♀つきなみ♀日記
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2001年04月11日(水) 漏れても安心?セーフガード問題

漏れそうな時は、突っ込んだ上にあてているつきなみ♀です。<=それはロリエセーフティーロング。このCMは新山千春さんなんだよね。飯島直子さんは、ソフィボディーフィット@ユニチャームなんだけど、やっぱ生理用品CMって言うとこっちが頭に浮かんだりする。ちなみにエリス@大王製紙は優香ちゃん、って関係無いけど。

それはともかく、セーフティーガードが発令されて、またまた誤報の渦だよね。今回は新聞はさすがにちゃんと報道してるんだけど、TVのワイドショーや素人コメンテーター、そしてWEB上でもすごいのがいっぱいだ。

セーフガードのシステムについては、ここで詳細な事は見て頂くとして割愛しちゃうけど、これは関税と貿易に関する一般協定(GATT)時代から認められていて、WTOへ引き継がれた緊急輸入制限措置なんだよね。ちなみに世界全体で、GATT時代に44件、1994年からのWTO体制で8件が発動されているんだよね。当たり前だけど、他のWTO加盟国との協議や、詳細なデータの提出などが義務づけられていて、えーかげんな申請はちょっと出来ない構造になっている。

一番の誤報は、またまたユニクロを例に挙げて「繊維業界からのセーフガード要望」なんてとんちきな発言が多い。っつうか、聞きかじり。現在セーフガードが繊維業界から申請されているのはタオルだけで、ネクタイについては西陣織工業組合が全日本ネクタイ工業連盟に申請を依頼している状態で、この2品目はユニクロとは何の関係もない。

今回も発動されてから、あーだこーだってのが多いんだけど、完全に後出しだよね。ちなみに「野菜等に係るセーフガードの調査開始について」は去年(2000年)12月19日に大蔵省、通商産業省、農林水産省から公示されて、今年の1月23日に財務省関税局、 関税・外国為替等審議会、関税分科会特殊関税部会から調査開始に至る経緯が発表されている。この対象は、ねぎ・トマト・玉ねぎ・ピーマン・生しいたけ・いぐさの6品目だったんだけど、発動はご存知の3品目になった。

今回の発動は政治主導ではなくて、さすがにこりゃまずかろうって感じの官僚さんの主導で実現したんだよね。票と結びつけての発言とかは噴飯物で、ねぎと生しいたけといぐさ作っている農家が何軒あると思ってんだまったく。こんな件で的外れな自民党批判してる暇があったら、さっさと政策を具体的に発表しろよ民主党。

もちろん、根本にあるのはビジョンを持たない農政や、産業構造の転換に投資する事のなかった政権政党としての責任は重いんだけど、視点のずれた批判は問題の焦点を暈しちゃうだけだよね。

ちょっと話しをひっぱると、最近の農業施策で一瞬話題になり、また論点がすりかわっちゃったものに改正JAS法と「有機マーク」表示の問題がある。(
JAS協会サイトの説明ページ)ところがどっこい、この認定を行う「登録認定機関」ってやつが曲者で、こんな仕事は元々なかったから、利害関係がある人達でも出資できる法人や正体不明のNPO団体でも、要件を満たせば申請可能になっていてそして許可を受ければ、「登録認定機関」として営利事業として「認定」を仕事に出来るんだよね。ここにまた利権構造が生まれている訳で、許認可系の利権は、決済者を変更するだけで、お金の流れも変えられるので対立陣営も絶対突っ込まない。

もし、突然放送の許認可制度が廃止されて、日本上空に衛星放送がバンバン上がって、自由にTV放送が出来るようになっても、コメンテーターは「自由競争を阻害する規制はいけませんよね」なんて言ってるんじゃろかいな?

農政の朝令暮改っていうか、努力する農家が報われ難い施策の根本を変えていくことはもちろん必要なんだけど、それは自民党だけの責任じゃない。みんなで、思い込みや聞きかじりじゃない情報をちゃんと貯えていかなきゃ、物事は見えて来ない。見た後に、様々な意見や主張があるのはいいんだけど、この辺、マスコミもうちょっとどうにかならいないのかなぁ。情報横漏れしっぱなし。うにゃにゃにゃ。

そんなこんなで、夜も更ける<=なに?
って、言うかGWまでお休みが無いんだよ、私。情けない事に。うにゅー。

って事で、またね!


