オルガン・カンタービレ - 2008年11月19日(水) 今日はパイプオルガン奏者後藤香織さんのバースデイコンサートに行って参りました。 家を出たのは夕方。もう日が落ちかけていた。 とっても空がきれいでした。思わずパチリ。 まず桜木町駅で降りて、ある場所を通りたかった。 しかし……すっかり暗くなった桜木町。風もビュービュー。 すぐに挫折しそうになりました。寒い!!! ナメていた。こんなに寒いとは……セーター着てもおかしくなかったよ、今日は。 でももう、しょうがない、多分たいした距離じゃないし、と半ばやけくそでずんずん歩く。 やはりこのあたりは、歴史のありそうな美しい建物が多いです。 素敵だなと思いながらも足早に通り過ぎました……寒くて。 そして割とすぐにお目当ての建物にたどり着いた。 それはカサデアンジェラという、教会というか結婚式場ですね。 泉谷さんが後藤香織さんと初共演した場所です。 夜になってすでに閉まってましたが、表と中の階段にもイルミネーションが。 きれいでした。中に入る機会がいつかあるといいな……結婚はしないと思うけど(笑)、コンサートとか。 で、この後もう一ヶ所行きたかったんですが、もうとにかく寒くて、おなかもすいてるし、とりあえずなんか食おう、てことで歩きながら探すんだけど、ファーストフードの店が全然ない。 ああ、この通りはそういう店ないんだな、会社が多いし、と思って山下公園の方へ行ってみても、いっこうににぎやかにならない(笑) やっと見つけたエクセルシオールカフェに入って、ホッとした。 食事終えて、でも現在位置がよくわからず、地図で確認して歩き出したら、神奈川県民ホールはすぐそば、というかその隣の建物にいたらしい(笑) またやっちゃったよー、地図が広域過ぎて失敗した。 しかも夜って方向感覚が狂う。迷わなくて良かったけど。 てことで前置きが長くなりましたが、ホールに無事到着。 今日のコンサートは、後藤香織さんの30才記念コンサートってことで。 後藤さんは泉谷さんと共演して、それで知りました。 このコンサートも、いつだったかチラシをもらった。 なかなか、本物のパイプオルガンを聴く機会って少ないし、それが海外で賞をもらったりしてる後藤さんの演奏で聴けるなら、と思いまして。 それでもチケット買ったのは最近。都合がつくかわからなかったのでね。 小ホールはこじんまりしてますが、ステージ正面にドーンとパイプオルガンが壁を埋め尽くすように。 そしてステージ上には、香織さんへのたくさんの花が飾られた。 開演時間になり後藤さんが登場。 まずボエルマンという人の「祈り」という曲をオルガンで。 最初は抑え目の音で、静かに始まりました。 ステージが暗くなってパイプオルガンに照明が当てられると急に厳粛な雰囲気になりますね。ライトが必要なのは手元だけですからね。 続いてバッハの「トッカータとフーガ」、超有名曲。 パイプオルガンと言えばこれでしょう。やっとパイプオルガンを聴いてる気持ちになりました(笑) これこれ、この音、っていう。大迫力! 足もかなり忙しい曲。でも後藤さんさすがでした。落ち着いた演奏、貫禄さえあります。 これ本物のパイプオルガンで聴けて良かった。これだけでも来た甲斐あったな、と思いましたよ。 その後は、声楽の方が出て来てミュージカルの曲をやったり。 この時は後藤さんはピアノを弾いてました。やっぱりどっちも弾けるんですね……当たり前か。 そしてオルガンとバイオリンの曲、ラインベルガーの「テーマと変奏曲」とか。オルガンとバイオリン用の曲って珍しいらしいです。 それと現代音楽も。ケージの「沈黙」、初めて聴きました!(笑) 演奏しないで止まってるだけ。本来は4分33秒なんですかね、今回は短かったです。 そしてボヴェ「サラマンカ」、これは後藤さんが言うほどドン引きするような曲じゃなかったです……私はヘンな曲ばかり聴いててマヒしてるのかも(笑) ここでガラッと変わって葉加瀬太郎の「情熱大陸のテーマ」を宮田東子さんのバイオリンとピアノで。そして前半最後はオペラ、マスカーニの「アヴェマリア」で締めました。 