森の道から - 2001年05月14日(月) うちに毎年のように置いていかれる仔犬の母はあの子ではないかしらん?と 思っている犬がいる。 もう5年ぐらい前からだけど、森のあたりでよく見かける。17、8キロと いうところだろうか、結構大きい茶色の犬だ。メスでしょっちゅう(あ、赤 ちゃんが生まれたんだなぁ)という姿をしている。 小学生の女の子の自転車について走っていることが多いから、(飼い犬なの だ)とわかった。実際自転車の子に尋ねたら、(うん、うちの犬)と答えた。 その茶色の子が、森の猫たちのごはんを食べにくる。知らないオスと一緒の ことが多い。最近では、事故にあったらしい少し足を引きずっているオス犬 が一緒だ。 猫のごはんを食べてしまうのは困るけれど、その子たちの姿を見るとホッ と安心する。私の住まいのあるこの地域では、あろうことか平気で飼い犬を 捨てたり保健所に渡す人が多いのを知ってるからだ。 ところがここ最近、その子たちの姿が見えない。猫のごはんも残っているか ら、森にきてないということだ。 心配でならない。 そしたら夕べ、夢に出てきた。メスの方の子が、森で猫にごはんをやってい ると、道に立ってこっちをのぞいている夢だ。 目が醒めたとき、(あの子は死んだんだ。挨拶にきてくれた・・・)と思っ た。 これまでも何度もあった。たいてい飼い犬なのにえさもあまりもらえず、た だ放っておかれて、森にごはんを食べにきた。そしていつしか姿が消える。 夢に現れた。どの子も、そおっとこっちを見て、私が振り向くと消えた。 それっきり二度と会えなかった。 人間は、何が欲しいのだろう? 私は本当に何も欲しくない。慈しんでいるものたちが無事で安心して生きて いてくれれば。・・・だがこの私の欲しいものも貪欲の表れなのだろうか。 -
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