2004年08月28日(土) |
岡田先生のお教室発表会 |
今日はいつも仲良くしている、岡田先生のお教室の発表会。 第2部にはうちの大人の生徒さんも連弾で参加させていただきました。 私は司会。(陰マイク) 岡田先生の発表会はいつもアットホームで、 心がぬくぬくする雰囲気なのですが、 今回は前回にも増してそんな「ぬくぬく」を感じる発表会でした。
ほとんど全員が中学生以上のお教室。 生徒さんたちの小さかった頃のビデオを織り交ぜながら、 岡田先生のひとりひとりへのメッセージが読まれます。 メッセージの一言一言は、どれも暖かく愛情いっぱい。 読んでいる私の方が、熱くなっちゃうようなフレーズばかりでした。 こんな素敵な文章を読ませていただけたこと、 本当に光栄に感じました。 今回の発表会は、高校3年生の男の子2人を送りだすという意味合いもあり、 岡田先生のこれまで一生懸命なさってきた集大成、 ひとつの大きな節目を感じさせるものでした。
演奏後、これまでやってきたハンドベルのアンサンブルや、 くるみ割人形の連弾など、全員の思い出のビデオが流されました。 みんな大きくなり、それぞれの生活が忙しくなったことによって、 昔やっていたようなアンサンブルができなくなってきた、 と残念そうに言っていた岡田先生。 しかし、昔何度もアンサンブルしてきたことが、 生徒さんたちの中でしっかり根付いていると、 ひとりひとりの演奏を聴きながら実感することができました。 岡田先生の生徒さんたちは、みなさん呼吸がすばらしいのです。 そして、暖かな心のこもった演奏をしてくれます。 聴いていてとても心地のよい演奏でした。
こんなに先生の愛情いっぱいの発表会ってあるかな? 胸がじぃんとしてくる岡田先生らしい暖かな発表会で、 とても気持ちのよい一日を過ごすことができたのでした。 音楽ってすばらしい!
バリのウブドで4泊してきました。 以前からあこがれていたウブド。 きっと私の気に入るはず!と思いつづけてきたウブド。 そんなウブドは想像以上に居心地がよく、心温まる土地でした。
泊まったホテルは「IBAH(イバ)」というヴィラ。 新婚旅行でケニアに行って以来、 自然を堪能する旅行では壁に囲まれたホテルではなく、 ヴィラを選んできました。ということで、今回もヴィラ。 専用の門、庭があるヴィラ。 部屋の入口前には大きな屋根付きテラスがあります。 緑に囲まれながら風を感じ、 川のせせらぎや虫の声を聞きながら、読書する贅沢さ! この心地よさは、ケニアのガバナーズキャンプ以来。 それくらい贅沢なひとときを演出してくれるヴィラでした。
イバを選んでよかったぁ〜と思ったもうひとつの空間プール。 「イバ」とは「遺跡」という意味だそうで、 このプールも「遺跡」の雰囲気を感じさせるプールでした。 石造りの門をくぐり、カーブした階段を降りていくとプールが見えてきます。 プールのタイルは白を基調に、茶やこげ茶のタイルが混じっており、 タイルとは全く違う白と茶のマーブル色の石で階段がついています。 水底は急にカーブしており、水中から見る景色はまるで遺跡のよう。 太陽の光が水底を照らし、その美しさは何度見ても見飽きない美しさ。 普通、ホテルのプールにゴーグルを持ってきている人なんていないし、 実際持ってきていたのは私たちだけだったけれど、(^-^;A 持ってきて正解!何度も何度ももぐって、その景色を堪能したのでした。
泳ぎ疲れたら、洞窟の中で一休み。 小さな洞窟に2人分の寝床が用意されており、 間に背の低いテーブルが置いてあります。 ここでバリコーヒーを飲んだりサンドイッチを食べたり、 タバコを吸ったり、本を読んだり・・・。 あっという間に3,4時間過ぎてしまうからびっくり。 (でも、ウブドでやりたいことは山ほどある!!)
