昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2003年08月31日(日) 寝てばかり

 映画が終わったのが朝8時頃。眠いことはもちろん、昨日の夕方焼きそばを食べてから、珈琲と水しか飲んでいないのでとにかくお腹が空いた。Tも腹が減って動けないとうるさいので、商店街でただ一軒営業していた松屋で朝ご飯を食べる。松屋で食べたのは初めて。
 家に帰ってお風呂に入り、昼すぎまで寝る。

 午後遅くから、散歩がてら久しぶりにダイエーに行って日用雑貨をいろいろ買う。ダイエーでは、阪神グッズを集めたタイガースコーナーを設けて、「六甲おろし」をがんがん鳴らしていたけれど、自社チームの応援はしなくてもいいのだろうか。

 散歩から帰ってからも、本を読んではうとうと、女子マラソンを見ながらうとうと、なんだか寝てばかりいた。

・購入物:なし

・朝食:松屋で、朝ご飯定食(目玉焼き、サラダ、麦とろ汁、ご飯、味噌汁)
 夕食:外食、かめやにて(ハンバーグ、海老フライ、サラダ、ご飯)
 


2003年08月30日(土) 「仁義なき戦い」

 夕飯を食べて、日が暮れてから出かける。途中、喫茶店で珈琲を飲んでから、九条で映画を観る。「仁義なき戦い」をオールナイトで。「仁義なき戦い」「仁義なき戦い・広島死闘編」「仁義なき戦い・代理戦争」「仁義なき戦い・頂上作戦」「仁義なき戦い・完結編」以上、5本。もう最高に面白かったけど、疲れたのなんのって。一晩で5本の映画をみたのは、多分生まれてはじめてだ。

 画面いっぱいの顔、顔、顔。スターも大部屋俳優も関係なく、みんないきいきしている。すごい躍動感。ビデオではこの迫力は得られない。
 この映画からタランティーノがいかに多くのことをパクっているか、今回よくわかったわ。何しろ血の色まで同じだもんなあ。闇市で菅原文太が聞いているレコードが広澤虎造の浪曲だったことも、はじめて気がついた。
 たくさんの人が組織の下で意味なく死んでいく、救いのない話だけど、観た後は不思議なほど元気がでて、爽快で、「オレはまだまだ生きるんでい!」と幕末太陽傳のフランキー堺みたいな気分になる。

 成田三樹夫がでてくる度、毎度のことながら茫然としてしまう。眠気もふっとぶかっこよさ。もう何もかもかっこいい、画面にくぎづけ。あと、仁義もクソもない金子信雄。このおっさんはやっぱりただの料理人じゃなかったんだわ、すごいなあ。

 あー楽しかった。

・購入物:なし

・朝食:鮭、味噌汁、漬物、ご飯
 夕食:野菜焼きそば、麦酒

 

 

 


2003年08月29日(金) 夜の香りは天ぷらの香り?

 今日はまっすぐ家へ帰って、野球を見ながらちょこちょこ料理を作る。
 チンゲンサイを味噌汁に入れるつもりだったのに、切ってみたら中が腐っていた。なんだあ。仕方ないのでキャベツを代わりに使うことにする。キャベツと豆腐の味噌汁。何とも言えん味がする。

 読んでしまった本。古井由吉の「夜の香り」。短編4編収録。この人の本は初めて読んだが、なかなか面白かった。
 『街道の際』という同僚の家を訪れる話と、最後の『夜の香り』というのが好きだ。
 『夜の香り』には夜中になると毎日、天ぷらを揚げはじめる一家が出てくる。タネはいつもイカ。脂っこ〜い。その匂いが本から立ち上がってくるような気がする。小説の後半には、この一家の向かいのアパートに住む、奇妙な男の話になっていく。この男はあっけなく事故で死ぬが、その葬式の顛末は寂しいながらも、どこかほのぼのしたものがあって、私は好きだ。

 夜は久しぶりに「ナイトスクープ」を見た。陸上競技を見るのが好きなので、「世界陸上」も見たいんだけど、私がチャンネルをあわせる度に何故か織田裕二が出てくるのが、どうもなあ。織田裕二は別に好きでも嫌いでもないけど、いったい何の必要があって出演してるのかよくわからない。アンタはどうでもいいんだよ、と思って結局テレビを消しちゃうのだ、残念、陸上見たいのに。

・購入物:なし

・朝食:サツマイモパン、ソーセージ、牛乳
 昼食:おにぎり、茄子とゴマの味噌汁
 夕食:チキンステーキ、マイタケのガーリック炒め、トマトサラダ、味噌汁(豆腐とキャベツ)、麦酒、ご飯


2003年08月28日(木) 目の保養

 お金が手元にあるうちに、気が変わらないうちに、と思って来月の東京行きのチケットを買いに行く。これもジョアン・ジルベルトのため。
 気が変わらないうちに、って私の気は変わらない。ジョアン・ジルベルトがちゃんと来日してくれるように祈るばかりだ。

 その後ぶらぶら梅田周辺を散歩して、時々入る骨董屋で文机や本棚、水屋などを眺める。目の保養。
 買う気もないのに、これはアレですか大正くらいのもんですかねえ、なんて店員に聞いたりして。そうなんですこのガラスが特徴でね、と懇切丁寧な説明に興味深く耳を傾けたりなんかして。でも結局、また来ますねえ、と言って手ぶらで店を出るのだ、ごめんね。

 タワーでCDを2枚買って帰る。
 
・購入物:こだま和文「A SILENT PRAYER」
     MARVIN GAYE 「What's going on deluxe edition」

・朝食:キャベツとツナのサラダ、ゆで卵、味噌汁、海苔、ご飯
 昼食:コロッケ、ご飯
 夕食:肉じゃが、冷奴、ピーマンの甘辛炒め、ご飯


2003年08月27日(水) 「プレイタイム」

 仕事を無理矢理切り上げて、ジャック・タチの「プレイタイム」を観に行く。今回の特集上映では、これが一番観たかった。私の好きな「特にストーリーのない」映画。

 ジャック・タチの映画って、どれもとても上品だと思う。この「プレイタイム」はかなりドタバタなところがあるけど、それでもとびきり上品で、スタイリッシュだ。おしゃれに笑わせて、チクチクと風刺する。センスが良いとはまさしくこれだ。
 ラストで、バーバラがバスの窓から空を見上げて、その後暮れていく街の風景が映されるのがとてもいい。音楽もいいし。ちょっと泣けるなあ、あのシーン。
 一度観ただけでは物足りない、何度でも何度でも観たい映画だ。きっとその度ごとに、新しい発見があると思う。

