今日は、ニューヨークから一時帰国している友人に会ってきました。 ほんと、久々で嬉しかった! ニューヨークで会ったときは、痩せて心配だったのですが、 コントラバスを力強く演奏するため、がんばって食べてるみたい。(笑) 今は演奏活動をしながら、がんばっているとのこと。 元気そうだったし、私もがんばんなきゃ〜と励ましてもらった気分でした。
で、今日はお初の体験をしました。 この友人、釣りが好きなんですよねぇ。 ということで、naoちゃんも含めみんなでへらぶな釣りで遊んだのでした。 へらぶなって、なぁんか気持ち悪い・・・と思いつつ、 エサは虫じゃないので、私向き。 結構楽しんじゃいました。
ただねぇ・・・釣ってもすぐに池にかえす釣りで、 食べる楽しみがない・・・。 どうせなら、食べる楽しみのある魚を釣りたいところ。 ということで、エサは虫だけどわかさぎ釣りの方が、 私には楽しめるみたい。(^-^;A へらぶな釣りは、かなり奥が深そうな釣りですが・・・、 最後の1時間、ちょいと飽きてしまいやした。はははっ
友人とは、来年ニューヨークへ行くよぉ〜! と固い約束を交わしてお別れしました。 がんばっている友人がいるのは、とっても心強いこと。 何かに真剣に取り組んでいる姿って、すごく惹かれます。 お互いがんばろうね!
2003年11月29日(土) |
クラヴサン音楽の100年 |
今日は東松山でサロンコンサートがありました。 チェンバロの工房が主催しているものです。 今回のテーマは、フランス音楽。 クラヴサンとは、フランス・チェンバロのことです。 ルイ13世からルイ16世までの時代。 最初はリュートの音楽を そのままクラヴサンで表現しようとしていたものが、 次第に現在私達がよく耳にするような鍵盤音楽に 発展していく様子がわかって面白かったです。
で、私はというと、 どうやらルイ13世頃の演奏が好きみたい。 ランベールという作曲家の宮廷歌曲が特に気に入りました。 私達が普段聴き知っている歌曲とは違って、 旋律がちょっと独特なんですよね〜。 それがたまらなく私にはよかったのでした♪
そうそう、楽器も2台用意されていて、 17世紀フランス様式のものと 18世紀フランダース様式のものがありました。 こちらも、前者の音色の方が私の耳に合うみたいです。
普段弾きっこで使っている会場よりも小さいくらいの会場での演奏会。 やっぱりチェンバロなどは、これくらいの空間がよいですね。 当時王様や貴族たちは、これくらいの空間で、 演奏を楽しんだんだろぉな〜などと想像しながら、 楽しいひとときを過ごしたのでありました。
今回はバロックダンスは付いていませんでしたが・・・。 バロックダンスありの演奏会にも行きたいな♪
〜〜〜これから月曜日まで埼玉でのんびり過ごします。 ということで、メールや掲示板へのレスは、ちょこっと遅れちゃいます。
先日障害者ピアノ指導者研究会の知的障害部会で、 分科会があり、そこで今のレッスンについて紹介してきました。 お互いいろんな生徒さんを受け持っており、 みんながどんなレッスンをしているのか紹介し合おう、 という流れになったのです。 座談会のような雰囲気で、どんな工夫をしているかとか、 どんなところで失敗したかとか、いろいろお話しました。
で、初心にかえらなきゃなぁ〜、と夜に寝る前つくづく思ったのです。 というのも、その日の午後のレッスン。 なぁんか、いまいちみんなのノリが悪い。 もしかして、私ったら慣れてきてマンネリ化してる???
