしも立つのではないか?と半ばムキになって主張したら「まあ、それはそうか」と言ってその場はおしまいになった。

夫は時々こういう頭の固いことを言い出すので驚く。

普段は私に合わせてリベラルなことを言っているだけで、やっぱり根っこの部分は保守的な親に育てられた保守な男なのか。


2006年05月20日(土) 林川(仮名)さんとスキヤキ

せっかく奮闘したゆで野菜を使う暇がない。
金曜日は夫が帰りが遅く、さらに好物のお団子やさんのお土産を持ってきたので、夕食は簡単に済ませ、しかも私は非常勤先Bでロールケーキを買ってきてしまったので、土曜日の朝食はロールケーキ。昼は仕事なので外食。夜は夫の研究室にいるフィンランドからの訪問研究員、林川さん(科名)とスキヤキ。
このスキヤキやさんはオフィスビルの中にあって、休日はすごくお得な価格設定。お得なお値段なのに、前菜からデザートまで一通り出て、着物姿の仲居さんがつききりで鍋のお世話をしてくれるし、掘りごたつの純和風の個室もあるので外国人にはとても喜ばれる。
この間見たフィンランドを舞台にした映画「かもめ食堂」の話をしたり、彼が通っている日本語教室や、入会したばかりの柔道クラブの様子を聞いたり。フィンランド語の発音はほぼ日本語の発音に近いので(日本語のほうが平板というかアクセントが弱い)、発音は英語話者などに比べて自然。この機会を生かして集中的に日本語を勉強すべきだと考えているようで、毎日3時間のクラスを受けているのだという。しかも柔道クラブのメンバーは誰も英語を話さないそうで、ますます上達が早いだろう。あとは紙と鉛筆を取り出して、漢字を書いたり、ハンコ用に日本語名を考えたり。
とはいうものの、現時点での会話は英語。僕らのなかに誰も英語のネイティブじゃないけど、こうやって英語で話ができるのはいいねーなどとほとんどネイティブの彼が言う。私は会合の直前にフランス語の復習をしていたので、とっさにフランス語の単語を口走ってしまい、彼はフランス語も話せるそうなのだが先祖はスウェーデン人で、日本語のクラスにスウェーデン人がいるのに話しかけようとすると日本語ばかり思いついてしまうといっていた。やっぱり外国語用の脳っていうのはすごく狭くて、その時点では1つしか入らないんじゃないかという話をすると、彼もまさにそんな気がすると言う。でも続けて「だけど英語は別格だね」とさらりと言っていた。やっぱな(-"-)


2006年05月16日(火) かようびは家事の日

月曜日と火曜日は仕事を入れていないので、火曜日はたまった家事を片付ける日。生協の宅配とクリーニングの御用聞きも火曜日に来る。難点は美容院にいけないことだな。昨日は一日出かけてしまったので洗濯しつつぐったり。生協の宅配が来たのを居留守してた昼寝してたのに、しつこく二度も押されちゃったよ。
生協で届いた野菜を材料別に茹でる茹でる。今日茹でたのは、にんじん、じゃがいも、ブロッコリー、大根、キャベツ。こうしておくと後が楽だというので先週一週間過ごしてみたけど、茹でてしまえば確かに楽。しかし茹でるのはやっぱり大変だなー。3〜4日持つといわれても最後のほうはやっぱり怪しくなってくるし。全部茹で野菜でなんとかしようと考えないで、冷凍カット野菜とあわせワザだな。


2006年05月11日(木) 叱らない先生

今期は新しい科目がないので精神的に余裕があるのかもしれないが、今年度の私はとんと叱らない先生になっている。例年に比べて学生がいい子たちなわけでなく、むしろレベルは下がっていると思う。まあ厳しいことはそれなりに言うんだけど、真剣に言って無いって言うか、心がこもっていないというか、いやはや。今までなにをきりきりしていたのかなーと思うほど、腹が立たない。あきれるんだけど、それ以上の感情がわかない。で、結果として表面上非常に和やかに進行している。これってどこかで彼らのことをばっさり切り捨てているからだろうなぁと思うと、どうもしっくりこない。
まあそのうち怒り爆発!みたいなことが起きるかもしれないんだけど。このままdullになっていくのかな。