 しかし残念なことに、疲れと睡眠不足で体調がイマイチなところへもってきて、映画館の空調がききすぎて寒くてたまらず、少し集中力が途切れるところもあった。不覚。映画を観るのには体力が必要だ。

 旭屋に寄ってみたけど、どうも本を買う気持ちが盛り上がらない。こういう時はきっと、身も心もどこかおかしいのだ。さっさと帰って、とっとと寝た。

・購入物:なし

・朝食:冷やしうどん(みょうが、ねぎ、のり入り)
 昼食:鮭おにぎり、味噌汁(インスタント)、ゴボウサラダ
 夕食:外食(カルビ石焼ビビンバ、麦酒)

 

 


2003年08月26日(火) またぼちぼちと、

 ジュンク堂で「ためらいの倫理学」を熱心に立ち読みしていたら、友人より、飲みに行きませんか、とメールが来た。昨日とはまた別人。誰も彼もが、私にお酒を飲ませたがる。今日は断る理由がないので、本を買うのは明日にまわして、行くことにする。

 夕方から割と激しい雨が降ってきた。午後7時半頃にもかかわらず、メガホンを持ち、タイガースのヘルメットをかぶった人がぶらぶら歩いているので、野球は中止になったのだろう。
 友人は、仕事でたまりにたまった鬱憤を晴らしたかったらしく、飲むのもそっちのけで機関銃のように喋り続けていた。私は、ふんふんなるほどなあ、と聞くしかないのだが、心の内を言葉にすると楽になるようだ。
 帰り際に彼女は、話したらちょっとすっとして何かが解決したような気がするわ、と言っていた。本当は何にも解決なんかしていない。でも、気分は少し変わったのかもしれない。またぼちぼちやっていこうかなあ、と思えるくらいには。

 帰りの電車で「フランス短編傑作選」を読み終えた。アレーの「親切な恋人」も面白かった。寒さに震える恋人の足を、自分の内臓に入れて温めてあげる男。人間こたつ。こう書いたらただの変な話だけど、なんかおしゃれなのだ。
 家に帰り着いたのは0時頃。疲れました。

・購入物:なし

・朝食:チーズパン、野菜スープ、牛乳、バナナチップ
 昼食:サツマイモパン、珈琲
 夕食:外食、居酒屋で(店の名前忘れた)、サラダ、もずく、焼き鳥、海老のチリソース、麦酒中ジョッキ5杯くらい


2003年08月25日(月) 参加できません

 ちょうど仕事が終わる頃、友人より飲み会へ誘いの電話あり。
 今日は宅急便で米が送られてくるし(米が底をついたのでどうしても今日受け取りたい)、野菜と牛乳の宅配の日だし(留守だと家の前に置きっぱなしにされる)、通販で買った化粧品が着払いで来るかもしれないし(洗顔ジェルが残り少ないので早く欲しい)、以上のような理由で参加できません、と断ると、「残念ー、この間飲んだ時すごく楽しくて、アンタのこと好きになったって子が来るねんけどなあ」などと言う。それを早く言えよ。誰よ?正月に会ったちょっとかっこいい人か?、と聞くと、「え、女の子やけど」。なんじゃそら。やっぱり参加できません、と断る。

 まっすぐ家に帰って、米も野菜も牛乳も化粧品もちゃんと受け取った。
 牛乳は大好きなパスチャライズ牛乳で、賞味期限は短いけどすごくおいしい。ほんのりバニラの味がする。これを飲んだら、もう他の牛乳は飲めなくなってしまった。この牛乳と一緒に、成城石井で買ったバナナチップを食べると、もうおいしくてやめられない。

 夜は岩波文庫の「フランス短編傑作選」を読む。「フラゴナールの婚約者」も良かったが、「タナトス・パレス・ホテル」も好きだなあ、皮肉っぽくて。

・購入物:なし

・朝食:鮭おにぎり、豆腐の味噌汁
 昼食:タマゴサンドイッチ、珈琲
 夕食:豚肉とチンゲン菜の炒め物、コスレタスと赤玉ねぎのスープ、モロヘイヤのゴマ和え、ご飯

 
 


2003年08月24日(日) 「ファム・ファタール」

 夜、寝る前にお風呂に入って、朝起きてまたお風呂に入って、掃除したら汗をかいたのでまたまたシャワーを浴びる。しずかちゃんみたい。でもそうでもしないとやってられないの。

 昼からおでかけ。難波で、楽しみにしていたブライアン・デ・パルマ監督の「ファム・ファタール」を観る。
 ストーリーには首をかしげるところもあるけれど、おしゃれで気の利いた小道具と、おなじみのスローモーションと画面分割、しっかり堪能いたしました。坂本龍一の音楽もなかなかよい。でもこの映画の画面分割はあんまり意味がなかったような気も。もしかしてファンサービス?
 ラストは、まさかとは思ったが、やっぱりこのオチか。とほほ。結局、一番の被害者はトラックの運転手だと思う。
 なんだかんだ言ってけっこう楽しんだけれども、この映画のことは、しばらくしたら多分忘れる。そして何年か後にテレビで放映された時、思いっきり新鮮な気持ちで観ることができるのだ。

 映画の後、千日前古書センターで「花柳小説名作選」を200円で発見。嬉しい!集英社文庫のこのシリーズでは、これが一番すばらしいと思う。野口冨士男の「なぎの葉考」が収録されているし、表紙の絵は小村雪岱だ。これまたとびきり美しい。

 タワーでリトルテンポを買って帰宅。棚をひっくり返して、「深夜の告白」のビデオを探して観る。「ファム・ファタール」の冒頭で、主人公が観ていた場面にたどり着く前に、寝てしまった。

・購入物:丸谷才一選「花柳小説名作選」(集英社文庫)
     大岡信選「ことばよ花咲け」(集英社文庫)  以上古書
     リトル・テンポ「Fire blender」

・朝、昼食:コスレタスとソーセージの炒め物、スクランブルエッグ、ロールパン、珈琲、バナナチップ
 夕食:外食(煮込みうどん定食)
     