イバの横には眺めの素晴らしい散歩道。 散歩道の入口には古い寺院。 その寺院をのんびりと見回った後、渓谷沿いに歩きました。 この道がどこまで続いているのかは不明。 どこまで行こうか、どんな景色が待っているのか・・・ジャランジャラン。 (ジャランジャラン;散歩するの意)
向かい側には渓谷沿いにイバのかやぶき屋根が点々としています。 自分のヴィラを見つけ、小さなかやぶき村の村民になった気分でした。 坂道をひぃひぃ言いながら登っていくと、 向こう側から重たい何十キロもしそうな藁を、 3束ほど頭に担いで降りてくる地元の人たちとすれ違います。 私だったら、あれを頭まで持ち上げるのですら無理だろうと思う。 彼らはこの急な坂を、一体一日何往復するのだろうか。 ウブドの人は足腰が強い!(ウブドは坂だらけ)
坂道を登り終えると、両側が渓谷の一本道。 右の向かい側にはライステラスが見え、 左の向かい側にはどこかのヴィラやホテルが見えます。 渓谷にはたくさんの椰子の木。 日本の杉を椰子の木にしたら、こちらの景色と同じになるかな・・・。(笑) この渓谷の頂点を歩く贅沢な一本道を、 「一体この道はどこまで続くのかな?」と言いながら、 もう少し・・・もう少し行って見よう、と歩きつづけると寺院が見えてきました。
寺院の中は残念ながら覗けなかったけれど、ここら辺は今までと違う雰囲気。 地元の人々の姿がちらほら見え始め、 歩いていくと観光化されていない人家が見えてきます。 ウブドの生活を感じる空間。 鶏が自由に歩き回っていたり、牛が草を食べていたり。 畑には時代劇に出てきそうなかやぶき屋根の倉庫らしき建物があったりして、 どこか日本の農村と似た雰囲気。 やっぱり椰子の木を杉に変えたら、一昔前の日本の農村風景と同じになるかな。
途中小さなヴィラのカフェを見つけました。 直射日光と戦いながら歩いてきた私たちには天の恵み! 目の前にライステラスが見えてきていたので、 もう少し歩いたら帰りがけにここで一休みすることに決めました。 鮮やかな緑の続くライステラスを堪能し、 農家の作りや庭先の美しさに見惚れ、 タコを揚げているお兄ちゃんを大声で応援する弟の姿に笑い、 ウブドのウブドらしい一面に心癒されたのでした。
ウブドの第一印象は宗教。 鑑賞したダンスも、ヒンドゥ教と深い関わりがあります。 町内ごとに寺院があるのではと思うほどそこらじゅうに寺院があり、 店先には必ず神様にささげる花が飾られています。 日本の神棚と同じような神棚がどのお店にもホテルにもあり、 決まった時間に神様に花をささげ、祈りをささげます。 その姿はとても美しく、心打たれる純粋さがあったように思います。 宗教なんて・・・・と無宗教な私ですが、 彼らをちょこっと羨ましく感じました。 日本人である私には、一神教よりも、 こういった自然と深い関わりのある多神教の方がしっくりくるのかもしれません。
たった4日間でウブドを知ることはできません。 もっともっとウブドを知りたい。 観光地化された場所だけではなく、 見えない部分、見えにくい部分にまで触れてみたい。 いつかまた行くぞ!と心に誓い、 後ろ髪を引かれながら帰ってきました。(T-T) しばらく私のウブド熱は冷めそうにありません・・・。
母校で夏期音楽講習会がありました。 丸々3日間の集中講座。久々の学生気分を味わってきました♪
【演奏に生かすピアノの構造と知識 弾き較べ講座】
1日目:午前中・・・ピアノの発展史と様式学 古典派の場合「ベートーヴェン」 午後・・・・ベートーヴェンの作品 公開レッスン 2日目:午前中・・・3種類のピアノの違い ロマン派の場合「ショパン・シューマン」 午後・・・・ショパン・シューマンの作品 公開レッスン 3日目:午前中・・・ペダルとピアノタッチとアクションの関係 近代の場合「ドビュッシー・ラヴェル」 午後・・・・ドビュッシー・ラヴェルの作品 公開レッスン
朝9時半から5時半過ぎまで、みぃ〜〜っちり講習でした。 かなぁり疲れたけれど、かなぁり面白かった!! 母校がこういったことを企画してくれるって嬉しいです。 これからもどんどん企画して欲しいな。
弾き較べたピアノは、 スタインウェイ・ベヒシュタイン・ベーゼンドルファーの3種類。 公開レッスンも弾き較べながらのレッスンで、 いろんなことが見えてきました。
強く印象に残っているのは、倍音について。 倍音を感じながら弾くってよく聞くことだけれど、 具体的にどんな感じなのかわからなかった。 体で耳で倍音を感じるってどういう感覚なんだろう? それが今回わかり、大きな収穫でした。
まず、それぞれピアノメーカーによって、 倍音のどの音を強調させるか、が違います。 それがそれぞれの音色の違いとなって出てくるのです。 単音での響きは、ベーゼンが最高の音色でした。 すっごく色彩が豊かなのです。 けれど、倍音を多く感じる分、一度に多くの音を鳴らすような曲の場合、 もわぁあ〜〜っと汚くなりがちです。 ペダルの構造も他の2種と違い、扱いが難しそうでした。
ベヒシュタインは他の2種に較べ豊かな響きではないけれど、 とても美しい音色のピアノでした。 単音を鳴らすと、ポ〜〜ンと音が少し上がっていきます。 そのせいか、私は明るい響きを感じました。 また、一つ一つの発音がしっかりしているので、 細かな動きのある曲や、一度に多くの音を鳴らす曲に合っているようです。 協奏曲のような場合、音の響きがオケに負けてしまうかも、と思うけれど、 小さな会場では、美しい音色を存分に生かすことができるし、 音色そのものはスタインウェイより魅力的に感じました。
