オミズの花道
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『 現状報告 』
2003年12月25日(木)



死にかけ。
激務。


18日、日記書きのお嬢さんと対面。思ってた通りのお嬢さんなので嬉しい。
     来年こそはお茶にでも行こうっと。

19日、腹がよじれるほど笑えるサイトを教えてもらう。
     年末はこうでなきゃな〜と思う。

20日、一本単発物を入稿し忘れていたので焦る。
     編集さんからお小言を喰らう。や〜ん。

21日、最近週末は神戸に居る。
     三宮ワシントンの地下のお店に連れて行ってもらう。宝箱みたいなご飯だった。

22日、身内の手術日。一日中病院に居る。
     すげ〜な、人間って。あれでも復活しちゃうんだから。とにかく良かった。

23日、ひたすら眠る。起きたら机の整理。忘れていたメモが出てきて焦った。
     正月明けの入稿が一本。すっかり忘れてるよ。

     それから鬼の如く掃除掃除掃除ぃぃぃ。部屋の乱れは心の乱れっ!
     でもすぐに飽きる。心の乱れを正す前に集中力を磨くべきかなと思ったり。

と、そんな毎日です。
あ、ノルマは何とかこなしました。

いつもありがとうございます。




写真日記更新。





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『 爺への手紙 』
2003年12月19日(金)



やっと肩の荷が少しだけ降りた気がする。
ここ一ヶ月、ずっと心が痛くて堪らなかった。
いっそのことこの仕事を辞めようかなと思った程だ。


何も嫌なことを言われたとかホテルに連れ込まれそうになったとか、そんな事でこの商売を辞めたいなどと思った訳ではない。そんな事は日常茶飯事で、取るに足らない事だ。
それならば逆に頑張れる。このやろう、と踏ん張れる。シバキ倒すなり牽制するなりして逃げられる。

生来が負けず嫌いなのもあるけれど、この仕事が好きだから頑張れるのもあるのだ。
そんな私が一番へこむのは、可愛がって下さったお客様に不幸が降り掛かった時。
好きだからこそ、受けねばならぬ痛みもある。

とてもずるい考え方だとは思うけれど、お知り合いにならなければ味わう事の無かった痛み、この自分の痛みが苦痛で仕方が無い。
相手の痛みがあるというのに。
客商売で無ければ、と思ってしまう。

いつか落ち着いた時に書ければいいなとは思うが、今は書く気力が無い。
その事を思うと未だに涙に暮れるのだから。

ただ、ありがたいのは、本当にありがたいと思うのは、その痛みを分かち合える相手が居ることだ。
去った場所にさえ、なお。



爺、ありがとう。
ずっと爺に伝えたかったんだけど、言えなかったんだよ。
付き合いの浅い私が先に知ってて、何十年もお付き合いのあった爺が何も知らなかった。

その事がとっても苦しかった。

向こうのご家族とお話させて戴いて、もう爺に言ってもいいだろうっていう時期を、私はずっとずっと待っていたんです。
苦しかったよ。爺にもその方にもたくさん可愛がってもらった私だから。


爺とは良く喧嘩したよね。
その話をあの方にしたり、目の前でじゃれて言い合いしたりすると、あの方はいつも笑っていた。
爺が居たから、あの方も私を可愛がってくれたんだと思う。

今の店にも来てくれていたんだよ。
知っているだろうけれど。


電話では言えなかった。
顔を見て言わないと失礼だからと思ったし、あの方ならそう望むと思うし、あの方は軽く扱っていい人じゃないと思ったから。
ううん、ひょっとしたら私は、目の前で痛みの荷物を爺に預けて、自分が少しだけ楽になりたかったのかも知れない。

子供みたいにわんわん泣いてた私を笑わせようと、クッキー買ってくれたよね。
爺はいつもそう。不器用だから、そんな表現しか出来ない。
本当にありがとね。


そっちの事は任せたから。
どのホステスさんに伝えて、とかどうしたいとかは、全部爺に任せるからね。
私は私でこっちで祈る。また3人できゃいきゃい騒げる日が来るように。

