LOVE ME

2005年12月23日(金)  イブ前夜


思いがけず聞いた名前に動揺を隠せなかった。
その瞬間から会話に集中できない自分がいた。

「すぐ戻るよ」

メールを表示した携帯を祈るように握りしめて
何食わぬ顔をして待つ、わたし。

ひさびさに感じる君のまなざしは昔のままで
ちょっと見上げる角度から降る声がとても心地よくて
できることならばこのままどこかへ消えてしまいたかった。

ふと手をのばしてからめた腕を
振り切らずにいてくれたことがうれしかった。

その後送ったメールに返事はなかった。

「いま、彼女は?」
聞きたかったことも聞けないままだ。


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