一体どういうところがマンネリ化してきているんだろう? 布団の中で、いろんな生徒の顔を思い浮かべながら、 これまでのレッスン風景を振り返りました。 あの子には、こんな刺激を与えてみよう。 あの子は、こういう方針にちょっと変えてみよう。 あの子のレッスンには、今度あれを加えてみよう。 みんなの顔を思い浮かべたら、いろんなマンネリが見えてきました。
そして、今日のレッスン。 全体的によかった気がします。 やっぱり私のレッスン内容がマンネリ化していたのかもしれません。 「これでいい」のではなく、 「これでいいのか?」と常にレッスンを見直していく、 そんな初心を忘れかけていたのかもしれません。
自分の指導法が安定してきたからといって、 毎回毎回のレッスンは一期一会。 恵美子!甘えちゃいかんぞぉ〜〜〜っ!
2003年11月24日(月) |
ピティナ千葉支部主催合同発表会 |
ステップで知り合い、障害者ピアノ指導者研究会でご一緒し、 今ではメールでやりとりするメル友でもある、 千葉支部のY先生が主催している合同発表会をお手伝いしてきました。(^-^) この先生は、すごい実績がある先生にも関わらず、 物腰が柔らかで、人望厚く、暖かなお人柄。 とにかくとても謙虚な方で、 メールでお話していても、楽しくて心地よい先生なのです。
この先生が代表をしている千葉支部。 コンペっていうと、すっごくすっごくお堅いイメージがあるし、 ちょっと気難しい先生方がたくさんいるのかな・・・ なぁんて偏見を持ってしまうのですが、 千葉支部の場合は嬉しいくらいにこの偏見を打ち砕いてくれます。 スタッフの先生方とはもう何度かお会いし、 その中のお2人は、発達障害関係でも身近になっている先生なのですが、 みなさん打ち解けた、とってもよい雰囲気です。 これもY先生のお人柄なんだな・・・と毎回思わされます。 実は、最後にお茶をしていたとき、ある先生とそんな話題にもなり、 スタッフの先生方みなさんがそういう思いをY先生にお持ちなんだなぁと、 あらためてY先生のお人柄に感激したのでありました。
この暖かなスタッフに恵まれた合同発表会。 コンペに出てるんだろうなぁという生徒さんから、 生涯学習として弾いておられる熟年の生徒さんまで。 いろぉんな方が出演なさっており、とても楽しい発表会でした。
この合同発表会で使用した「ぱるるプラザ千葉ホール」は、 ホールの響きが抜群によい上、ピアノはスタインウェイ。 個人教室の発表会では、ちょっと高いし客席数も多くて使えない・・・。 そんな先生方の欲求を見事に満たしてくれた合同発表会。 あぁ、私もあそこで弾いてみたい・・・。 気持ちよいだろうなぁ〜!みんないいなぁ〜!! 正直羨ましかったデス。
ということで、ちょぉっと遠いけれど・・・。 そんないいホールなら参加して弾いてみたい〜〜! と言う生徒さんがいるかもしれないですね。 来年は興味を持ちそうな生徒さんに声をかけてみようかな・・・。
2003年11月20日(木) |
シューベルト即興曲作品90 第2番 |
クリスマス会を目前にし、そろそろ弾く曲決めないと・・・(^-^;A ということで、15年以上前に弾いたこの曲に決めました。 今日生徒を目の前に「先生も練習してるんだよぉ〜」と、 さわりだけ弾きました。 これでもう逃げられない・・・。(爆) 弾くって言っちゃったぁ〜〜〜〜〜!Σ(×_×;) 今更曲目変更できない状態に自分を追い込んだところで、 本格的に練習せねば!という状況です。(笑)
昨日から弾き始めているのですが、 昔はよくわからなく、なんとなく弾いていたところが、 ああ弾こう、こう弾こう!と想像が広がりとにかく楽しい! 当時は、つまらん演奏してたんだろぉなぁ・・・(⌒〜⌒;A 今回はもう少し成長した演奏に仕上げたいところ。 2つのコントラストがはっきりしている曲なので、 そこのところを楽しんで弾きたいなぁ。
1月には順子先生のレッスンでベートーヴェンの続きを見ていただく予定だけど、 しばらくはこの曲にかかりきりになりそう・・・。 昔弾いた曲を掘り起こして、もう一度仕上げなおすって楽しい! まずは、この曲でその楽しさを満喫しようかな〜と思っています♪