私は大丈夫。
もう大丈夫だからね。





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『 芦屋デート・凄いぞエンピツ 』
2003年12月16日(火)



スカートをはいたオッサンだとかオッサン同盟の会長だとか言われている水上なのだが、たまにはそこそこ女性として扱われ、デートする事もある。

この休日は芦屋デートだった。
串揚げのお店で食事を済ませた後、おうちに呼ばれる。
うう〜ん、芦屋に住みたいぃぃ。ってくらい、いいオウチでしたよ。

根っからの地元民で、バツイチ独身オトコマエ。居るのねえ、こんなオトコ。
お茶を飲んだ後、何事も無く自宅に送って頂く。
ガツガツしてなくていいわあ、当然だな、客じゃねぇんだもの。



昨日は出来上がったドレスで出勤。
フワフワゴールドなんて、この仕事じゃないと着れない。

ママにもチイママにもお客様にも褒めて戴いた。嬉しい。
今日は白のチャイナドレスにしようっと。



何だかエンピツの機能が変わっている。すげ充実。


以前解らないことがあって問い合わせメールをしたときに、管理者さんからすばやく解りやすく丁寧で謙虚なメールを戴いて、感激した事がある。
その為、有料版に登録するのも躊躇する事は無かった。
だって確実にそれ以上の仕事はしてもらっている。

安定しているし、今回のリニューアルの後もトラブルは無い。
現在出ている日記の中で、エンピツはやはり一番良いサービスだと思う。
管理者は本当にしっかりした方なのだろう。いつもありがとう。

今、3900円で半永久版を扱ってくれるらしい。
迷い無く登録する。忙しいから年明けだけど。







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『 噛み付き方にも流儀あり 』
2003年12月13日(土)




なんなんだかな。
年末の打ち上げのパーティ券なぞ、未だにあるのかって感じですね。

ノルマですと。
捌けなかったらかぶれ、ですと。


ミーティングでは非難轟々。当然だ。
それをするならもっと早い段階でホステスに渡すべきである。


私もちょっとムカっと来たのでミーティングの後、強者ホステスとご飯の最中に新地パパにSOS。
『ぱぱ〜社長ったらひどいの〜いぢめるの〜。』
とか何とか言って、即効に捌いた。やなオンナ。えへ。

お店に帰って社長に、売れたから予約入れておけ、と報告。
誰に売ったの?と聞かれたから、新地のぱぱに売ったと答えたら、さすがに青くなってた。そう、彼にもノルマはかかっていたのだ。
社長のトップで根幹のお客様だから、これを抜かれると社長は恐らく券を全部は捌けないだろう。


『いいじゃんか。テメエでかけたノルマの怖さを思い知れ。べーだべーだ。』
・・・・と言っておいた。


うけけ。私っていぢわる。







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『 新地のぱぱ、宝物の理由 』
2003年12月12日(金)




北新地の大ぱぱをげっちゅ。
週一回の確実同伴をげっちゅ。

あああ〜〜〜これでノルマがすっごく楽になるぅぅぅ。
さすがに社長、良いお客様持ってるぜっっ!!ありがとうぅぅぅ。


しかも昨日、同伴が有尾だったんだよ。美味しいよう。
最高でしたぁ・・・・。堪能しました。

その前は年輪坊だったんだようぅぅ。
おおお美味しかったぁぁ。

っていうか、ぱぱ、グルメ過ぎ。
お魚大好きなのも私のツボ。
味の好みも合う。

あまり私に贅沢させないでぇぇ。


で、電話あり過ぎ。
ご飯の最中もバンバンかかる。
同伴してください、のコール。

私と7時45分に入ったあと、15分後には別の女性と同伴。
んん〜。凄い。


本通りを一緒に歩いてたら、そこここのママさんにいっぱい捕まって歩けない。
横に並んで歩いてたら、きろっと睨まれちゃう。

うちの社長が言うには、言うには、ですが、帝王らしい。
本当かなあ。


初日に付かせて戴いて、それからすぐに同伴。
別に口説かれる訳でもなく、ただ私を見てニコニコしていて、結構お高いお店にもバンバン連れて行ってくれる。

当初は不思議で仕方がなかった。
こんなに無条件に、可愛い女扱いをされる理由がどうしても解らない。


『でも、新しい子は滅多にあの人の相手は出来ないんだよ。
 プライドの高い人だからさ。』
と、社長。

『へえ?じゃあ私なんかもうひとつ駄目じゃないですか。元ミナミの女なんだし。
 あ、それともこっちの事なんにも知らないから、そこがいいのかなあ?
 余りにも無知だから、見てられなくて教えたくなるのかな?』