10分の休憩が入り、後半はまず日本の四季、ということで日本の童謡などをメドレーで。 なんと、後藤さんとソプラノの方が浴衣を着て登場! 浴衣でパイプオルガン弾く人は初めて見ました(笑) でも意外に、オルガンと日本の曲は合っててね。歌もうまくて良かったです。 最後の「からたちの花」に感動。 ソプラノは梅田智容美さんって人だったんだと思います……でも写真と本人が違いすぎて自信ないです(^ ^; 次に連弾シリーズ、まずピアノでリストの「ラ・カンパネラ」、オルガンでメルケルの「ソナタ」。オルガンの連弾も貴重かも。足が大変なことになっていた(笑) ジャズの曲としてガーシュインの「サマータイム」、歌はアルトの岩本久美さん。彼女の声も良かった、この曲に似合ってた。 でタンゴ、ピアソラのブエノスアイレスの春〜冬。全部やったらこれが結構長かった。楽しかったけどね、私はピアソラ好きだし。でもバイオリンで表現するのって難しそうだったな。 でオルガンらしく教会音楽、声楽の方たちの合唱でピネスキの「アメイジング・グレイス」とハーフォードの「連祷」、この連祷が個人的に気に入りました。流れるような構造の曲で美しかった。 プログラムの最後のジャンルは、フォークロック。 まさか、もしかして、と思ったら……泉谷しげる、ご本人登場!!! これは……私も予想してなかったですよ。皆さんも驚いてたけど。 花束を持って現れ、それを後藤さんに放り投げて渡しました(笑) でまあ、いつものようにトークして盛り上げた後、マイクなしの生歌でまず「春夏秋冬」。後藤さんのピアノと、長岡聡季さんのバイオリンとのセッション。声が届くようにステージの一番前ギリギリに立って歌ってた。 そして本物のパイプオルガンでの「頭上の脅威」! 嬉しかったなぁこれは。泉谷さんはギター弾かず、高いキーのメロディを熱唱。荒々しいんだけど、これが泉谷さんらしい"祈り"なのかなって…… グッときちゃいました。放送された時のアレンジとはまた違ってた気がします。聴きやすくなってたな。バイオリンも入ってたけど。 いやー、いいものが聴けた。ホントに超特大サプライズでした、私にとっては(笑) ドキドキしちゃったよ、心臓に悪い(笑) これで泉谷さんは退場し、最後の最後に他の皆さんがケーキとともに登場してハッピーバースデイを歌って、これが30曲目でした。 ということで、9時半までかかって長いコンサートが終了。 いろんなジャンルを網羅した欲張りなコンサートでした。 後藤さんは出ずっぱり。こういうパワフルな人だからこそ泉谷さんと渡り合えるんですね(笑) たくさんお色直しもして、その間に仲間がトークでつないだり、客席から譜めくりの人が登場したりとか(笑) 手作り感いっぱいで、どちらかと言うとライブハウスとかの方が似合うノリだな、と思いますが、そうするとオルガンがないしね。場所が難しいですね、なかなか。 でもこういう、ジャンルを超えたコンサートは、どんどんやってもらいたいと思います。そして若い人にもっと聴いてもらいたい。今回はかなり聴衆の年齢層高めでしたけど。 童謡なんかは子供たちに聴かせたいなーと思ったり。子供は好きだと思いますよ、パイプオルガン。カッコイイもんね、デッカイしボタンとかたくさんついてるし(笑) あ、ステージ上の一番大きな花が、泉谷さんからの花でした。 泉谷さん登場の直前に、後藤さんがこの札?をぶっ刺した。だから斜めになってますけど(笑) 徹底して、隠してましたね。 帰りも頭上の脅威が頭の中にずっと流れてました。 関内駅に向かって、きれいなイルミネーションの通りをずんずんと歩いていたら、ZAIMの前を通りかかった! そう、ここにも来たかったんです。泉谷さんがロケしたり、後藤さんと出会ったのも確かココのカフェでしたね。 良かった、見られた。中には入ってませんけどね。素敵な建物でした。 ということで、後藤香織+泉谷しげる+プチ夜の横浜散歩+寒波、という一日でした。 -
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