 


2003年08月23日(土) 「火宅の人」

 午後から、ふと思い立ってオレンジシャーベットを作る。作りながら野球を観る。決勝戦。東北は7回裏が惜しかったなあ。でもいい試合だったと思う。

 九条で「火宅の人」を観た。深作欣二追悼上映の一つで、ホントはこれが観たかったわけじゃないんだけど、時間の関係でまあ仕方なく。
 
 昔、原作を読んだ時は、愛人に思いっきり感情移入していたと思うんだけど、今回映画を観てみると、家庭を愛しながらも放浪をくり返す作家自身の気持ちがよくわかる気がした。なんでかわからんけど。月日が流れて、私も変わったんだろうか。
 
 酒癖の悪い中原中也や太宰治がでてくる回想シーンは、演出が泥臭くて観ていられない。中原中也が急に、「汚れちまった悲しみにー」なんて歌い出すのだ、信じられない。ラブシーンは土曜ワイド劇場のちょい激しめ、という感じで安っぽく感じられる。監督は胸の大きい女が好きなのかな。一番好きな登場人物は松坂慶子演ずるヨウコだが、その出会いの顛末はちょっと出来過ぎで、旅のシーンも観光ビデオのようだ。
 というわけで、映画自体はイマイチだった。もうちょっとかっこいい撮り方があるだろうに、と思う。でも、いしだあゆみはとても良かった。凛とした演技が、一番ステキだった。

 帰ったら、阪神がやっと勝っていた。もう〜、しっかりしてくれよ。

・購入物:なし

・朝、昼食:キャベツとズッキーニの和風パスタ、ラスク(シベールのラスク。おいしかったけど、プレーン味を食べてみないことには、これが日本一おいしいかどうか判断がつかないな。)
 夕食:焼き鳥、オクラのカツオ和え、冷奴、サツマイモの味噌汁、麦酒、ご飯


2003年08月22日(金) 「吾妹子哀し」

 一段と暑い。着物姿の上品そうなおばさま達が、暑いわねえ、でも心頭滅却すれば火もまた涼しよ、なんて言いあっていた。私は何ひとつ滅却できないので、暑い。

 所用があって三越百貨店に行く。上品なおばさまの会話を聞いたのはここ。相変わらず閑散としている。洋服なんか、ほとんど売れてないと思うけど、いいのかなあこれで。帰り際に、「日本一おいしい」らしい、シベールのラスク、ガーリック味を買う。

 梅田に戻り、第3ビルの古本屋さんで、前から気になっていた「座談会大正文学史」を500円で買う。この500円は安いと思う。それからジュンク堂でロジェ・グルニエを2冊買って、ご飯を食べて帰る。

 本日読んだもの。堀江敏幸「スタンス・ドット」、青山光二「吾妹子哀し」、ロジェ・グルニエ「フラゴナールの婚約者」、短編ばかり。どれもこれも大変良かった。
 「吾妹子哀し」は介護小説なんかじゃなく、恋愛小説だった。人を愛するということは孤独になることなんだ、だから誰もが孤独から逃れられないんだ、と思った。また、その人を守るため自ら進んで「銃口」の前に立つことなんだ、「さあ、撃ってみろ」って。
 人生の終盤に来て、主人公は多分最後の「銃口」の前に立つ。その姿はとても優しいなあ、と思った。

・購入物:ロジェ・グルニエ「編集室」(白水Uブックス)、「水の鏡」(白水社)
     柳田泉・勝本清一郎・猪野謙二編「座談会大正文学史」(岩波書店)古書

・朝食:昨夜の夕飯残り、卵焼き、ソーセージ、ご飯
 昼食:カレーパン、珈琲
 夕食:外食(焼き魚定食)
 

 


2003年08月21日(木) 今度来るときは

 午後から手土産を持って、会社に客が来た。
 神戸のなんとかかんとかという店のケーキを持って来てくれた。とても有名な店のものらしくて、ドウダ!ええもん持ってやったぞ!、という顔をする。女はみんなケーキが好き、と思っている人が多いのかなあ。私は甘いものが苦手で、巷の「ケーキ事情」にも全く関心がないので、口先だけでしか喜べなくて悪いことをした。
 Nさんに、ケーキもらいましたよ、と見せたら、「気持ち悪い、いらん」と言うので、他のみんなに食べてもらった。今度来る時は、ピーナッツとか、枝豆とか持って来てください。

 帰り、自転車の後輪がパンクしたので、自転車屋へ寄る。修理してもらう間、自転車屋のオッチャンとベラベラ話す。野球のこととか、競馬のこととか。私は馬券は買わないけど、長い間競馬場でバイトをしていたので、競馬のことは少しなら語れる。夏競馬についてのオッチャンの熱弁をふむふむと聞く。楽しい。

 夜は、ちょっと前の「新潮」を引っ張り出してきて、堀江敏幸の「スタンス・ドット」を読む。でも途中で寝てしまった。
 
・購入物:なし

・朝食:豚キムチ、豆腐の味噌汁、ご飯
 昼食:ミックスサンドイッチ、珈琲
 夕食:牛肉とゴボウのしぐれ煮、ピーマンとじゃこの炒め物、瓜の味噌汁、麦酒、ご飯


2003年08月20日(水) 「風のない日々」

 暑い。暑いよう。
 今日は午後から外回り。暑さが戻った途端に外出の仕事が増えるというのは、悲劇というか何というか。

 移動する電車内と寝る前に、野口富士男の「風のない日々」を読んだ。ホントに「風のない」小説だった。ラストは怖いし。
 主人公の秀夫はいたって真面目な銀行員なんだけど、ただ生きているってだけで覇気が全然ない。妻を迎える時も「家具がひとつ増えるだけ」くらいにしか思わない。アホか。
 妻は妻で、暗くて大人しくて言いたいことも言わないし、「私は運が悪かったのよ」なんて言って二十歳そこそこで人生を諦めてしまっている。実に辛気くさい。
 小説の舞台は昭和初期で、戦前の東京の街や、そこで生活する人々の風俗がリアルに描写されていて、あの頃のなんとも言えない薄暗さがよく伝わってくる。小説の中味より、そっちのほうがずっと面白い。
 何もかも自由には選べない時代の、二人のもどかしさはわかるけどなあ。どうもイマイチのれなかった。
 