そう、このぱぱは新地で飲んで35年近く。この辺りの事で知らないことは無い、と豪語する。今はビックエコーになっている場所に、お寺があったことを知っている唯一のお客様だったから、あながち法螺でもなかろうと思う。
新地で長年飲んでいる人でも、あのお寺の事は知らない人が殆どだ。


『う〜ん、それもあるけれどね・・・・。』
社長はボソっと続ける。

『なおちゃんは・・・・社長の若い頃に、
 ご病気で亡くなった前の奥様にそっくりなんだよ。
 この間僕に、「生まれ変わりかと思った」・・・・っておっしゃってた。』



何だか切なくて言葉が出なかった。

ニコニコと一緒にお酒を飲み、私の話を嬉しそうに聞いてくれる。
後に問い詰められる疎ましさも置いて、本通りを並んで下さる。

拙くて未熟な私を、まるで宝物のように扱って下さる。


若いときは不遇だったと聞いている。
貧乏で、家族に充分な事をしてあげられなかった、とぱぱは言う。

私に美味しいものを食べさせてくれて、甘やかしてくれて、ニコニコ話を聞いてくれるのも、亡くなった奥様にしてあげられなかった事なんだろうか・・・・。


『ぱぱ、別に同伴じゃなくってもいいよ? ご飯だけで私は充分に幸せだから。
 ノルマは他所で果たすからね。』

そんな風に言う私を、新地のぱぱはゆっくりと嗜める。そして笑いながら言う。
『お仕事お仕事。』


・・・・そうだよな、お仕事なんだ。



こういう瞬間は少しだけ、このお仕事が嫌になる。







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『 自虐的なのか、関西のノリなのか 』
2003年12月11日(木)




苦手を克服しようと若造のお客様にも積極的に付く事にした。


それで解ったのだが、どうやら私は接客業に対して自虐的な傾向があるらしい。(今更かよって感じですかねぇ)

と言うのも、最近お二人の『超男前!』の若造様に構って戴いているのだが、同伴でご飯をよばれたりして彼等と居ると、何故かオジサマ達と違ってシックリ来てしまうのだ。
いや、それで普通だし当たり前でいいんだろうけど、シックリ来るのが私にはかえって居心地が悪かったりして、妙な気分だった。

で最近、自分のそんな所を振り返って、自虐的なのかなあ、と思ったりしている。


さて、どうシックリなのかと言うと、具体的にはまず周りの扱いからして違うところだ。

新地から離れた所でオジサマのお客様と居ると、同伴だとは思われず、必ず不倫扱いの目線があるものなのだが、若造様だと私達二人は、私がケバかろうが何だろうがごく普通のカップルで、ごく普通の扱いをされる。
いや、当たり前なんだけど・・・・当たり前なんだけど、仕事って線を引いていたから、こんな単純な事に気が付かなかったわけで。すいません、ただの阿呆かも。


私は私でプライベートに男友達と二人で会っているような、そんな仕事になりきらない変な感覚で、楽しいことは楽しいのだが、どうにも集中出来ず寛いでしまう。

要するに、緊張感が無いのだ。

オジサマ達と居るときはとにかく目配り気配りをしなくてはいけなくて、ご飯なんて本当にゆっくり食べた気がしないし、何のメニューだったか思い出せない時もあるくらいだ。
出されたものを小皿に取り分けたり、殻付きの海老や骨付きの肉を綺麗に外したり、酢橘やレモンを絞ったりと中々に忙しい。