あぁ・・・宣言しちゃった・・・弾く曲・・・。 もう逃げられない・・・。がんばろぉ〜〜♪
軽度の発達障害児のNちゃん。(小5) 2ヶ月ほどまえにお母さんが教えてくれました。 「最近ピアノの練習をしたがらない。 『じゃ、ピアノやめちゃう?』と言うと、 『うん、やめてもいい。』と答えるんです。」 レッスンでは今までどおり変わらない様子だったので、 それを聞いてびっくり。 そして、もう一度振り返ってみたのです。
考えてみたら、以前ほど「褒める」ってことをしていませんでした。 最近すごく成長を感じていました。理解力が出てきて、 これまで苦労してきたところなどもスイスイできるように・・・。 だから他の子たちと同じようなスタンスのレッスンになってきていたのです。
もう一度、たくさん褒めることからやり直してみよう。 そうあらたに思い直してのレッスン。 Nちゃんは褒められるととてもとても喜びます。 発達障害の子というのは、褒められるという機会が少ないそうです。 他の子にここまで褒めたら、逆に引かれるだろうな・・・ そう思うくらい褒めてあげるのが丁度いい。 そのことに今更ながら気づかされました。
また、導入にはよく気をつけて取り入れている「動き」を、 もう一度取り入れるようにしました。 音楽に合わせて楽器を鳴らしたり、体を揺らしたり・・・。 ピアノの前に座るだけではなく、そこから離れる時間を設けます。 Nちゃんは妹も一緒にピアノを習っているので、 妹と一緒にリトミックをしたり、お母さんと一緒に手拍子で遊んだり・・・。 それからしばらくして、 ピアノに対して前向きなNちゃんが見られるようになってきました。 あぁ、やっぱり褒めるって大切なんだな・・・と実感。
そして今日、とても嬉しいことがありました。 今Nちゃんはブラームスの子守歌を練習しています。 私の演奏に合わせて、お母さんと手を繋ぎ3拍子に合わせて体を揺らしたり、 楽器で合わせたり・・・そんなことをここのところやっていました。 今日のレッスンでも、お母さんと手を繋いで3拍子を感じました。 その後ピアノに合わせて、トライアングルを一拍目で鳴らします。 Nちゃんはプーさんが大好きなので、 えんぴつの頭についているプーさんとお友達なのですが、 そのプーさんを右手に持って、 プーさんと一緒にトライアングルを叩いたり。。。
そんなことをしばらくした後、さっそくピアノへ。 第1音目・・・。 プーさんに聴かせてあげようという気持ち。 この曲好き、という思い。 なんとも言えぬ純粋な音色が聴こえてきたのです。 一音一音丁寧に美しく弾こうという真剣なまなざしと、呼吸。 本当にびっくりしました。涙が出てきそうになりました。
Nちゃんは、リズムにとても強く、ノリノリで弾くことができます。 でも、「歌う」ことになるとこれがなかなか。 音色に対するこだわりも、意味がわからない状態がしばらく続いていました。 それが、ここ半年フレーズの終わりに しりもちをつかないよう気をつけるようになり、 多少強弱がつけられるようになってきていました。 でも、そこに「心」があったかというと、それもなかなか。 言われたからそうする・・・といった感があったのです。 ただ、以前はそれすらできなかったのが、 最近は自分から気をつけて弾くようになっていたのでした。
そして、今日のこの瞬間。 彼女の音には心がありました。 彼女にしか出せない音、彼女にしか歌えない歌がそこにはあって、 言葉ではあらわせないほど感動しました。 そして、今日Nちゃんは何度も何度もこの曲を弾きたがり、 何度も何度も美しい音で演奏してくれました。 本当に嬉しかった。
こんな美しい音、美しい歌に出会えるってなかなかないです。 プロの演奏会に行っても、なかなか出会えない音、なかなか出会えない歌。 人の心を打つ演奏。心の琴線に触れる演奏。 Nちゃんはそんなすてきな演奏を聴かせてくれたのでした。
Nちゃんのこの感性と、音楽への愛情を大切に大切に、 初心を忘れずに、レッスンしていこう。そう思わせられました。 Nちゃん、素敵な素敵な1日をどうもありがとう♪