 しかし、昭和初期に一般的とされていた女性観から考えると、私のような奴はもうほとんど犯罪者みたいなもんじゃないだろうか。例えば夫が玄関に立ったらすぐ草履を出せ、とか、電車で席が空いたらまず夫に座っていただくように、とか書いてある。へえ、そんなことするくらいなら死んだほうがましだ。

・購入物:なし

・朝食:バターロール、目玉焼き、アイスミルク珈琲
 昼食:ピロシキ、ヨーグルト
 夕食:野菜焼きそばキムチ入り、麦酒
 


2003年08月19日(火) 「シネロマン」

 カエターノ・ヴェローゾの「ポートレイト」と「ブレンダ・ミーニャ」をレンタルする。いずれもライブ盤。あー素晴らしい。
 
 「ブレンダ・ミーニャ」の解説で中原仁が、『アルバム「リーブロ」を聴きながら、そのまま昇天しても悔いは残らない』と書いている。たしかにね。私も悔いはないと思うな。
 続けて、『このアルバムを聴いていない人は、音楽というものをまったく聴いたことがないに等しいと本気で考えている』、と言っている。すごい。でも気持ちはわかる。カエターノ・ヴェローゾの声を聴いていると、これ以上のものが他にあるか、と思う時がある。

 ロジェ・グルニエ「シネロマン」読了。堪能した。
 「黒いピエロ」に比べると心への浸透度が若干低い気はするけれども、とてもおもしろかった。誰の人生も平凡でひどく退屈だけど、同時に劇的でもあるんだ、と思った。生きている間は気がつかないだけで。
 物語を読むって、楽しいなあ。

・購入物:なし

・朝食:チキンサンド、オムレツ、珈琲
 昼食:お弁当(とうがらしの炒め煮、かぼちゃ、きんぴらゴボウ、ご飯)
 夕食:豚しゃぶ、モロッコいんげんのサラダ、ズッキーニのガーリックソテー、豆腐とネギのスープ、ご飯
 


2003年08月18日(月) 健康第一

 週が明けたら、急に蒸し暑い。午後からようやく太陽が出てきた。

 帰りに古本屋をのぞいて、文庫本を何冊か買う。今日の購入テーマは「家」。別に意識したわけじゃなくて、たまたまそうなっただけだけど。
 文庫本だけにしようと思っていたのに、箱入りの野口富士男「風のない日々」を装丁に惹かれて買ってしまった。これにも家の絵が描いてある。

 今日100円で買った「日本文学三六五日」という新書は、小説に書かれている出来事や文学史上の事件を、1年365日にあてはめていくという、ご苦労様な本。
 本日8月18日は、谷崎潤一郎が佐藤春夫に妻を譲った日なんだって。えらい日もあったもんだ。よりによって、真夏のくそ暑い時にややこしいことをする人だなあ、谷崎って。
 
 Tの誕生日なのでステーキを焼く。でも私は食べない。ここ数日の暴飲のためか胃の調子が悪いため、お肉を食べようという気になれない。自業自得です。なんだかんだ言ってもやっぱり人間、健康第一だわ。しみじみ。

・購入物:野口富士男「風のない日々」(文藝春秋)
     色川武大「生家へ」(中公文庫)
     古井由吉「女たちの家」(中公文庫)「夜の香り」(福武文庫)
     板坂元「日本文学三六五日上・下」(講談社現代新書) すべて古書

・朝食:卵焼き、鮭、ちりめんじゃこ、ご飯
 昼食:サツマイモ、巨峰
 夕食:サーロインステーキ、キノコソテー、瓜のスープ、サニーレタスの韓国風サラダ、ご飯


2003年08月17日(日) 決心

 昼頃、自宅に戻る。
 昨日、親戚からもらってきたいろいろ(野菜とか果物とかお茶とかお菓子とか、なんかそんなようなもの)を整理する。
 伯母が、「飲み過ぎたらあかんで」と忠告つきで、信楽焼の徳利とお猪口をくれた。それも食器棚にしまう。

 この夏休みの間、昼夜問わず、一体どれだけのお酒、特にビールを、体内に流し込んだのかということについて、自分でもよく反省すべきなんじゃないだろうか。冷夏につきビールの消費量も伸び悩んでいます、なんてテレビで言ってたけど、私のビール消費量は、ここ数日ウナギのぼりなんだけど。ちょっと量を控えようと思う、とりあえず明日から。

 夜、ロジェ・グルニエ「シネロマン」を3分の2くらいまで読む。
 この本、復刊してすぐ買ったのに、今まで本棚の中で埋もれていた。なんで今まで読まなかったんだろう、こんなに面白いのに。
 「ニューシネマパラダイス」みたいなんだけど、あの映画よりもっと苦い味がする大人のお酒、という感じがする。
 
・購入物:サマセット・モーム「コスモポリタン」(ちくま文庫)古書

・朝食:トースト、トマトサラダ、スクランブルエッグ、珈琲
 昼食:外食、ダイヤにて(エビカレー)
 夕食:カツオのたたき、スライスオニオン、冷奴、蛸の天ぷら、麦酒


2003年08月16日(土) 大文字焼き

 朝早く実家へ帰る。母親を車に乗せて、お墓参りの後、母親の実家である親戚の家に行く。
 
 私の車は実家を出る時に処分してしまったので、今日は弟の車を使う。大事な車を私に運転されることについて、弟は何かと不安そうではあったが、友達が女の子を連れて迎えにきた途端、嬉々としてどこかへ遊びに行ってしまった。姉に車を貸し渋るような心の狭い男に、何であのようなかわいい女の子が寄ってくるのだろう。彼女らは何か騙されているに違いない。

 お墓参りが終わってから、親戚の家で、広陵と岩国の試合を見ながらスイカを食べる。天気は夏らしくないけど、やっていることは一応夏っぽいな。
 スイカを食べながら、従兄弟から、大文字焼きの夜によく見るという幽霊の話を聞く。見知らぬおばあさんが寝ている足下に立つんだってさ。ホンマかいな。大文字焼きの日に、というのがどうも作り話っぽい。
 誰も信じないので、従兄弟はムキになって他にもいろいろ「怖い話」を披露していたが、私は野球の方が気になって全然覚えていない。