でもそれが当たり前だと思っていたし、ご馳走になるのだからちまちま働くのは当然じゃないかと思うし、今でもそう思っている。
で、私ときたらこういう方が性に合ってるというか、居心地が良いのだ。


若造様お二人、厳しい上司に鍛えられてるせいか、私に対して非常にスマートで礼儀正しく、行動が美しい。
食事の作法は勿論、立ち居振る舞い、人当たりの良さ、事が起こった時の対応の仕方、完璧に近いものがあって、感心してしまうほどだ。

しかも一人はイチローそっくりで、もう一人は顔だけではなく体格まで浅野忠信そっくりの男前。(水上は一重の男に弱い。)


それに優しいのだ。
最近の若い子はこんなにマメだったりするの?と思いながら、頼んだアワビ釜飯をイチロー君によそってもらい、もしょもしょと戴く。

美味しい。美味しいんだけど、何だかおかしい。


マジマジと顔を見ながら、『イチロー君てば、ホストクラブでもやって行けそうだよね。』、と私が言うと、『ああ〜、なおちゃんなら俺の事を売り飛ばしそうだよねぇ。でも年末は売り飛ばすの止めてね、忙しいから。』、なんてニコニコと柔らかく笑い、彼は美味しそうに米を食す。

完璧じゃないか。理想的じゃないか。
いいよ、とっても。うん、いいんだけれど、何だかおかしい。


やっぱりこう、何ていうんでしょう、オッチャン達に嫌味なぞ言われながら、それを返しながらかわしながら、ウケ狙いで高いものを頼もうとして突っ込まれたり、やいやい言われて笑ったり笑われたり。
・・・・ってのが適度に緊張感があって楽しいみたい。

あれ、これって関西のノリの世界ですかね?
今気が付いたんですけれども。


自虐なのか関西のノリなのか。

う〜ん、とにかくしばらく考えてみようと思っている水上なのでした。





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『 男と女は解り合えない方が燃える 』
2003年12月09日(火)




久し振りに数学者と再会してお茶をした。


理系の人間と話をしていると実に面白い。
同じように向こうにとっては、私が面白くて仕方が無いらしい。


彼のような理系人間にとって私のような文系の『何が』面白いかと言うと、文系の人間が物事を理解する時に『皮膚感覚で理解する』という所が、そういう瞬間が動作や表情で見え隠れするのがたまらなくツボに入るようだ。
私は私で彼等のようにビジョンで物を見たり考えを構築する事が出来ないので、向うの発想を聞いているほうが面白い。

理系の彼等は映像で物事を発想し構築して行く。そういうのは私の世界にはない物で、新鮮で斬新で望んでも手の届かない物でもある。いや実に異星人。
・・・・だが私がこう言うと、この話を聞いている大概の人は不思議な顔をし、異を唱えてくる。理系の人こそ映像とは無縁なんじゃないの、と。

どうやらこの発想は、理系の人が扱う物が数字や方程式だから、=数字に強い、=紙の上の文字が浮かぶ、図式のようだ。
そこに画像は無いから、それ故に画像の発想は無いと思い込んでいる人が多い。


だが実の所、彼等が物事を理解する時に頭の中で動いているのは映像だ。

解りやすい例で、そろばんの上級者は頭の中にそろばんの画像があると述べれば御理解戴けるのではないかと思う。
頭の中で弾いたそろばんの画像が鮮明にあるから、何十桁もの計算の答えがスムーズに割り出せる。いやはやこんな脳内作業は怪物としか思えない。私なぞは隣の玉を弾いた途端、前の玉を忘れてしまうだろう。


で、面白いのは彼等がこうやって処理するのが、自分の中に流れ込んでくる世間的な知識だけではなく、自分の周りに在る人間関係の捉え方にも、この方式である所だ。

私の感覚で『何だかコイツとは気が合わないな』と直感で思い対処しようとするものを、彼等は画像で処理をし出てきたビジョンの答えから対応を決める。
X÷Y=Zで例えるなら、Xという出来事に対してまず先にZという結果を割り出し、残すべき大切なものは何か、過程において何を優先すべきか考えるらしい。