テキスト庵

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2001年04月09日(月) 別件、教科書問題?

昼食は吉牛、シルダクギョク付きな、つきなみ♀です。でも「価格競争に参入せず」っすね残念ながら。金持ち喧嘩せずって奴ですね。一度潰れかけたくせに<=こらこら!

それはともかく、検定問題でなにかと話題の教科書なんだけど、なにか忘れていませんかって事があるんだよね。

ご存知のように教科書は、「義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律」(昭和37年3月31日公布、同年4月1日施行)及び「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」(昭和38年12月21日公布、同日施行)に基づいて、無償で給与されている。これは昭和44年度に、小・中学校の全学年に至って今も継続しているんだよね。こりゃ別に悪いことじゃないんだけど、ちょっと驚くのは教科書がみんなの手に渡るっていうか、流通の過程がそれ以前の形態のまんまだったりする。

ざっぱに言えば、各自治体教育委員会や学校法人に選択された教科書は、発行者から大取次ぎや特定供給所から(一部この二つを経由しない物もあります)、取次ぎ供給所を経て、学校に納入されるんだよね。

この特定供給所と取次ぎ供給所なんだけど、確かにコンピュターや物流が発達していなかった時代には、数値の集計や学校別の梱包といった具体的な業務が存在していたんだけど、今はそんな実作業はほとんど存在していない。

書籍の取次ぎってのは、膨大な数の出版社から発行される本を小部数づつ書店や今ならコンビニへ即時に配送しなけりゃならないので存在する訳なんだけど、教科書は予め選択が行われた部数を印刷して、納期に併せて学校へ送る訳で、いったいなんでまた、流通形態が旧態依然としてるのか、まったく謎なんだよね。文部省資料(選択から発行までの過程)です

もちろん、そういう処にお勤めしている人達が悪いわけじゃなくて、やっぱそこから構造的な利益を得ている人達がいたりする。

ネット書店を例に挙げるまでもなく、小部数の本を仕分けして送付するぐらいお茶の子さいさいって言うか、ちょっとでも現在の印刷所の状況やロジスティックを齧った人なら、びっくりこいちゃう状況だと思うんだけど、これがすっとんでいるんだよね。

教科書検定うんぬんは、専門サイトも山ほどあるし意見もいっぱいあるんでパスるけど、ちょっくら歴史をひもとくと明治5年の「学制発布」へ溯る事ができる。それまでの教育は「寺子屋」あるいは「手習い」だった訳で、「往来物」と総称される様々なテキストが溢れていて、明治になってもその流を踏襲していた。このへんは、現在の「日本語」と呼ばれる言葉が作り上げられてゆく過程なんかもあって、すごく面白いんだけど、本論から離れるのでちょっと割愛。そして明治23年に、ご存知「教育勅語」が発布されるんだけど、検定は明治18年時の文部大臣、森有礼によって導入されるんだよね。そして、明治35年に空前の教科書汚職事件が摘発される。

事件の概要は4名の県知事を含む88名が検挙され、最終的には逮捕者200有余、有罪者116名という疑獄となるんだけど、構造は単純で教科書業者と採択決定者の贈収賄だった。但しこの結末は、検定教科書から国定教科書への道を開き、教育の完全国家管理に繋がっていったので、疑獄自体の国家陰謀説も無いわけではないんだけどね。

現在は教科書の採択については、厳しく構造を規制されていて、単純な汚職は出来難い状態にはなっている。でも、いろんな構造自体が利益に繋がっているんだよね。ってこれは、教科書に限らないんだけど。

この辺をちゃんと突っ込んでくれる議員さんとか政党とかなんで出てこないのかなぁ、って前にも書いたんだけど、ここらあたりが全政党の票田対策&資金源なんだよね、残念ながら。持ちつ持たれつっていうのかなぁ、ふう。

ってことで、またね!

*教科書制度に関する詳しい資料はここにあるんで、興味をお持ちの方はご覧くださいね。


テキスト庵

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2001年04月06日(金) 緊急経済対策って、何が緊急?誤解の根本。「米証券取引委員会基準」など

うぎゃ。<=なに?

