彩々

2004年03月09日(火) 虚実被膜論

誕生日をいろんな人に、いろんな祝ってもらった。
ありがとう。
人見知りの私を、
こんなに毎晩飲み歩く不良娘にしてくれたみんな。
シングルモルトの味は
いまだに違いがわからないけれど、
心から単純に笑える瞬間が、
辛い時期には特に、有り難かった。

プレゼントにもらったスコープがなかなかツボで、
(昔の映画監督が首からぶらさげてたやつみたい)
いろんな画角でバーのカウンターを覗いてたら、
写真欲が再びわいてくるようだった。
埃をかぶりまくってるニコンF3とか、
久々に持ち歩いてみるかなぁ。

彼女の写真をあまり撮らなくなったのは
いつからだろう。
飽きることなく、何枚もアップの表情を追ったな。
やっぱり、
今度会うときはカメラを持参しよう。
純粋に楽しいだけのあの頃に戻れなくても、
あたらしいものが見えてくるかもしれない。

彼女からのメール。
「好きという感情よりも、憎しみのほうが上回るの」

まだ帰れそうにない。
目下の仕事は熱意だけが空回りして、
さらに絶望的な気分にさせる。

真実と虚構のはざまに芸術があるとしたら、
いままさに、
私はタブーを侵してそこに踏み込もうとしてるのか。



2004年03月01日(月) 幻想ならいっそ

曇ったり晴れたり…どころか、
雲ひとつない澄んだ空が一変、どしゃ降りというか。
人と人が、どちらも妥協せずに向き合うことは
どれほどの悟りのさきにあるんだろうか。
結局また、
彼女の言葉のひとつひとつに、血を流してる。
出血多量で、今にも死にそうだ。

彼女はただしい。
彼女の閉ざされた世界でいうなら。
彼女は思い、それに従って行動する。
たとえ、
それが彼女特有のずば抜けた直観力で
私の内面の的を得た推測に基づくものであったとしても、
彼女の世界に、
私の感情の存在はないに等しい。
なまやさしい「思いやり」なんて、もちろんない。
私はその世界で
自分を殺しきって息をすることができない。
その無機質さや自己完結性をとても愛しているけれど、
私は私でなくなれないから、
いくら受容的な性格とはいえ、
母親のように
すべてを呑み込んだり呑み込まれたりはできない。
これは、私の愛が足らないせいなのかな。

彼女には独自の世界があり、認知構造がある。
いくらそう理解していても、
情緒がめためたの今の私には、
ただ、容量を得ない言葉をメールで送りつけて、
彼女をいらだたせることしかできない。

やっぱり、
ここが果てなんだろうか。




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喬(きょう) [MAIL]

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