昨日は岩田先生のピアノレッスン&和声(作曲)で頭パンパン状態。(自爆) 今日は公開講座で、頭パンパンになりました。(笑) ロンド形式とソナタ。 単純ロンドは、すぐにロンドだ!とわかりますが、 今回扱ったモーツァルトのロンドなどは、 思わずソナタ?と思わせられるような部分が多々あり、 たった一人でソナタなのかロンドなのかを判断するのは難しいほどです。 展開してたりなんかするから・・・f(^-^; ポリポリ
ベートーヴェンのロンドは、ロンド形式の中にロンドが含まれていて、 すでに脳みそがちょいとグデン状態。(笑) こんなに頭使うことって滅多にないから、脳みそが悲鳴をあげる! そのあとこのモーツァルトのロンド・ソナタだったものだから、 頭パンパン状態もいいところ。(でも心地よかったりするのデス。)
楽譜を見ながら先生の演奏を聴いて、 さらにそれをノートに書き取る・・・(AやBなど見やすくまとめる) そういう行為を経てすら、頭の中はグルグルと苦しむのであります。 ただでさえ頭の回転の遅い私には、つらい二日間でもありました。 いや、もちろん面白かったのですよ! ただ、真剣に理解しようと思えば思うほど、つらいものでもあるのデス。
私の落ち込む様子を見るに見かねた順子先生。 「でもね、演奏する側にとって一番大切なのは、 2つのコントラストを理解することだから。」 でも、これくらいで脳みそグデングデンになってしまう自分が悲しくもあり。(T-T)
あぁ、音楽って奥が深い・・・。 でも、こんな自分に落ち込みつつも、楽しくてやめられない。 最初はピアノ講師という職業柄、 なんとか学ばねば!という義務感からだったものの、 今は知るということの面白さに触れ、楽しくなっています。 楽譜を目の前にしたとき、多くのことが読み取れる。 多少なりとも以前より読み取れることが多くなってきた今、 頭がグデングデンになるからといって、 落ち込みつつも「楽しい〜〜」 と脳みそにはドーパミンが分泌されるのであります。
そうそう! 昨日のレッスン(ベートーヴェンのソナタop.31-1第1楽章)も楽しかった! 二通りの弾き方をやってみたり、 Tが続く冒頭の部分にある休符に何を感じるか・・・といったあたりなど、 ワクワクしすぎちゃって興奮しながらレッスンを受けてしまいました。 「楽しい〜〜!」を連発しながらレッスンを受ける私って・・・。 (一緒にレッスン受けてたnaoちゃん引いてたかも。(⌒〜⌒;A )
2003年11月04日(火) |
ご近所さんの発表会♪(岡田先生) |
昨日はいつも仲良くさせていただいている岡田先生の発表会でした。 岡田先生は弾きっこの常連でもあり、 お互いにお教室の発表会をお手伝いし合っている仲でもあります。 昨年同様、 「是非大人になっても楽しんでいる大人の方々に、 うちの発表会へ出てもらえないか。」というお誘いがあり、 うちの大人の生徒さんたちも出演させていただきました。
一人一人の演奏前、岡田先生からの暖かいメッセージがあります。 ある子の演奏前、司会者がそれを読み上げていたとき、 その子がとても嬉しそうに岡田先生の方を振り向いたのです。 2人の笑顔と視線のやりとりは、 なんかとってもほのぼのとしたもので、心が温かくなりました。 生徒さん同士もとても仲が良い感じで、 思いやりのある、暖かなお教室だなぁと嬉しくなりました。
そんな素敵なお教室の発表会に、大人の生徒さんは参加。 みんな緊張している中、とても素敵に演奏してくれました。 自分のお教室の発表会とは違った緊張感だったのでは・・・と思います。 大人の生徒さんたち、ホームコンサートが終わってホッとしたのもつかの間、 またまた人前での演奏・・・と忙しいスケジュール。 にも関わらず、きちんと暗譜して仕上げてくれました。 その真面目な姿勢の中、 楽しみながら弾いているということに喜びを覚えます。 ほんと大人の生徒さんたちからは、私の方がたくさんのことを学んでいるのです。 弾きっこなどを通じて、音楽の本来あるべき姿というものに、 立ち返らせてくれたのも大人の生徒さんたちのお陰でした。ありがとう!!