で、最後にスタインウェイ。 スタインウェイの一番の特徴は、やはり豊かな響き。 大きな会場に対応できるよう作られたものなのだから。 音もとても安定しています。 ぽ〜〜んと、常に一定の音程を保って音が伸びます。 ベヒシュタインは上がっていったし、 ベーゼンは下がっていきました。 響きも豊かだし、音も安定しているし・・・・。 でも、こうやって弾き較べると何かが足りない。 そんな風に感じる音でした。 他の2種と較べると、無機質な音に聞こえるから不思議です。
いずれも倍音がどのように響くのか、 先生がたくさんたくさんわかりやすく試してくれました。 そのお陰で、倍音を感じるということがどういうことなのか、 具体的にわかったのです。 よく倍音の音を抑えておいて弾き、 その弦を共鳴させる実験がありますよね。 でも、それでは感じられなかったのです。 この実験では単音にたくさんの音を感じる、 ということができなかったのです。
でも、先生のお蔭で、 1音の中に、いろんな音を感じることができました。 「本当だ!ドの中にミもソもある!」と。(笑) そして、その後それらを感じながら演奏するということが、 どういうことなのか、具体的に曲で知ることができました。 ショパンのエチュード1番の最初。 あれ、ドの倍音から出来てるんですよね。 ショパンは倍音を上手に使った作曲家なのだそうです。
古典派はオーケストラの音楽。 作曲家はピアノという楽器のために作品を書いたわけではない。 けれど、ショパンやシューマンは、ピアノのために作品を書いている。 ピアノの響きを生かした作曲というものが、どういうことなのか。 それらが具体的に見えてきました。 今まで感じられずにいた響きを、 今後は堪能しながら弾くことができそう!!
また、午後の公開レッスン。 1度に何人ものレッスンを見学できるというのは、 本当に勉強になります。 先生がおっしゃりたいテーマのようなものが見えてくるからです。 この先生は公開レッスンになれていらっしゃるようで、 レッスンするだけではなく、 その意味合いをしっかりと聴講生にもお話してくださる先生でした。
大事なのは、こう弾くのだ・・・と演奏を提示するだけではなく、 その本意を相手が理解できるように説明できる、ということです。 先生は何度も「こう弾きなさい、とは言いたくない。 こういう方法もある、ということだ。」とおっしゃっていました。
2、3日目のレッスンテーマは、以下のとおり。 (公開レッスンで、シューマンとラヴェルを選んだ生徒がいなかった。) ショパンのテーマは、「倍音の響き」「模様のようなパッセージ」 「美しいメロディ」「左右のコントラスト(緊張感)」 ドビュッシーのテーマは、「感覚の表現」「解決しない響き」 「ひとつひとつ独立した響き、色彩」「音域によるコントラスト」
これらがレッスンで具体的に示されるのです。 もちろん今回講習会を受けただけで、 私自身の中にきっちり入り込んだかというと、そうは言えないけれど、 今まで見えてこなかったものが見えてくるような、 そんなきっかけを与えてもらえました。
ところで、この公開レッスン。 私よりずっとずっと目上の方がレッスンを受けられていました。 たぶん大学を卒業してからずっとピアノ講師をなさっているのだろう、 といった方々です。 みなさん、大学を卒業してからもずっとずっと精進してこられた方ばかり。 テクニックもきっと大学時代よりずっと弾けているのだろうし、 なによりも表現力が豊か。 そして、先生のおっしゃることに対する反応のよさに驚かされました。 他の若い人たちは反応が悪かった。テクニックはあっても・・・です。 先生のおっしゃることがすぐにわかるか、わからないか。 これは、表面上で受け止めるか、質的な部分まで理解して受け止めているのか。 その違いなのだと思います。 そして、それらは大学の4年間だけでは学びきれないことなのです。
最近思うのは、大学を卒業するということは、 「音楽の世界へようこそ〜」という入口の鍵をいただけただけで、 まだまだ先は長いということです。 大学は、音楽ってこういうものなんだよ・・・と、 様々な音楽の世界を垣間見せてくれる場です。 そこから先、それらの世界を深めていくのは、 大学を卒業してから、一生かけてやることなのですよね。
ずっとずっと目上の方、 きっと音大などに生徒さんを入学させているだろう、実績のある先生方。 そういった方々が、こうやって丸3日間の講習会に参加し、 レッスンを受けていく。 本当にすごいことだと思います。
生徒を教えることで自分の勉強をやめてしまうのではなく、 自分自身を昇華させていこうと、日々努力している方々。 そういう先生方が、こんなにもたくさんいらして、 こんなにもすばらしい演奏をなさるのだということ。 それは、私にとって最高の励みです。 「私ってまだまだだな。」と思うと同時に、 「これからもがんばっていこう。」と前進するエネルギーをもらえます。
体力のない自分にほとほとまいっちゃった3日間だったけれど、 本当に充実した3日間でした。 たくさんの刺激をもらいました。 これらの刺激を自分の中で消化させるのは、 まだまだ時間のかかることだけれど、 こういう機会を持てたことに喜びを感じます。 楽しかった〜〜〜〜っ!
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