Why Can't I Be You?...なあぼ

 

 

モルゴーア・クァルテット Live - 2001年03月21日(水)

モルゴーアの演奏会。タイトルが「クァルテットの20世紀Vol.1」。
トッパンホールの企画の一つということですね。

この日の演奏会は、特別なコンサートでした。
セカンド・ヴァイオリンの青木高志さんが、脱退することが決まっていたのです。
私はモルゴーアのファンのホームページで知りました。

トッパンホールは初めて行くので、無事たどり着くか心配だった。
江戸川橋の駅を降りて、地図の通り歩いてもなかなかそれらしき建物が見えない。
夜だし、方向感覚も鈍るので焦ったけどなんとか着きました。

中に入るととても小ぢんまりとしたキレイなホール。
小さなホールなので段差はなく、後ろの方の人は少し観づらいかも。
私は2列目の少し右側でした。よく見えました。

最初の曲はウェーベルン「弦楽四重奏のための5つの楽章 作品5」。
これが・・・音の数が少なくて、とても緊張感がありました。
ていうか聴いてて緊張するんです。音たてちゃいけない、とか思うと。
モルゴーアの演奏会は、和やかなものというよりも、空気が張り詰めていて、緊迫した雰囲気があるんです。4人の気合が伝わってくる感じ。
ただでさえ、緊張感を持って聴いてしまうのに、この曲はさらにドキドキしてしまい非常に疲れた。聴く側がそんなに堅くなる必要はないのですが、つい・・・

次のリゲティ「弦楽四重奏第1番 夜の変容」は、前に定期演奏会でやった曲。
私が初めてモルゴーアを聴きに行って、1曲目を聞き逃しギリギリで会場に入って聴いたのがこの曲で、とても面白かった印象がありました。

2回目で少し聴き覚えはあった。やはり面白い曲です。
どこが、と言われると、、、うーん。うまく言えない。
聴いてると面白いんですけど、後から思い出せない曲なんです。スイマセン。
いつか、これが入ったCDを手に入れたい。

休憩挟んでショスタコーヴィチ9番。
1月の定期、2月のオールショスタコと、15番を2度聴いて、難しく感じていたので、今回の9番はずっと聴き易く感じた。
ショスタコーヴィチさんて、気難しく重苦しい雰囲気の中に、なぜかちょっと滑稽なフレーズが出て来たりする。妙な愛嬌がありますね。
しかしやっぱり偏屈だ。偏屈な頑固ジジイって感じ。

青木さんが最後ということもあってか、いつになく熱のこもった演奏だったように思った。素晴らしいショスタコーヴィチでした。

アンコール、1曲目はピアソラの曲。難しそう、ちょっとノリがいまひとつ?

2曲目はヒンデミット、これが変わっていた。
青木さんとヴィオラの小野さんが、ステージからいなくなってしまった。
荒井さんが、二人は準備がありますので、なんて説明していて、チェロ藤森さんはなぜかニヤニヤ笑っている。モルゴーアでこんな風に笑ってるのは初めて見たぞ。

私は前の方の席にいて最初気付かなかったけど、なんか後ろから音がするなと思ったら、なんと青木さんは客席の左側の扉のそば、小野さんは右側扉のそばで立って弾いていました。そういうことだったんですね。
天然サラウンドって感じで面白い響きでした。こういう風に弾けって指定されてる曲なのかな・・・?

そして、拍手は鳴り止まず、もう1曲。
モルゴーアはショスタコーヴィチの曲でCDを3枚出しているが、その他に「ディストラクション」という、レッド・ツェッペリンやイエスやキング・クリムゾンの曲を弦楽四重奏用に編曲した曲や、吉松隆さんの曲を収録したCDを出している。
これがめちゃくちゃかっこいいのだ。

これが出た時に記念でライブをなんとライブハウスで行ったらしいのだが、その時は私はモルゴーアの存在は全く知らなかった。
モルゴーアの定期もまだ2回しか観ていず、ディストラクションの曲はまだ1度もコンサートで聴いていなかったので、定期のアンケートには「ディストラクション」からやって欲しい、としつこく書いた。
ファンのホームページの掲示板にも、聴きたいと書き込んだ。
その時はファン同志で意見が一致して、盛り上がっていた。
誰かがそれを見たら、もしかしたらやってくれるかも、と期待していたのだ。

そしたら、とうとうやってくれましたっ!!
荒井さん曰く、「このCDの熱狂的ファンが一部にいまして・・・」
一部じゃなくてたくさんいるよ、きっと。
曲は吉松隆さんの「アトム・ハーツ・クラブ・クァルテット」から1曲目。
もううれしくてうれしくて、ドキドキしながら聴いていた。
生で聴くアトム・ハーツ、難しそうだった。
ていうか、それまでショスタコとか弾いてもうクタクタだっただろうな。
それで最後にあの曲はかなりハードだったと思われます。

青木さんの、最後の最後だ(別に演奏活動辞める訳じゃないけど)と思うと余計感無量で・・・うれしさと同時に切なくなりました。

こうして熱いライブが終了。青木さんはモルゴーア卒業です。
帰り道、すっごく悲しくなってしまった。泣きたいぐらいでした。
これからも青木さんを応援しよう、と心に誓いました。
もちろん、モルゴーアも。

この日のコンサートは、きっとこれから先もずっと忘れられないものになるだろう。
モルゴーアよ、感動をありがとう!!!




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