ところで、この日は私もお手伝いだけではなく演奏が。 岡田先生との連弾です。曲はリベルタンゴ。 クリスマス会では親友naoちゃんとお互いのお教室で演奏。(私はセコンド) 先日のホームコンサートでは岡田先生と演奏。で、今回。(ここではプリモ) ということで、実はこの曲私にとっては4回目の演奏。 しかもセコンド、プリモの両方を体験しているとあって、 私にとっては、随分体に染み付いた楽曲でもありました。
その上今回は自分のお教室の発表会ではありません。 精神的にも随分落ち着いていました。 最後の合わせ練習のとき、「いい出来だね!」といってお別れしたのですが、 本番はそれ以上にいい演奏ができたのでびっくり! とにかく気持ちよく演奏することができたのです。 いい演奏ができたときというのは、 気持ちよいのと客観的な耳と両立できているものですが、 このときは本当にそういう状態でした。 2人の音が融合した状態で耳に響いてきて、 呼吸もぴったし!本当に気持ちよかった!!
アットホームな心温まるミュージックコンサートのお手伝いができた上に、 思い出に残るような気持ちの良い演奏ができたということ。 昨日は最高の一日だったのでした。
2003年11月02日(日) |
エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団レクチャーコンサート |
東京都美術館で大英博物館展が催されています。 これは!と思い前売りを買ったとき、 そのチラシにこのレクチャーコンサートのことが載っていたのでした。 問い合わせたところ、先着順で午後1時から整理券を配るとのこと。 絶対に聴きたい〜!と思っていたので、1時間前に上野へ。 上野の大混雑は今までに見たことがないほどで、 一体今日はどうしちゃったの?状態。
美術館入口から程遠い公園内部にまで 大英博物館展の列が伸びているのを見たときは、本当に焦りました。 絶対聴きたいのに!!お願い、間に合って!! 眉間には皺が寄り(^_^;)、次第に早足に・・・。 無事講堂へ着くと、こちらは意外にも15名ほどしか並んでいませんでした。 一気に眉間に出来た皺がほぐれていくのを感じる私。(笑) ちょっと早く着きすぎちゃったかな・・・。 丸々1時間整理券が配られるのを待ちました。
席は前から3列目!室内楽には丁度良い小さな講堂。もう、ウキウキです♪ 大英博物館展が創立した頃の楽器。 現代のフルートやヴァイオリンと、 この時代のフルートやヴァイリンの違いについて説明がありました。 フルートは木でできており、とっても柔らかい音色。 当時は象牙、陶器、ガラスなどのフルートもあったそう!! 一体どんな音がしたのでしょう??
