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2003年10月31日(金)
10月のオススメは福井晴敏でしたのぅ



前回に引き続き、福井ネタですよ。

「亡国のイージス/福井晴敏」(文庫だと上下巻に分冊)

「沈黙の艦隊」みたいな話でしょ〜?と言われれば、まぁ否定はできんのですが、
どちらかというと「沈黙の戦艦」(セガール!)っぽいノリだと言えましょう。

あらすじ(またもやBookデータベースより)
在日米軍基地で発生した未曾有の惨事。最新のシステム護衛艦“いそかぜ”は、
真相をめぐる国家間の策謀にまきこまれ暴走を始める。
交わるはずのない男たちの人生が交錯し、ついに守るべき国の形を見失った“楯”が、
日本にもたらす恐怖とは。


ツッコミどころは「交わるはずのない男たちの人生が交錯し」あたりかのぅ?w

とにかく登場人物が多い!
が、またもや見分けやすいキャラばかりなので非常によろしいです。
「川の流れは」で作られた話の流れが、さらに舞台のスケールを大きくして骨太に
なっているのもこの作者の成長を見るようで嬉しい。
上下巻であることからわかるように、読み応えあります。
しかし「もぉう、どうなっちゃうのよ!」という思いで、ページをめくる手を止める
ことはできないのであります。

主役のオッサンと今回も登場する影のある青年の触れあいが・・・萌えまする。
他にも素敵な方がいっぱい。軍隊っていやらしいですねぃ。
いそかぜ艦長とその部下の方々が・・・。
革命のリーダーとその部下達が・・・。


ローレライの映画化の話を聞いたのですが、どうなるんじゃろうか。
妙ちきりんなお涙頂戴モノにはして欲しくないのぅ。

話の都合上、詳しくは語れないのがもどかしい!

15日も書きましたが、この人の話は読後感が非常によろしいです。
「川の流れは」で描ききれなかった世界が、ここではうまくまとめられているように
思いました。
最終章を読みながら泣きそうになったのは、実に久しぶりです。
救われてよかった・・・!

まだ「終戦のローレライ」は読んでません。文庫化しないかな。
今は絶版になってしまっているターンAガンダムのノベライズとかも読んでみたい
ですのぅ。古本屋を巡るか・・・。


さて、その他の話題。
年末ゲェムですぎじゃあ。お金ありませんよ。
「式神の城II」(GC)来たけど、アーケードそのままなのか、画面見づらいっす。
字が小さくてオジサン、目が痛くなっちゃったよ。
ギャラリーとかムービーリプレイ目的のアルファ好きの人だけにオススメかな。
ちなみにシューティングです。萌えキャラ満載。ダメなお兄さんLOVE。


11月のFF制作発表会、毎日ハガキ出してるんだけど当たらないかなぁ。
ぜひとも目撃しておきたいものです。

10月は体力温存して12月に備えようとかいってたのに、わりとマメにヴァナ通って
たなぁ。今日からハロウィンなので、カボチャもらってこよう。

で、連休はチュチュを一気に見るぜぃ!
ヲタクで素敵な休日を過ごせそうです。


皆様もよい連休を。










2003年10月15日(水)
久々にヒットの予感〜福井晴敏に接触編〜



ここ2日ばかり続けて夜道で自転車とぶつかってしまい困惑している。
最近は暗くなっても自転車のライトはつけないものなんでしょうか?


近年「人に合わせてゆっくり歩く」という技を身につけたわしであるが、ひとりで歩く時、
ましてや仕事帰りの道などはかなりの高速移動をしている訳です。
で、暗闇から自転車が・・・。(住宅街の中なのでちょっと夜道は暗い)
わしより乗ってる人の方が衝撃大きそう。
よく見えないんで、謝って(なぜわしが!)すぐその場を離れてしまうけどね。
着替える時にでかいアザを我が身に発見してビックリですよ。
鼻血が止まりにくい体質ゆえ、アザもできるとなかなか消えませぬ。
「当たり屋」という恐喝方法があるらしいですが、わしは絶対ゴメンだな。


さて!
週末だけのヴァナ通いとはいえ、読書できない体質になりつつあるわしですが、
新たなリハビリ方法を思いつき日々実践しておるのです。
(とか言いつつ、一日おきに遅くまでヴァナってたのはヒミツ)

それは朝ちょっと早く家を出て、各駅停車で通勤すること。

車内では大抵寝ていますが、余力がある時はここで読書するのだ!
帰りも時間が早ければ各停で帰りますよ。
幸い行きも帰りも始発に近い駅なので座れます。


で、今日のお題は「福井晴敏」でございます。
先日神田で京風居酒屋にて外食した折、待ち合わせまで時間があったので
駅前本屋で立ち読みしておった。
「東電OL殺人事件」も気になったけど「川の深さは/福井晴敏」というのが
目についたので買ってみた。

そしたら、まぁ、奥さん!