2006年05月06日(土) 当世学生気質

世間様がGWに浮かれているときにもお仕事。といっても朝寝坊はしましたが。学生さんも出席率悪し。1/3ぐらい欠席してるかも。久しぶりに会ったもんだから、授業中も何かとくすくす楽しそうにしてたり。思わずじっと顔を見つめたら、授業後に提出するコメントつき出席カードに「浮かれていて身が入りませんでした、ごめんなさい」と書いてあった。身が入ってなくてすみませんと謝られてもなー。単におしゃべりが煩かっただけでさー、せんせーはそこまで君たちに入れ込んでないぞー。授業後に話しかけてきた学生さんは、コメントには全部目を通しているのかと聞いてきた。目を通さないコメントを書かせる意味がいったいどこにあろうや、いやない(反語)。なんでそんなこと聞くのか逆に尋ねたら、「コメントが欲しい」って、何?コメントが欲しければ思わずコメントを返したくなるようなコメントを書いておくれ。
控え室で他の教員と学生さんとの会話をなんとなく聞いてしまう。連休明けから実習に行くらしい。教員は座ったまま、学生さんは直立不動に近い姿勢で会話しているのだが、学生さんいわく「全力でやります!」「絶対何か掴んできます!」すごいなー。よくそんな台詞が吐けるなー。せんせーは心の中で赤面してしまったよ。

昼食は、先週行列であきらめた近所のお蕎麦屋さんに行ったら、今度はGWで休み。お昼はそこでなければ反対側のイタリアンに行くので今週もパスタ。今日のランチメニューとして、ピリ辛リゾットとか和風ベーコンパスタとか珍妙なものが並ぶ。まあそのあたりはイタリアンのバリエーションとしても、最後に出てる「かつカレー」ってどういうことよ。
夜は夫の親兄弟孫と食事会。おいしかった。


2006年05月05日(金) 始末

昨日の家族会議の疲れが出たのか、相変わらず夜中に寝床を逃亡してごそごそやっているせいか、夫は今日も起きられず。しかし、3日に買いそびれた柏餅をなんとしても食べたいので、午前中に出かける。昨日実家から持ち帰った洋服のうちクリーニング済みのものを、近くの福祉施設に寄付する。洋服は結婚前のOLの頃に着ていたものが中心で、とにかく数がある。日中は制服を着ていたので案外傷んでいないものだ。バブルの頃の服は仕立てがいいので、デザインをいとわなければまだまだ十分に着られる。あまり愛着の無いものは早い時期に処分してしまったので、今までとっておいたものは思い入れのあるものばかり。気に入っていても体型が変わっておなか周りがきついものもあり、そういうものはいっそ諦めが付く。スマートな人に活用してもらっておくれ。
ヤフオクでこまごま配送したりもめんどくさいし、バザーに出そうにもバザーに出す伝手もないし、フリーマーケットに出す根性もないし、というわけで一括して不用品を出せるところがあるのはありがたい。
ぐるっと遠回りして和菓子屋さんへ。柏餅はちょうどみそ餡が売切れてしまって今作っている最中だというので、近所のお寺におまいりして時間をつぶす。本当はリサイクルショップも下見に行きたかったのだが、夫のカラータイマーがピコピコして仕方なく帰宅。旅行に行くと命を削ってでも出歩くくせになー。
クリーニングに出すまでもなく、かといってそのままでは憚られるものを少し洗濯。ドライマークも洗えるというおしゃれ着洗剤を使ってみる。あら、案外簡単に洗えるものなのね。