どうしてそういう物の考え方なのか良く解らないが、この方法だと確かに冷静になれたり怒らずに済むようになるだろうな、と思う。
そして表面にこういう部分がチラチラ覗くから、理系人間は冷たい、と俗に言われたりするのやも知れない。


私はたまたま物書きであり考え方が文系ではあるが、誤解の無いように申し上げると、文章を書くのはむしろ理系の人間のほうが長けていたりする。
ジャンルにもよるがノンフィクションや推理物、ミステリーなどはそれの極みであろう。

そういう者を目の当たりにする時、羨ましいと嫉妬にも似た感情が湧くのだが、彼等にすると私のように自分のマイナス面でさえ餌に出来る、波々と感情をぶちまける、そういうタイプの方が羨ましく思うらしく、双方が無いものねだりだったりするから面白い。

さて、文系の考え方と言うのは『 伝達 』が優先であり、自分が受けた感情・・・・例えば「何となく嫌」のような感情のうち、何となく、の部分を相手に解りやすい言葉で表現したり、書き記したりする考え方の事だ。
何も文学に携わっているから文系、物理学者だから理系、という単純なものではない。
ましてや両者が水と油、などという事も無い。

ただ上記のような考え方の相違により、意見が合わないことがある。
理系の人間は自分の選ぶ結果が見えているから余分なものはかえって足手まといだし、文系の人間は情緒を重んじ結果を優先せず余分なものを尊重するのだから、意見の相違はあって当たり前なのだろう。


私とこの数学者は、恐ろしいほどに言葉がだぶり、10話さなくとも2で通じる二人なので、周りから見れば『 最高に仲の良い二人 』なのだが、二人とも求めるもののベクトルが違うし、その事も通じてるので、二人で居ても色気の在る話には殆どならない。

ただ、彼はボソリと私に言う。
多分、私の事をあらゆる意味で理解してくれているのは君だけだろうな、と。
求めるものが違うのがこんなに悲しいと思った事は無い、と。

私は答える。
人という生き物は、それが良しにつけ悪しきにつけ変化を望み、己が変化に順応することに快楽を見出す生き物です。
我々のように相手のことが初期の頃から解りあえる、そんな関係は結局のところお互いを解り合えないのでしょう。
終末が見えているのだし、私は貴方のパートナーにはなれません。と。


少し西日が差し込んできた店内で、私は続ける。
貴方は、私が貴方を選択しない、という答えをもう持っているし、だから私に対しては無駄な努力もなさらないでしょう。
私は貴方がそういう人だと解っているから、お互いに築くものがもう無いのよ。
お互いが変化を望めない相手だと解っているから、努力もしないのね。
ただこうやって時々お茶を飲んだりするだけ。
・・・・それを人生において淋しいと思うなら、貴方を全然知らない人間と付き合うと良いと思います。


『・・・・奥様ともう一度ご結婚なさればベストなのに。』

私が言ったその言葉に、彼は目を剥き、笑いながら『良かった。』と言う。


『私は自分が理系だから人間が冷たいとか言われ続けてきたけれど、
 明日から堂々と世の中に向かって言えるよ。』

『そう、文系にも私のように冷たい人間はいるのよ。』
私も笑いながら答える。



男と女は難しいものだ。




食日記更新。






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『 女神に会えたら 』
2003年12月06日(土)




ここのところ暑かったり寒かったりしたので風邪をひいてしまった。
今回の型の風邪は、咳がひどくて喉がいつまでも腫れっぽい。鼻水も出る。
美しくない。
・・・・元が美しくないからまあいいんだけど。


最近北新地では周年が多い。
これは以前にも書いたかも知れないが、年末寄り月にオープンしてドンと稼ぎ、プールしておいたお金で暇な2〜3月を乗り切る店が多いからだ。

ミナミではもう少し早くて9〜10月くらいがピークなのだが、こちらはどうもこの時期らしく、お客様が『営業電話がかなわんわ』とぼやかれるのを良く耳にする。


私自身はというと、こういう店にはあまり勤めたく無い。

だって年末に周年があると云う事は、続くクリスマス、明けては正月と、年末年始にかけてイベントが目白押しになると云う事だ。これはいくらタフな私でも疲れてしまう。
それでなくともただでさえ、物書きの方の仕事で年末進行を抱えた身分だから、(ああもうどうしよう。日記なんか書いてる場合じゃないわあ。)自由も利かないってのに。


