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2004年08月08日(日)
第306話「L・Ms / EX 検 BELOVED〜Be With You〜』」

昨夜、およそ2年振りぐらいに元彼女の『カナ』と会った。




久しぶりに会う彼女は、『2年前の彼女』とは少し違っていた。




少し影を帯びた様な笑顔。




無理して明るくつとめようとしているカナを、俺は見ていることしか出来なかった。




カナは、「今年の春に彼氏と別れた」と俺に言った。




「生きて来た中で一番好きになった人やけど、一番憎い人やわ。」




とカナは言った。




「俺と同じだ…。」




と思った。




「暴力を受けた。」




「仕事してるって言いながら、私に嘘付いて毎日ギャンブルばっかりしてたみたい。」




「付き合ってた1年間、ずっと嘘付かれ続けてた…。」




俯きながら言うカナの背中は、少し震えているように見えた。




「淋しい…。」




と言うカナと俺がダブって見える。




気付けば俺達は、何度も何度も唇を重ねてた…。




「お互い、傷の舐めあいやな。」




と苦笑するカナ。




「そうやな…。」




と苦笑する俺。




淋しさを振り払いたかった。




虚しくなることはわかってた。




それでも俺達は、暗いベッドの上で2年前の二人を思い出すかのように体を重ねた…。




お互いの淋しさを埋めるように…。




家路に着く車中には、ただ虚しさだけが溢れていた。




「じゃあね。」




「おう、またな。」




カナを送り届け、一人になった俺には後悔と虚しさしか残っていなかった。




淋しさを埋めるだけの体と体の交わりが、こんなにも虚しい物だとは思わなかった。




この虚しさは、しばらく消えることは無いだろう…。