朝陽のあたる部屋で目が覚めて、横には起きない彼。
ひとりで朝ご飯を身体に詰め込んで、いつもの玄関を出る。
毎朝同じくり返しを、同じである事を確認しながらこなして行く。
漠然とした幸せ。毎日同じであることの安心感は、ゆるく心を満たす。
だけど、それはいつも、6分目ほど溜まると、身体に開いた全ての穴から
どぼどぼとこぼれて行って、夜になるとやっぱり空っぽの私が残る。
空っぽの私は、家に着いてご飯を炊いて、お風呂で身体をふやかしてから、
頭がからっぽのまま眠る。
幸せを垂れ流す心の穴。それを埋めるものが欲しい。
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