で、先日のこと。
ミナミから可愛がって下さっていつお客様とのアフターで、ある大きなクラブの周年に顔を出した。

この店、北新地でも老舗の部類に入る有名な所・・・・いや、全国的にも有名な所だろう。恐らく五本指の中に入るのではなかろうか。値段もさることながら、女の子も気合いの入った感じで、ママもバリバリって感じ。ある意味非常に良かった。

新地の女帝、というか水商売でなく他の事業でも成功してる人だから、新地で飲む人でこの人を知らない人はまず居ないのではないだろうか。

・・・・でも、凄い人なのは解るんだけど、黙ってるだけで威圧感があるから、私的には早く帰りたかった。だって自分の店の周年なのに、余りにもドンとし過ぎている。

それだけではなくて他所の店の女の子(私)の横に座り、面接に来いとか何処に勤めてるの、なんてしつこく聞くママってどうなんだろう。
多分、一緒に行ったお客様に興味を持ったからこそのリアクションなのだろうが、周年中の接客としてそれはちょっと・・・・と思ってしまうのだ。

仮にもお祝いの席なんだし、祝ってやろうと来て下さってるお客様の前で、通常の営業態度では感謝の気持ちが見えないではないか。そこにかえって人間味を感じない。

何十年働こうが周年が大切なのは一緒のような気がするし、今まで回ってきた老舗のママはこうでは無かったから、私にとってはこのママのこういう態度に違和感を感じて仕方が無かった。
私はやっぱり、イベントの時にこそ、一生懸命駆け回ってるママの方が好きだ。


ミナミのママも実業家で、クラブ経営が副業という人であった。
北新地はこういう人の比率がずっと多いように思う。オーナーママ自体が財界人の一人である、そういう話は珍しくも何とも無い。

パトロンの存在を匂わせる事は無いし、実業としてのバックボーンがしっかりと成されている店ならば、お客様も安心して飲んで下さる。こういうパターンは形態的には、理想であろうと思う。
形態的、には。
だがその経営の手腕と、接客に対する精神が『正比例』しているか、と言えば必ずしもそうではなく、得てしてこんな風に反比例しているパターンが多い。


私とて全てが見える訳ではないし、どの道が正しいとも言えないのだが、一度で良いから両方を兼ね備えた『女神』に会いたいと心から思う。

それを見たときに、今ある視点だけではなく、別の視点をも得ることが出来るのではないか、前述のようなママの事も、もっと大きな気持ちで見る事が出来るようになるのではないか、

・・・・そんな風に思う。



************

昨日は非常に上手く行った。
プロ意識の高いスタッフが揃うと、仕事のレベルが高くて嬉しい。

うちのヘルプは実に良く出来る。
どこに出してもスーパーヘルプとしてやって行けそうだ。

みんな、ありがとう。
いつも感謝しています。

************



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『 水上流領収書の送り方 』
2003年12月05日(金)




サインで飲まれるお客様に代金を振り込んで戴いた時、することがひとつある。


領収書を郵送する時点で、宝くじを5枚ほど入れておくのだ。
水商売は夢を売る仕事とよく呼ばれるから、その社会通念を利用させて貰おうと思ったのが始まりで、ここ一年ほど続けさせて戴いている。
思いのほか喜ばれて、こちらが逆に嬉しい。

戦績は割と良い方ではないかと思う。
最高で10万円当たったお客様がおられる他、5万円が御1人、1万円が御2人おられる。

10枚くらい奮発したいのだが貧乏だし、余りやり過ぎるとかえって退かれてしまうから、5枚に留めておくのも手軽に受け取れて良いみたいだ。


ところが 『 さすがに夢を売るお仕事だねえ。』
そんな言葉を期待していたのに、
『 さすがになおちゃんだねぇ。博打性があって実に楽しいよ。 』
・・・・ですと。

いや、あの・・・・社長。
違うってば。


うえ〜ん。






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『 エッチをする前のご飯とキス・最近ハマる男性 』
2003年12月03日(水)