ヴァイオリンの説明のとき、音の違いを聴かせてもらうことができました。 やはりこちらも音色がとてもソフト。 現代のヴァイオリンは、とても輝かしい音色がするけれど、 当時のヴァイオリンはもっと素朴で柔らかく、耳に優しく響きます。
また、現代の440Hzと当時の430Hzも聞き比べました。 430Hzによる演奏は、とても柔らかで暖かい感じ。 中・高生の頃、私は高めの音程が大好きで、 ピアノの調律はいつも高めで・・・とお願いしていました。 でも、年を取ったせいか、今はこの430Hzがとても心地よく感じます。 都会の刺激に疲れているせいかな?などと思ったりもし・・・(^-^;A 人間社会の発展(情報の多様性、移動手段の発展)が、 このピッチの変化に影響を与えているような気もします。 人間ってやっぱり刺激を求めていくもの。 ピッチが高くなると、音に張りが出て刺激が強くなる・・・。
話が逸れましたが・・・、そんなことを考えながらレクチャーを受けたのでした。 その後、演奏家が準備する間少々お待ちくださいとのアナウンス。 舞台右側に並んでいたカメラが一斉に入り口へ向けられます。 「????」一体なに?誰か来るの?? しばらくして入口から現れたのは、なんと天皇皇后両陛下!! 「うっうそぉ〜〜〜〜っ!」 ミーハーじゃないはずの私(?)は思わず興奮。
道理でなぁんかスタッフみなさんピリピリしていたわけだ!と納得。 たかが美術館のレクチャーなのに、入口で荷物のチェックがあったのです。 いちいち一人一人に携帯電話のことを注意したり、 とにかくこちらがちょっとイラついてしまうくらいの対応だったのです。 お2人に続いて入ってくる関係者、およそ50名・・・(*_*) 以前小泉首相を見かけたときの人数の10倍!ほんとびっくり!
でもね、なにが驚いたって自分の反応です。 天皇制の話題になったりすると、本当に必要なのかな〜などと、 クールな反応をしていた私。 にも関わらず、目の前にするとやっぱり嬉しい。(不思議) やっぱり私って日本人なんだなぁ〜、とヘンな納得をしたりしたのでした。
と・・・またまた話がずれてしまいましたが、 この後の演奏は、本当にすばらしいものでした。 1曲目はモーツァルトのフルート四重奏曲第1番ニ長調です。 この小さな講堂の前から3列目で聴く室内楽。 最高のシチュエーションです。 ロ短調の2楽章、「やっぱりモーツァルトの短調はいい〜〜!」と ソフトなピッチカートをめいっぱい堪能したのでした。
そして2曲目。これらの楽器が西洋で活躍していた頃、 日本は丁度江戸時代でした。 ということで、江戸時代の楽器「尺八」とのコラボレーション。 滝錬太郎の主題による尺八、ヴァイオリンと弦楽のためのセレナード「桜に寄す」 柿沼唯という91年に出光賞を受賞した作曲家の作品です。 なんとなんと、日本での演奏はこれが初演とのこと! とはいえ・・・実は現代曲って苦手な私・・・。 だって、美しいと思えるメロディがあるわけじゃないし、 わけわかんないハーモニーばかりだし。(まるで素人ぢゃ・・・(^-^;A )
ところがところが、この曲すばらしかったのです!!最高だったのです。 尺八の唸るような風の音と、弦楽器の弦をこする音。 メロディがどうだとか、ハーモニーがどうだとか、そんなのではなく、 音そのものに聴くものの気持ちを鼓舞するような、すごい訴えかけがあるのです。 山のような波のようなフレーズの繰り返しで気持ちが最高潮に高まったとき、 突然あのメロディが聞こえてきました。「荒城の月」です。 聴く人によっては、なんてくさい演出と思うかもしれませんが、 私にはそんなクールなこと言ってる余裕などなく・・・、 その望郷のメロディとハーモニーにやられてしまいました。(ほんと) 思わず瞳がうるうる・・・泣いてしまいました。
この曲には、先日ミューズ図書館に投稿した 「日本人の呼吸」が息づいているように感じました。 天皇皇后両陛下に愛着を感じている自分を発見したこと。 この作品が自分の琴線に触れたということ。 今回のレクチャーコンサートは大英博物館展のオプションだったはずなのに、 なんだか日本人ということをひしひし感じさせられたレクチャーだったのでした。
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