しかし、一部新聞を始めとして、TVやラジオのニュース無茶苦茶でんがな、まったく。個別の案件については、書きたい事もいっぱいあるんだけど、どうして間違いっていうか、誤報スレスレの内容が増えちゃうのかって言えば、やはり会計についての知識の不足じゃないのかな。

議員さんたちが、判っているとも思わないけど、一応スタッフや官僚様がチャック、もといチェックしているので、政策として出てくる時は、効果や施策としての整合性はともかく、形にはなっている。今回の一連の流れを見ていて、一番へんちくりんなのは「米証券取引委員会基準」への誤解かもしれない。この誤解に基づいて、あたかも銀行が長い事粉飾決算っていうか、信用情報を偽っていたようなニュアンスはどないなもんじゃろかと思うんだよね。もちろん、子会社含みで粉飾していた所は別もんだけど。

私も過去の銀行のオペレイションを了とするものではないけど、公開されていた決算は、証券取引法の有価証券報告書の財務情報作成基準に従う訳で、問題になっている「不良債権」の会計上の処理は、大蔵省企業会計審議会「企業会計原則(最終改定1982年4月20日)」の、注解18 「引当金について」と題される、

「将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることが出来る場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。例示として、貸倒引当金を含む11項目を明示している。」

に準じていた訳だよね。また商法の規定も

商法第285条の四第二項「金銭債権につき取立て不能の恐れあるときは、取り立つること能はざる見込み額を控除することを要す」

だけなので1998年4月1日に税法が改正されるまでは、法人税法の規定によっていたわけだ。

ざっぱに言えば、日本の企業会計は税法に沿って行われていたわけで、本来は企業の業績及び財務状態を明確にする為に存在するものなのに、政策的に立法される事のある税法に準拠していたんじゃ、継続的な推移は把握できゃせんので、やっぱそりゃ別もんにすべぇって改正された訳だ。そして同年10月の金融再生法によって分類された不良債権の公表が義務付けられたんだけど、これは残念ながら企業としての金融業のディスクロジャーに全面的に繋がってはいない。まぁ、今回は引き当て金じゃなくて、直接処理しようって事なんだけど、それだけで問題が解決する訳じゃないってのは、ホントは当たり前すぎるって事だよね。

そんじゃ、「米証券取引委員会基準」なんだけど、この規定は会計基準を規定していなくて、前提として米証券取引委員会へ決算書を提出するには、米国会計基準に準拠しなければならない。余談だけど、東京三菱銀行が今まで海外から高い評価を受けて来た背景は、日本で唯一の米証券取引委員会登録銀行であったことに他ならないんだよね。細かな比較を継続的に行っているのはここだけだし。オリックスも去年からやってるけど、まだ完全ではないようだ。そもそも、米国会計基準には「経常利益」にあたる物自体がそもそもなかったりするしね。

ちょうどNHKで「会計ビックバン」って番組をやっているんだけど、金融の国際化を阻害している物に、この会計基準の世界的不統一がある。

ちょっと話しをひっぱると、前からなんどか書いている日本の特殊法人や公益法人には、そもそも明確な適用される会計基準が存在していない。こりゃいったいどうなっちょるんじゃ?って、まずマスコミもこの辺を突っ込んでほしんだよね。野次馬みたいに、「不良債権処理」って書けば責任果たせる訳じゃないんだよ。ってそもそも、「金融再生」「経済対策」のはずが、本末転倒なんじゃないかい、まったく。

本来は、って言うか国家の舵取りをする人達が、将来を見据えてやっておかないといけない事だった。会計基準の国際化とか知的所有権登録とか、経済大国を自任するなら、その時点で手をつけておかなければならないんだよね。せめて、バブル経済が弾けた認識を持った時点で、税法や会計基準に根本的な改革を行うべきだったんだよね。

それは、先進的技術や国際競争力を持つ企業に負担をかけて、本来市場から退場すべき企業に手厚い保護を行う結果になってしまう。はうー。

出て来る情報を見る限り、「緊急」なはずが、ちっとも急いでいるように見えないのは、やっぱ総裁選挙と参議院選挙が優先だから?って仮に大敗しても、衆議院で逆転するわけじゃないもんね。

うーーん、なんか風邪っぽいんで今日はこれまで。ってことでまたね!


4/4:史実?清明@陰陽師がらみとか。蝉丸伝説など。


テキスト庵

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2001年04月04日(水) 史実?清明について。蝉丸伝説など。

ってことで、今日4月5日は二十四節季の清明でしたね。以上<=おい!