昨日いらしたお客様方に『熟練者』の称号を戴いた水上である。

ホステスとして熟練者なのではない。
何がどう熟練者なのかと言うと、『男と女がエッチをする「前」に、相性が良いか悪いかをどうやって見分けたらいいのか?』について述べたところ、この称号を戴いたのであった。

え、二人きりでご飯に行ってキスすりゃ解るんじゃないですか?と言ったら、えっ、と驚かれ妙に盛り上がってしまったのだ。
え、これって盛り上がるような事なんでしょうか、基本的な事なんじゃないでしょうか、と言ったらこれまた、えっ、と驚かれてしまった。
何なんでしょう。


いや、ご飯って解るでしょう?
お酒注いだり注がれたり、よそったり分け合ったり、そんな事で自分勝手な人かそうでないかが解ってしまうし、それ以外でもお箸の使い方や味の好みなんてまさに、・・・・ですよねえ?

水上だってそんな事を考えながらいちいちお客様とご飯に行ってる訳じゃないんですが、正直言うとご飯の最中に『この人ってエッチしたらああなんじゃないかしら、ひょっとしたらこうかも。』なんてフッと思ってしまいます。(だから嫌いな人とはご飯も行けない体質なんでしょうな)


で、キスは好みの体温ってあるじゃないですか。
わたくしの場合は自分より1℃以上体温の高い人(水上体温35.4℃)が好みです、と。
そう述べたら妙に盛り上がってしまって。

え、これって盛り上がる所なんですか。
良く解らないんですけど。
女性は皆さんそうじゃないのかと思ってましたので。

改めて男の人って良く解らないなあと思う水上です。
ひょっとしたら何でもいいのか、君達は。




最近、野村萬斎にハマっている。
非常にイイ男だ。


あの立ち居振る舞いといい、表情といい、申し分が無い。

昔から狂言は好きだったが、その世界に留まらない才能の大きさを、野村萬斎は押し付ける事無く魅せてくれる。


ハムレットを手がけるそうだが、是非観てみたい。
誰と組むのだろう。



舞が絡むと非常に嬉しいのだけれど。






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『 デートと夜景と理系の男 』
2003年12月02日(火)



日曜日はちょっと素敵なデートでした。
健全な関係っていいなあ。


夜景つきの韓国料理、そのままスカイラウンジへ。

休みの日はお酒を飲まないと決めているのに、大好きなボランジェがあったので、つい飲んでしまった。いかんいかん。年末に向けての肝臓をキープせねば。
ボランジェは007御愛達のシャンパン。男性的な辛口がいい。
ドンペリばかりのオミズの世界にいると、こういう野性的な味が嬉しかったりする。


男であろうが女であろうが、肩の張らない関係はお互いが楽でいい。
特に男性とは躯の関係が出来上がってしまうと、出来ない付き合いも在るのだから。

惚れた腫れたではなく、男性とこういう付き合いが出来るようになったという事は、私もやっと大人の女になったのだろうか。
誰かの中に自分の付加価値を探す傾向は未だに少し抜けないのではあるが、少し飲み込んで抑えて距離感を失わず、場面場面で立ち回るようにはなれた。
・・・・それでも失ってしまう相手もいるのだけれど。


そして何故か理系の男とはそれを成し易いように思う。
感情も泥つかず、関係もベタつかない。

そういう話をすると、目の前の男性は 『 夜景に相応しい話だねえ 』 と微笑んだ。





彼も理系だ。



******

ファイバー回線を引こうと思ったのだが、eoに現時点では無理だと言われた。
マンションでも4階以上になると、個人では難しいのだとか。

初期の頃からのeoユーザーなので、何やかんやで『無料でファイバー』だったのだが。
くちおしや。けど、仕方ない。しばらく今のeoと、ヤフーで我慢しよう。

******




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