 無事に家に帰りついて、夜は京都駅近くのビアガーデンに行き、ビールを飲みながら大文字焼きを見る。「右大文字」の半分と「妙」と「法」が見えた。だからどうってことないけど、点灯した瞬間は厳かな気分になることは、なる。
 それにしても、「時間制限なしの飲み放題」というのは本当に際限なく飲むので、もうあんまり行かないほうがいいと思った。
 大阪まで帰るのが面倒になって実家に泊まる。

・購入物:なし

・朝食:キャベツ焼きそば(昨日の残飯処理)
 夕食:ビアガーデン(サラダ、枝豆、鉄板焼きとかなんかいろいろ、麦酒)


2003年08月15日(金) まつりのあと

 昨日からザアザア降り続いていた雨は、お昼前にやっと止んだ。
 
 スーパーに行って、食料の買い出し。お好み焼きと焼きそばをたくさん焼いて、昨夜から泊まっている友人たち2人と一緒に食べる。大量のビールやお酒を飲んだような気もするが、はっきりしたことはもう覚えてない。思い出すのもこわい。

 午後遅く、友人たちは帰っていった。
 遊びに来ていた人が帰った後というのは、なんか無性にさみしい。使った食器を洗ったり、お客様用の布団を片づけたり、散らかったゴミを集めたりしている時、特に。祭りのあと、という感じ。
 次に会うのはいつになるだろう。その時はみんな、どうなっているのだろう。

 夕方から梅田に出て、ロフトで日用雑貨を買う。それから、Tの誕生日プレゼントとして、本人が欲しがっていた草鞋を買う。渡したらとても喜んでいた。世の中にはいろんな人がいるだろうけど、誕生日に草鞋をもらって喜ぶ30歳男というのは珍しいと思う。一体どこへ履いて行くんだろう。

・購入物:ロフトでなんかいろいろ

・昼食:お好み焼き、焼きそば、麦酒、日本酒
 夕食:はなまるうどん(かまたまうどん)
 


2003年08月14日(木) 「蘆刈」

 大雨。よくもこれだけ飽きもせず、ジャンジャン降れるものだと思うくらい雨が降る。おまけに涼しいを通り越して、寒い。これでは泳ぎに行く気にもなれない。

 というわけで、一日中、寝食を忘れて本を読む。あ、食は忘れてなかった、ごちゃごちゃと何か作っては食べた。朝昼兼用食として作った、茄子とズッキーニを入れたトマトソースのパスタは絶品だった。やることなすことことごとく、自分で自分をほめられるようなことはほとんどないけれど、料理だけは時々、私は天才じゃなかろうかと思うようなものを作ることがある。ま、時々だけどね。

 今日読んだ本は、加藤一雄の「蘆刈」。京屋佐吉という美学の先生の半生と、その先生に関わる人々のあれこれを書いた小説。同じく加藤一雄の書いた「無名の南画家」が、もうひっくりかえるくらい素晴らしかったので、それに比べると少々ダレる部分もあるけれど、もちろんこれもたいへんおもしろかった。
 先生をとりまく人々は、心優しい善人で、ちょっと間がぬけていて憎めない人達ばかり。そしてみんな、病気や戦争で実にあっけらかんと死んでいく。ただ生きて、ただ死ぬだけ、という感じ。このクールさがたまらん。
 『「吉ちゃん、あんたも今に解るやろうけど、この世は結局カネの世の中やで、アーア厭なこっちゃけど、欲しいものはやっぱりおカネだねえ」』
などと、ため息まじりに言う先生の叔母さんが、登場人物中一番好き。

 夜、東京から帰省してきている友人夫妻が泊まりに来た。みんなでビデオで「幕末太陽傳」を見て大笑いする。

・購入物:なし

・朝、昼食:茄子とズッキーニのトマトソースパスタ、パン
 夕食:豚とチンゲンサイとパセリの炒め物、瓜のかきたま汁、冷奴、麦酒、ご飯


 


2003年08月13日(水) 和歌山で黒田清輝をみる

 夏休み初日。今日は南海電車に乗って、和歌山へ行く。
 南海電車に乗ったのは久しぶり。昔々、難波駅でおじさんが「なんで『南海』を『ダイエー』に売ったんやあ、なんでやあ」と泣いて駅員に訴えていたのを見たことがある。南海電車に乗ると、いつもそのことを思い出す。

 和歌山県立近代美術館で「黒田清輝展」を観た。巨匠の展覧会にしては、入場者がえらく少ない。おかげでとても見やすく、順路を無視して会場をうろうろし、好きな絵を何度も眺めた。
 一番好きなのは「赤髪の少女」という絵。一目見たとき、タルコフスキーの「鏡」そのままだ、と思った。私はすぐに、何でもタルコススキーに結びつける傾向があるけど、ホントにこれは「鏡」の1シーンだよ。光と草木に包まれる少女の美しさ。黒田清輝の描く、人間の後ろ姿はとても美しい。
 
 常設展で、松本竣介の「三人」をじっくり眺める。風景を後ろに押しやって、前に三人がどおん、と立っている絵。この絵のことを、洲之内徹ならどう言うだろう。

 和歌山城の周りを歩いて駅に向かう。和歌山ラーメンを食べよう、と楽しみにしていたが店の前は長蛇の列で、気が遠くなり取りやめ。並ぶのは嫌いなので。駅前の小さなパン屋さんで、揚げパンを買ってJRで帰る。この揚げパンはとてもおいしかった。

 天王寺の古本屋さんで松本竣介の「人間風景」を立ち読みする。欲しいよう。今日のところはお金がなくて、仕方なくあきらめる。今度私が買うまでそこで待っていてね。

・購入物:ポストカード3枚

・朝食:バターロール、牛乳
 昼食:船場カリーにて(野菜カリー)
 夕食:アサヒビアケラーにて(麦酒、ジャーマンポテト、ピザ、豚トロのサラダ)


2003年08月12日(火) 「TYPOON」

 この前の台風の日に窓から外を見ている時、急に松任谷由美の「TYPHOON」という曲が頭に浮かんできた。懐かしくなって、ちゃんと聴いてみたいと思い、今日帰りに中古レコード屋に寄って、アルバム「VOYAGER」を買って来た。1500円もしたけど。
 私がユーミンを聴いていたのはこのアルバムまでで、その後はよく知らない。だからユーミンはCDじゃなくてレコードでしか聴いたことがない。