ちなみに藤原道長は966-1027年在世で、これはほぼ間違いないけど、安倍清明さんの生没に定説はない。「尊卑分脈」によれば1005年9月26日85歳で没っした事になっているけど、没年代と歴任した官職以外はよく判らないんだよね。ちなみに源博雅さんは922(918年説アリ)年生まれで、2つ年上か年下なんだよね。ってフィクションに史実持ち込んでもしかたないと思うし。

ちなみに関白道長を助ける有名な説話は、鎌倉時代に編集された「古今著聞集」が初出だと言われているんだけど、そもそも道長が関白になった時には清明さんはもう死んでたりするし。

さて、ついに稲垣吾郎さん版TVの放送も開始され&野村萬斎さん版映画化でなにかと話題の陰陽師@夢枕獏&岡野玲子さんなんだけど、この第一巻中、実質第一話は「玄象といふ琵琶 鬼のために盗らるること」だ。って題名の文法に突っ込み入れたい気もするんだけど、それは置いといて、蝉丸さんが琵琶の名手として登場する。

これやこの 行くも帰るも 別れては しるもしらぬも 相坂の関

と言えば、坊主めくりカード、もとい百人一首の蝉丸なんだけど、この人物というか伝承は興味深い。

陰陽師の中で安倍清明さんのマブダチとして登場する源博雅さんは、誠実で門閥でありながら才能に恵まれて、しかも頓狂で、魅力に溢れている訳なんだけど、一応モデルに実在の人物がいるわけだ。って面倒なんで以下敬称略ね。

専門サイトっつうか、ファンサイトも数あるんで履歴についてはパスるけど、この博雅(博雅の三位)と蝉丸の話は、ご存知「今昔物語集」巻24第23話に登場する。って勿論、陰陽師のストーリーはフィクションなのでこれとはまったく関係ない。

ザッパに略すと時代を代表するミュージシャンだった博雅が、伝説の琵琶プレイヤー蝉丸が都会を離れて逢坂っていう辺鄙な処へ隠棲しまっているんで、アゴ足・家・仕事付きで都へ住んじゃどいなもんやって誘うんだけど、この中での蝉丸は「敦実親王の雑色であった」とされているんだよね。そんでもって、この破格の誘いに対して

世の中は とてもかくても すごしてむ 宮も藁屋も はてしなければ

つうてやんわり断るんだよね。そんでも諦めきれない博雅は、3年間逢坂へ通って「流泉」「啄木」って言う秘曲を聞かせてもらう。

この典拠は「江談抄」なんだけど、こちらでは「會坂目暗(原典のママ)」となっていて、名前はない。この事から蝉丸という名前は今昔物語集の編者が入れたのではないかと言われている。つまり、和歌の上手として伝説の人物であった蝉丸に「盲目の琵琶法師」という外殻が付加されたと考えられる。

ちょっと年代を整理すると今昔物語の成立は1120年以降の12世紀前半説が有力だ。博雅と蝉丸の話自体が中国の説話の翻案だと言われていたりもするし。

処がどっこい、約100年後に「方丈記」で有名な鴨長明は「無名抄」の中で、「會坂の関の明神は蝉丸也」と述べていて、蝉丸はこの100年で実体を持つようになってゆく。

蝉丸の名が登場するのは「後撰集」(900年代半ば)が初出とされるが、「古今集」(900年代初頭)にも「詠人知れず」として存在していると長明と同時代の歌学書「八雲御抄」には記述されている(傍証不詳)

前述した蝉丸の説話に登場する歌も「後撰集」「新古今和歌集」に採られているんだけど、明らかに本人の来歴は不明なんだよね。

ちょっとはしょると、その後蝉丸は謡曲「蝉丸」に見られるように、醍醐天皇の落胤として語られ、姉「逆髪(さかがみ)」と共に、「異形の漂泊者」としての地位を与えらる。博雅とのエピソードが変形して挿入され、能として演じられると共に、諸国を漂白遍歴する琵琶法師や芸能の徒によって、実体のある人物として人々に受け入れられていった。

うひゃ、長いなぁ、まったく。しかも中途半端。

秋風に靡く浅茅の末ごとに置く白露のあはれ世の中

蝉丸はこうも、詠んでいたりもする。

でも、坊主めくりなんていうゲームが後世出来て、自分の歌の書かれた百人一首が、まさか札を全部取られちゃうカードになるなんて事は、きっと予想だにしなかっただろうけど。<=おい!

ってことでじゃ、また!


テキスト庵

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