人を好きになるって 誰かを好きになるって
一体どんなことなんだろう
今はもうあの時のように 何もかも解らなくなるほど自分を見失ったりしないし
道を誤ったりしない 誰かを無意味に傷つけるような事も多分しない
その代わり
自制できない程夢中にもなれなくなった
相手をどんなに困らせても どうしても 声が聞きたいとか 顔が見たいとか
構われたくて 触って欲しくて 側にいたくて 会えない時に 思い出すだけで涙が出たのに
皆と遊んで沢山笑ったあと 瞬きするほど短い時間 あの人が涼しい眼に戻るのを 見るのが好きだった
それが 笑う顔を見るより何倍も嬉しかった
あの低い声も 細い指も 今はきっと消えてしまっているのだろう
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