 高校生の頃よく聴いていた「TYPOON」は、やっぱりいい曲だった。80年代を思って、ノスタルジックな気分になった。

 Tが買ってきた「レコードコレクターズ」を読む。特集はジェームズブラウン。あ、あつくるしい。
 この人がもう70歳というのは、ちょっと信じられないものがある。おそろしい。

・購入物:松任谷由美「VOYAGER」(レコード)
     BRUTUS「雑誌好きなもので!」
     黒のタンクトップ(無印良品)

・朝食:ベーコンオムレツ、バターロール、バナナ、珈琲
 昼食:サラダ冷麺、ヨーグルト
 夕食:茄子とピーマンのピリ辛味噌炒め、鶏肉と瓜の煮物、冷奴、麦酒、ご飯
 
 


2003年08月11日(月) 「黒いピエロ」

 なんか人通りが少ないな、と思ったら今日から夏休みの会社も多いのか。私は今日も働きましたよ、ヒマだったけど。

 ヒマなので、資料を返却に来てくれたYさんとべらべら喋る。Yさんは、阪神が4連敗したので昨日から胃薬を飲んでいるんだって。バカですなあ。でも気持ちはよくわかる。
 Yさんは40歳半ばくらいの、見た目はパッとしないおじさんなんだけど、私はこの人と話すのが好きだ。有名無名問わず、人の悪口は言わないし、いいかげんな噂話もしない。とても頭のいい人だと思うけど、かしこぶらないし、人の話をじっくり聞いてくれて、当たり前のことは絶対言わない。だから話していてとても楽しい。
 Yさんのことを頼りないとか、出世できないとか言う人もいるけれど、出世なんかどうでもいいじゃないかと思う。そんなこと全然どうでもいいじゃないか。

 ロジェ・グルニエの「黒いピエロ」を読んでしまった。
 苦く美しい青春小説。メリーゴーランドに乗って、失敗したそれぞれの人生を見せられる。みんな人生を失敗する、まるで映画のように。とにかく、ものすごく良かった。落涙暫しおさえがたいものがある。ロジェ・グルニエってこんな小説を書く人だったんだ。じゃあ、全部読まなきゃなあ。

・購入物:正宗白鳥「今年の秋」(中公文庫)古書
 
・朝食:レーズンパン、コーンパン、バナナ、珈琲
 昼食:冷やし梅うどん
 夕食:牛肉と甘長唐辛子のしぐれ煮、小松菜と揚げの煮物、豆腐とねぎの味噌汁、ご飯

 


2003年08月10日(日) 休日

 雲ひとつない、とまではいかないが、よい天気。洗濯をして、久しぶりに布団も干す。
 
 冷蔵庫にあったブロッコリーとズッキーニを使って、でたらめなペペロンチーノ風パスタを作る。自分でいうのもナンだけど、ものすごくおいしい。こういう手の込んでいないザッとした料理は、得意中の得意だ。
 午後2時から4時くらいまで掃除をする。こんな狭い家の掃除に、なぜ2時間もかかるのかわからない。本棚の整理をするせいか?しかも一番暑い時間帯で、たいへん体力を消耗した。

 夕方から散歩に出かけ、ふらりと入った雑貨店で、ひとめぼれした美濃焼の器を衝動買いしてしまう。お金もないのにバカだ。今度から散歩に出るときは、財布を持って行かないようにしなければいけない。
 洋食屋さんで海老フライとハンバーグを食べ、ビールを飲んで帰る。

 教育テレビでやっていた柄本明の「煙草の害について」のロシア公演は、ビデオに録画して後日ゆっくり見ることにして、掃除をしていたら本棚の奥から出てきた手塚治虫の「MW」を読む。
 話が広がりすぎていてエピソードのひとつひとつが雑になっているような気がする。ラストは、ああ当然こうくるよな、という感じの終わり方。おもしろいことはおもしろいけどなあ。だから何なのよ、と思わないでもない。

・購入物:美濃焼の器

・朝、昼食:ブロッコリーとズッキーニのパスタ、パン、珈琲
 夕食:外食、「かめや」にて(海老フライ、ハンバーグ、サラダ、ご飯、麦酒)


2003年08月09日(土) 「パンチドランクラブ」

 朝5時頃から強い風。部屋の窓から、大きく揺れる電線や、ビラビラ飛んでいくスーパーの袋を眺める。眺めているうちに眠くなって、10時すぎに目を覚ました時にはもう雨風はおさまっていた。

 曇天の中、午後から「パンチドランクラブ」を観に行く。春から楽しみにしていた映画。台風の影響か上映時間が遅れていて、予告編はなしだった。予告を観るのはダルい時もあるけれど、なければないでちょっとさみしい。
 愛があれば何にもこわくないよ!、という話。キュッとしまっていて、普通におもしろい。
 主人公の同僚をルイス・ガスマンが無表情に演じていて、登場人物中では、この人が一番心優しい、いい男だと思うんだけど。私ならルイス・ガスマンに惚れるけどな。
 主人公には7人のお姉さんがいるのだが、どれもちょっと変わった個性的な人ばかりで、こういうパッとしない人を効果的に使うのが上手な監督だなあ、と思う。

 飲み会に行くTとは梅田で別れて、タリーズで「太陽の門をくぐって」を読んでしまう。
 山田稔の随筆に出てくる町や人は、みんなあたたかで、優しくて、ちょっと哀しい。読んでいたら思わず頬がゆるんでくるんだけど、最後は少しさみしくなる。
 どの町とも、どの人とも、いつかは別れなければならないんだなあ。
 
 ロジェ・グルニエを読みたくなったので、ジュンク堂でロジェ・グルニエ自身が一番気に入っている小説だという「黒いピエロ」を買う。
 家に帰り着いた時には、月がでていた。

・購入物:ロジェ・グルニエ「黒いピエロ」(みすず書房)
     山田稔「幸福へのパスポート」(編集工房ノア)
     口紅(阪神百貨店、アユーラで)

・朝、昼食:ドトール(ジャーマンドック、珈琲)
 夕食:外食(野菜ラーメン、餃子、麦酒)