2006年05月04日(木) 家族会議

たっぷり夫を休ませて少し頭が働くようになったところで、私の実家で家族会議。まーいろいろ考えなければいけないことはあるが、それぞれができることをするしかない。子供のいない私たちは優先度として低く、身軽な駒として使われがちなことは、双方の実家でも往々にしてあるのだが、だからといって声高に主張しなければならないこともあまりないので、まあその辺は長い目で見ることにしよう。とりあえず、10年前の思惑ははずれ、5年先は誰にもわからないということだけはわかった。親を看取って自分たちの始末は自分たちできちんとつけられたら、もうそれでいいかなという気がする。


2006年05月03日(水) お金のかからない休日

29日に夫が出張から帰ってきて翌日曜日はほぼ半日死亡。月・火は私は休みなのに夫は仕事、というわけですれ違い夫婦が初めて同時に休みましたとさ。
時差ぼけが取れない夫は、早寝しては夜明け前に寝床から逃亡してごそごそ仕事をし、さらに明け方眠りについては朝寝坊というのを繰り返している。今日もご他聞に漏れず朝ぐずぐずしているのをたたき起こして朝ごはん。今日は藤田嗣治展@国立近代美に行くのだ。先人たちに聞くとすごい混雑だというので、朝一番を狙っていかねばならぬ。
結局夫がぐずぐずしていた分出発が遅れ、10時半前に到着。まだコインロッカーも空いていたので、お弁当(といってもハレ用ではなく普段の通勤弁当)と水筒の入ったリュックを収めて、会場へ。混雑はしているものの、混乱はしておらず、細かな描写に目を見張ったり、時代(住む場所)によってがらりと変わる画風に驚いたりしながらたっぷり鑑賞した。常設展も見て約2時間後に外に出たら入場制限がかかっていた。併設のフレンチレストランは60分待ちだった。ほー。
北の丸公園に行ってひんやりとした木立の下でお弁当を広げる。図書館から借りたらしい本をベンチでゆったり読んでいる人もいて、なんかいい感じ。子供が駆け回っていて、少子化って言っても子供いるじゃん、大丈夫だねなどと偏った意見を夫と交し合う。
その後、分館である工芸館を見る。ここは古い建物好きとしては一度入ってみたかったのだが、本館からは駅と反対方向にあってなかなか来られなかったのだ。藤田喬平のガラス作品が多く展示されていて、透き通ったもの好きとして楽しく鑑賞した。
その後、北桔梗門から皇居東御苑へ。入り口で入園票をもらって中に入る。意外と人が沢山いて、外国人観光客も多い。芝生の上に上半身裸で寝そべっている白人カップルなどもいて、場所が場所だけに時代の差を感じる。天守閣跡にや松の廊下跡を見ながらてくてく歩く。遠くでデモか集会をやっているようだ。日比谷公園からなのか「んだとぉ〜ゴルァ〜」みたいな拡声器を通した怒号が聞こえてきて、憲法記念日だということを思い出す。
大手門に抜ける途中に三の丸尚蔵館があって「伊藤若冲を中心に」と銘うった展示をやっているのを思い出した。早速なかにはいると、中心にといいつつ一度に展示しているのではなく、何期かに分けてちびちびと展示しているよう。売店で絵葉書はすべて買えるのだが、全部見るには通わなくてはならないのか。まああの狭さだし、入場無料だし文句は言えないのだけれど。立派な石垣を見たり番所跡を見たりしながら、大手門で入園票を返して外に出る。これで入園票の出と入りが合わなかったら閉門後捜索隊が出るんだろうな。大手門の目の前にパレスホテルがあったので、すぐ地下鉄に乗れるかとおもいきや私の乗りたい線の大手町駅は遠かった。これなら東京駅に出たほうが良かったかも。最寄り駅で降りてコンビニでアイスを買って帰る。美術館の入場料と往復の交通費以外の出費としてはこれだけ。お金のかからない一日だった。
善哉、善哉。

参考サイト:
東京国立近代美術館
http://www.momat.go.jp/
皇居東御苑
http://www.kunaicho.go.jp/11/d11-03.html
三の丸尚蔵館第40回展開催要領
http://www.kunaicho.go.jp/11/d11-05-06.html


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