|
|
■■■
■■
■ 我
「私」は決して1人ではないが、 限りなく孤独でもある。
「私」という自我の境界を、 なにものも超えることはできない。
その境界を鎧にしていても、「私」は 孤独に怯え続ける。 他者を怖れ続ける。
…限りなく近付くことを羨みながら、 少しでも触れることを拒んでいる。
「私」という自我の領域を、 無遠慮に踏み荒らすものを避けることはできない。
その領域を差し出すことでしか、「私」は 孤独を忘れられないから。 他者を量れないから。
…全てを晒すことを望みながら、 少しでも見せることができずにいる。
孤独になるのが怖いから。 他者に傷付けられるのが怖いから。
「私」という自我の輪郭を、 容れ物の外見だけで計ることはできない。
その輪郭で語ることでしか、「私」は 「私」を表現できないけれど。 それもまた「私」なのだけれど。
それだけが「私」ではない。
「私」に見えているものだけが「アナタ」ではないはず。 「アナタ」に見えているものだけが「私」の全てではない。
見えているものでしか、判断できないのは分かっているけれど。 それだけが全てではないと。 それで良いのだと。
今ここにある「私」だけが「私」の全てではないことと。 だからこそ「私」はいつも1人ではないと思えるのだということを。
2002年02月21日(木)
|
|
|