・ 


2003年08月08日(金) 台風の夜

 今日こそ「シティ・オブ・ゴッド」を観るぞ、とテアトルに行ったら、台風のためレイトショウの上映は中止だった。…。この映画にはとうとう縁がなかった。公開してすぐ観なかった私がバカでした。
 せっかくテアトルまで来たので、ジャック・タチの前売り券を買う。

 百貨店も旭屋も、7時で閉店。雨は時々激しく降って、またふいに止む。珍しく混んだバスで帰る。1号線がひどく渋滞している。これは台風と関係ないと思うけど。

 帰ってザッと夕食を作り、テレビでやっていた「ニック・オブ・タイム」を何となく観る。30分くらいしてからやっと、公開当時に映画館で観ていることを思い出す。なんでこれを観に行く気になったのか、昔の自分の肩を揺すぶって聞きたい。こういう映画って、後に何にも残らないような気がする。クリストファー・ウォーケンが、松本人志に似ているのではないかという発見はあったけど。

 山田稔の「太陽の門をくぐって」を読みながら寝てしまった。

・購入物:なし

・朝食:クロワッサン、ミルクチャイ
 昼食:きのこおにぎり、バナナ、ヨーグルト
 夕食:豚と大根の煮物、いんげんのゴマ和え、冷奴、ちりめん山椒、麦酒、ご飯

 


2003年08月07日(木) 「思い川」

 早起きしたので、棚を探索して「男はつらいよ・第1話」のビデオを見つけ出し、観る。「おかしな男」を読んだので、観たくなったのだ。
 みんな若くてきびきびしている。特に「さくら」のかわいさは、まるで少女マンガの主人公だ。ラスト近く、寅さんが駅の食堂でオイオイと泣くのだが、こんなふうに泣く寅さんって珍しいかも。
 朝っぱらからこんな映画を観たら、もともと少ない勤労意欲がさらになくなるわ。

 夕方、休憩のため喫茶店に行ったら、よろしかったらお読みください、とウェイトレスが「anan」を持ってきた。隣席のお姉さんには「VERY」を渡していた。なんで私に「VERY」を持ってこないのだ?私がアシヤレーヌに見えないのかしら。見えるわけないか。
 「anan」の特集は、「血液型でわかる本当のあなた」。血液型でそんなものがわかるなら、誰も苦労しないよ。

 宇野浩二の「思い川」を読む。作家と芸者の恋愛もの。やたらと日本中旅行するから、不倫紀行小説みたいな感じ。でもやっぱりプラトニックなのだ。宇野浩二はプラトニックラブが好きだなあ。
 『先生は本当に頼りない、張り合いのない人ねえ』なあんて、女に何回も言われてしまう。何を言われても仕方ないくらい、煮え切らない、はっきりしない男なのだ。でもモテるの。これ自分がモデルでしょ。自分をこうまで色男に描けるのは、やっぱりスゴイわ。
 後半の、芸者が作家に書き送る手紙や日記がひどく感傷的で、甘ったるいというのか、まとわりつくというのか、読んでいて少々疲れる。

・購入物:なし

・朝食:おろしうどん
 昼食:レーズンパン、牛乳
 夕食:鮭塩焼き、茄子のごまだれづけ、オクラのカツオ和え、ご飯

 


2003年08月06日(水) おいしいお酒とは

 レイトショウで「シティ・オブ・ゴット」を観に行くつもりだったのだけど、結局仕事が終わらなくて行けなかった。楽しみにしてたのになあ、残念。
 意気消沈。仕方がないので、古本を買って、ビールを飲んで帰る。

 酒は、一日ゴロゴロしていた日に飲んでもあまりおいしくない。汗を流して働いたり、頭をつかって勉強したり、何かちょっとでもがんばった日に飲むのがおいしい。
 って、おじいちゃんが言っていた。
 ビールを飲みながら考えたこと。おじいちゃんは一日畑仕事をして、野球を観てお酒を飲むのが好きで、いわゆる学のある人ではなかったけれど、どこかから借りてきたような言葉は一切使わなかったな、と思った。当時は何も気がつかなかったけれど、今ならもっといろいろ聞きたいことがあったなあ、と思った。

 中学の時の夏休み、クラブから大汗をかいて帰ってきた私に、おじいちゃんは初めてビールを飲ませてくれた。脳天から花が咲いたかと思ったほどおいしかった。こんなにおいしい飲み物が世の中にあったなんて。
 思いかえせば、野球の楽しさとお酒のおいしさというような重要なことを、おじいちゃんは教えてくれたのだ。
 
 今日も、私にしてはまあがんばって働いたので、おいしいビールが飲めたと思います。

・購入物:桐生悠々「畜生道の地球」(中公文庫)古書

・朝食:チキンサンド、珈琲
 昼食:高菜おにぎり、野菜味噌汁
 夕食:外食(にぎり寿司、麦酒)


2003年08月05日(火) もう働きたくない

 ものすごく仕事が忙しいんですけど。なんで?
 たいして儲かっているようにも思えないのだが、次から次へとやることが押し寄せてくる。
 私に夏休みなんてあるんだろうか。あるよね。ありますように。

 残業して帰り道、すさまじい雷とどしゃ降りの雨に遭う。なんで?さっきまで晴れてたのに。
 雨は、家に帰ったらすぐ止んで、窓からぴっかり光る月が見えていた。私をぬらすためだけに降ったのか、あの雨は。

・購入物:なし

・朝食:トースト、目玉焼き、珈琲、牛乳
 昼食:巻き寿司
 夕食:キノコのパスタ風焼きそば(変な料理。スパゲティをゆでるのが面倒くさかっただけ。)モロヘイヤのゴマ和え、麦酒

 


2003年08月04日(月) わかりません

 暑いなあ。なにこれ。

 今朝会社に着いたら、Nさんが眉間にしわを寄せて新聞を読んでいた。
 どうしたんですか、と聞いたら「この新聞連載のさあ、渡辺淳一の小説どう思う?」と言う。Nさんは時々、とても難しいことを聞いてくる。
 どう思っていいかわかりません、と答える。だって本当にわからないのだ。
 誰かわかる人に聞いてこよ、と言って部屋を出て行ったまま、Nさんはお昼まで戻ってこなかった。