これがもう、面白いのですよ。

この人の本は図書館で目立つタイトルだったんで見たことはあったんだけど
(「Twelve Y.O.」)読んだことはなかった。
当時ハヤリものだったウィルス系の話のせいで敬遠しちゃった気がする。
実は「Twelve」で乱歩賞もらってたのね。
その受賞作以前の作品が「川の深さは」らしいのですが、まず文章がいい。
引き締まっていて、無駄がない。
その辺は高村薫とか五條瑛に通じるものがありますな。

ちょっとググってみたら、高村系サイトで福井氏を扱ってるところ、結構あります。


とりあえず「川の流れは」のあらすじはこんな感じ。(Bookデータベースからコピペ)

「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。
 彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿い、底なしの川に引き込まれてゆく。
 やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた地下鉄テロ事件の真相が教える、この国の暗部とは。

出世作「亡国のイージス」はさらに完成度の高い作品ですが、(事実上の)デビュー作である本作で、
すでにその形が出来上がっていることがよくわかりました。
そういう意味でも、これから福井作品を読む人はこれから読むのをオススメします。


あらすじから予測されるように、「少年」と「元警官」を中心に話は進んでいきます。
五條瑛とテーマが共通してる部分もありますが、人と人の関係はこちらの方がサラっとしているかな。
その分、あまりに典型的なキャラばかりなような印象が強いかもしれません。
逆にいうと、キャラが立った人が多いのでわかりやすい。
あと「たぎって」ますね。そっち方面にやや萌えな人にもイイ感じです。

同世代の人だし、恐らくアニメ漬けで育ったと思われますが、非常に映像になりやすい文章です。
これってあれからの引用かなぁとか、まんま設定があれだなぁというものも見受けられますが
まぁニヤリと笑って見過ごすことにしました。

そんな点を差し引いても十分面白いしね!

読後感も非常にサッパリしてます。
次のも読みたいな・・・という訳で、
出世作(映画化するとか?)「亡国のイージス」についてですよ。





2003年10月01日(水)
ダメなお兄さんは好きですか?(大好き〜!)


涼しくなってよろしい。
しかし昨日も書いた通り、危険な兆候も孕んでいるのは否定できぬ。
そんな訳で今朝もちょっと腹が痛む。


さて!
今日は五條瑛の9月新刊「ヨリックの饗宴」について語ってもよろしいですかな?

あらすじ:政党の派閥がすったもんだしたり、代議士同士でいざこざがあったり
首相が変わったり政権がどうにかなったりしますが、結局は「兄弟ってイイネ」ってことです。

かなりはしょってますが、このあらすじに偽りはないですよ、マジで。

プロローグから一章に入って数ページで「ダメなお兄さんキター!」という展開。
ホクホクしながら最後まで一気に読んでしまいました。

五條瑛のすごいところは、常に主題が日本がどうにかなってしまうような政変だとか大事件で
あるにもかかわらず、最後には「愛」でハッピーエンド(なのか?)に導いてしまう豪胆な筆力
にあると思います。
毎回同じパターンであるにも関わらず、読ませてしまう力量はやはりタダモノではない。

妻子を虐待し、挙句の果てに失踪した兄、栄二。
取り残された家族がやっと新たな人生を始めようと落ち着き始めたある日、
主人公和久田耀二(弟)の前に栄二が7年ぶりに姿を現す・・・。

久々の対面となるシーン。
信号待ちの道を挟んで向かい合わせに立つ二人の描写がなんとも言えませぬ。
よくあるといえばそうなんですが、細かいポイントが非常にツボ。

そしてその後も耀二は嫌々ながらも栄二と対峙せねばならないのですが、どこを読んでも
味があります。

「男兄弟はこうあって欲しい」という腐女子の願望そのままです。

いつもながら主人公が可愛らしい性格です。
お兄さんもダメな具合が突き抜けててよろしいです。(終盤は特に)

女性の影もない訳ではないんですが、彩り程度かなぁ。
しかし女性のしたたかさやずるさを書かせると怖いですね。リアルです。

脇の人達もひと癖あって、もうちょっと続きが読みたいくらいです。


色々書くと読む時につまらなくなってしまうから、この程度にしておきますが。

蛇足ながら、タイトルや各章に付けられている人名は「ハムレット」からの引用なんですが、
シェクスピア好きなら、隠喩もピンときて面白いんだろうなと思いました。

まぁ、なんだ。
兄弟ってイイですね!

これに尽きるですたい。まずはご一読あれ。
今年も五條瑛はいい話ばかり出してくれてるなぁ。


今日は指輪DVD「二つの塔」が届くはずなので楽しみであります。