地上懐想
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わたしは旅が好きでした。 20代の頃など、旅をするために生きていたといってもいいくらいに。 旅をせずにはいられなかったのです。 答を探し、探しつづけていたので・・・ そうして訪れた場所を、それは愛したものでした。
いまは、旅をすることはまれになりました。 答を、すくなくとも答のある方向を見つけたので。 それは外へ、外へという方向ではなかったのです。
そんなふうに、過去とちがう自分がいます。 この世的なものに、あまり執着がなくなってしまったともいえます。
ただ、かつて自分の好きだったものにはやはり特別な想いがあります。 懐かしさといってもいいかもしれません。 いまわの際に、人は走馬灯のように生涯をふりかえるそうですが、 そんな時に感じるであろう、愛惜にも近い懐かしさ。 地上で愛したものへのかぎりない懐かしさ。
そんなことを、ぽつりぽつりと書いていきたいと思います・・・
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