 宇野浩二の「蔵の中」を読む。自分が質屋に預けた着物を、その質屋の蔵で虫干しする話。変なの。これは近松秋江の体験がヒントになっているそうで、なるほどいかにも近松秋江っぽい。
 この小説でおもしろいのは、どうぞこのとりとめのない話を聞いてください、とか、何と馬鹿馬鹿しい話ですが辛抱して聞いてください、とか、いったい私は何を話そうとしているのでしょう、とか、途中でいちいち読者に訴えてくるところ。気持ちはわかるような気もするが…。何を話そうとしているのでしょう、とか言われても、わからん、としか答えようがないなあ。
 
 昔の人も、今の人も、答えようがないことばかり聞いてくる。

・購入物:なし

・朝食:ゴマとサツマイモのパン、珈琲
 昼食:野菜サンドイッチ、牛乳
 夕食:野菜オムレツ、コスレタスのサラダ、オクラのかつお和え、麦酒

 


2003年08月03日(日) ひねくれもの

 奈良とか和歌山とか、行きたいところはいろいろあるけれど、早起きできなくて気分がそがれ、断念。遠出は全部夏休みにまわすことにして、掃除をする。

 午後から図書館に行く。以下、本日借りた本。
 小沼丹「福寿草」、加藤一雄「盧刈」、宇野浩二「思い川・枯木のある風景・蔵の中」、キャメロン・クロウ「ビリー・ワイルダーならどうする?」と、小津安二郎「東京の合唱」のビデオ。返却日は2週間後。

 堀江界隈を歩いて、難波まで行く。右を向いても、左を向いても、おしゃれなお店ばっかりでたいへんけっこうだとは思うけれども、どの店にも入る気がしない。どれもこれもなんか薄っぺらい、と思ってしまう。ウソくさい、というか。そんなことを思うのは私がひねくれているからだ、とTは言ったけど、そうかなあ。
 
 帰って、借りてきた「ビリー・ワイルダーならどうする?」を読む。キャメロン・クロウによるインタビュー集。なかなかおもしろい。
 『キャメロン・クロウ「〈サンセット大通り〉はブラック・コメディなんですか?」
  ビリー・ワイルダー「ただの映画だ」』
 かっこいい〜。

・購入物:なし

・朝、昼食:万願寺とうがらしとじゃこの炒め物、キュウリとなすのぬか漬け、木の芽の佃煮、ご飯
 夕食:外食、はり重にて(カツカレー、麦酒)

 

 
 


2003年08月02日(土) 本を読む歓び

 今日も暑い。でもこのバカみたいに照りつける太陽と流れる汗がなくては、夏ではない。やっぱり、夏はちゃんと暑いほうがいい、ビールもスイカもおいしいし。

 ちょいと用事があって、京都の友人宅へ行く。
 ついでに実家へ寄り、昨日包丁で切った指をちらつかせて、怪我をしたので料理が作れないから何か食べさせてくれ、と言って夕食をごちそうになる。野球を見ていて手をすべらせた、ということは黙っておく。それを言ったら、アホだ、バカだ、とまたうるさいから。私がアホなのは今にはじまったことではない、言われなくてもわかってます。
 それからこれおいしいねえ、とか、お母さん料理上手いよねえ、とかなんだかんだお世辞を言って、食料をいろいろもらってくる。

 「カンバセイション・ピース」を読んだ。
 この小説を読んでいる間、本当にいろんなことを思い出した。昔、夏休みにいつも遊びに行っていた母親の田舎の家のこと、そこで過ごした日々のこと、死んでしまった人や犬や猫のこと。
 その中でも、おじいちゃんのことを思い出したことは、ものすごく懐かしかった。それが野球と連動してよみがえってきたことが、たまらなく懐かしくて、泣いてしまった。
 おじいちゃんと球場で野球を見ていたあの感じ、甲子園の外野席で風にふかれるあの感じ、バースがホームランを打った時のあの感じ。これらの瞬間はたとえようもなく幸せだったなあ、と思ったのだ。小説を読んで、こんなに昔のことを思い出したのは初めてだ。本を読む歓びとは、多分こういうことかな、と思う。
 関川夏央も書いているように、この小説のどこが面白いかというのは、うまく言えない。でも、とても好きな小説であることは間違いない。

・購入物:なし

・朝食:目玉焼き、トースト、珈琲
 昼食:なし
 夕食:実家にて(夏野菜のパスタ、野菜サラダ、麦酒)

 


2003年08月01日(金) ろくなことがない

 8月に入ったら急に夏になった。暑いよ。

 今日は映画の日なので、「トーク・トゥ・ハー」を観に行こうと思っていたが、テアトル梅田は「映画の日料金」が適用されないと知って、止める。映画自体に感動してもいないのに、ただ何分かのシーンのために1800円出すのはイヤだ。ケチといえばケチだけど、イヤなものはイヤだ。

 野球を横目で見ながらカボチャを切っていたら、手がすべってカボチャを切らずに左手親指を切った。血がドクドク出た。死ぬかと思ったけど、なんとか出血は止まったようだ。
 私が血を流して応援しているというのに阪神は負けるし、食器を片づけている時にコップは割るし、アマゾンで買った写真集を届けに来るはずの宅急便は来ないし(なんで来ないんだ?)、もう散々でえす。

 ルパンを観る。なんで不二子ちゃんは裸で寝るのだろう。ラストの歌はカヒミ・カリィ。どうでもいいな、カヒミ・カリィって。
 昔のルパンを再放送すればいいのに。そしたら一日中だって見るのに。

 「一冊の本」と「図書」を読む。「一冊の本」で橋本治の書いていることは、ものすごくよくわかる。
 『「雑」だけで生きていて「自分の必要に合致するもの」しか取り入れない私には、世間のいう「教養大系」が大きく欠落している。「別に学者になるわけじゃないからそれでいいや」と思っていた私は、自分の知識がアンバランスであることをよく知っている。「このことを知っている人が、あのことを知らないはずはない」と言われても、私は平気で「あのこと」の方を欠落させている。』
 って書いていて、これ、そのまま私のことだ。すごい、橋本治。

・購入物:野口富士男「作家の椅子」(作品社)

・朝食:ドトールにて、トースト、アイス珈琲
 昼食:じゃがいもサラダ、じやこおにぎり
 夕食:カボチャのそぼろ煮、ハムとキュウリのサラダ、タコ蒲鉾、豆腐と揚げの味噌汁、麦酒、ご飯
 

 


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