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1998年12月28日(月) 無題


この日のことは、忘れようとしても忘れられない。






1998年12月27日(日) John Grisham"RAINMAKER"


John Grishamの"RAINMAKER"をこの忙しい時期だというのに買い求め、むさぼるように読み始めてしまう。

正月は、のんびり寝正月を決め込んで、徐々に勉強できる状態に持っていこうと考えていたが、主人公が置かれた立場が現在の自分とよく似ていて、(すなわちRAINMAKERの主人公Rudy Baylorは、ロースクールの3年生であり、まもなくBAR EXAMを受けるのであるが、事務所への就職も決まっており、これから自分を待ち受ける仕事の山とシビアな人事への不安と共に、弁護士としての自分の将来に期待を持っている)何だか身につまされる箇所が多く、容易に感情移入できるのである。

もちろん、アメリカの法律事務所における実務についても勉強になる点も多い。

(Fish fileという言葉ははじめて知ったし,bankrupcy lawerにも現場で顧客を見つけようとするものもいることも知った。 public defender, insurance policy, bad-faith denialなどアメリカの法律の現場を覗く思いがする)

英語のpaperbackで他のグリシャム作品と同様厚い本(600page!)であるので、読み始めるのに若干二の足を踏む方もおられるかと思うが、迫力ある筆致と、比較的平易かつ簡潔な英文は、私のような英語がそれほど得意ではない人間にも、十分読めるものであった。

映画にもなって、日本でも公開されたようだが、見損ねてしまった。しかしTHE FIRMほど評判にはならなかったようである。

修習生だけでなく、法律家を目指す方全般に、おすすめの一冊である。






1998年12月26日(土) 後期修習の概要


後期修習に入ってからは、ほぼ毎日のように起案や、その予習復習に追いまくられる日々が続いている。

実際の事件の記録に手を加えたものを題材に、準備書面(民事で代理人弁護士が主張を行う書面)や判決書(民事・刑事)、起訴状、弁論要旨(刑事裁判で弁護人が裁判の最後に行う、被告人側の主張等を記載した書面)などを起案して、その法律上の問題点を論じるといった形式のいわばテストのようなものが、連日行われるのである。

おかげで、現在に至るまで、全く更新することができなかったことをお詫びしたい。

後期修習は、起案で忙しい中にさらに企業法務についての事例研究や、民事交互尋問、刑事模擬裁判など、修習生が主体的に研究、発表、実演を行う行事も目白押しである。

民事交互尋問は、修習生が原告側代理人、被告側代理人、裁判官、証人に別れて、証人尋問などを行うものであるが、この準備も相当大変であり、年明けに予定されているのに12月中から証人テストや原告側代理人、被告側代理人それぞれの綿密な打ち合わせが行われている。
刑事模擬裁判も気になるところである。おおかたの修習生は、刑事模擬裁判を実務修習中に行ってきており、それぞれ成功、失敗の想い出を持っているので、充実したものになることが予想される。

私は、来年四月から従事するであろう仕事の予行演習というわけでもないのだが、企業法務の研究発表を担当することになり、やはり大手渉外事務所に就職の決まっている修習生とペアを組んでリサーチなどを行った。

事例は、典型的なスピンアウトで、従業員が会社を辞めて新会社を設立したが、同一の商標を用い、混同誤認を生じさせる態様で新会社設立の宣伝をしているといったもので、競業避止義務違反や、不正競争防止法における混同惹起行為、商標抹消請求、商号抹消請求、商法上の株式買取請求権など幅広い法律上の問題点をはらむものであった。

いずれも非常に興味深く、リサーチは手の掛かるものだったが、型にはまったことばかりの起案に疲れた頭にはちょうどいい刺激になった。







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