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2002年08月28日(水) 天国の父から届いた意外な贈り物(写真有り)

「光陰矢のごとし」とは良く言ったものです。
早いもので父が亡くなってから2年半が経ちました。

その2年半の間に変わったことといえば、
父の遺品の殆どが我が家から姿を消した
ことでした。
洋服から始まり仕事で使っていた道具や
書類等、父の使っていたものの殆どを
人にあげたり、捨ててしまいました。

父は戦後の物のない時代を生きてきた
だけあって物を捨てられない性格の人でした。
父の部屋は、いつも、いろんな人から
貰い集めた物で溢れていました。

しかし、父がいなくなった今となっては
そんな品々を、いつまでも残しておいても
しょうがないとの判断から、父の遺品の
殆どを捨ててしまったわけですが、本音を
言えば、父との思い出の品が家の中から
消えていくさまは寂しくもあります。

今現在、残ったものは僅かばかりの
遺品と写真だけ。

・・・のはずでした。

ところが、最近になって思わぬところに
父の残した遺品?があることに気付きました。

それに気がついたのは
今年の春頃のことでした。

ある日、ベランダの植木の1つに
今まで見たこともない不思議な木
が生えていることに気付きました。

「一体この木はなんなんだろう?」

最初こそ、不思議に思って気になって
はいたものの時の流れと共にその木の
存在の事はすっかり忘れてしまいました。

・・・それから、数ヶ月たった
7月のある日のこと。

洗濯物を取り込む時に何気なく下に視線を
写すと、例の木がより一層大きく成長して、
小さな赤い実のようなものをつけていたんです。

「ゲゲッ!!これは一体何?」

目を凝らして、その小さな実を
よ〜く見ると、それはなんと!!
唐辛子の実』だったのです。

「この木は唐辛子の木だったのか」
ようやくこの不思議な木の正体が
唐辛子だった事に気がつきました。

でも一体なんでこんな所に唐辛子の
木が生えてきたんだろう?

私は唐辛子の木の謎を探るべく、
過去の出来事を思い返してみる
ことにしました。

・・・すると、その疑問の答えは、
すぐに見つけることが出来ました。

「こんな所に唐辛子の木が生えるだ
 なんて父の仕業としか思えない」

私は、この唐辛子の木を見て
生きていた頃の父の行動を
思い出しました。

生前の父は料理を作るのが何よりも
好きでした。
実際、料理の味も母の作る料理より
数段美味しいのです。

そんな父は生前、ベランダに唐辛子を
ぶら下げて乾していたことがありました。

生の唐辛子をカラカラに乾燥させて
料理に使うためです。

しかしながら父の死後は、ベランダに
ぶら下げておいた、その唐辛子は
誰にも使われることもなくなり、
1年中風雨にさらされていたこともあり、
いつのまにか跡形もなく、無くなっていました。

私自身、父の死後は生前に父が
ベランダに唐辛子を吊るしていた
こと自体、すっかり忘れていました。

ところが今年の春から夏にかけて、
私はベランダで唐辛子の木が成長
して実をつけるという思いもかけ
ない光景を目撃する事になったのです。

その原因は、ただひとつ。

生前に父がぶら下げていた唐辛子の
種が風で飛んで偶然、植木の中に
落ちたとしか考えられないんです。

大袈裟な言い方だけど、私の中で
全ての謎が解けました。
・・・と同時に、この唐辛子の
木から物凄い父の存在を感じました。

生前、父がベランダに唐辛子を乾して
いなければ、今、こうしてベランダで
唐辛子の木がなってることもないわけで、
その事を考えると、この唐辛子の木は
私にとって父がくれたプレゼントの
ような気がしてならないのです。



■八月に入り唐辛子の木は■
丸々と大きな実をつけました。



この唐辛子の木を見ていると、

「外食、ばっかしてないで、
 たまには自分で料理を作れよ!!」

父から、そう言われている
ようでしかたがありません。


今度、暇な時にでも、この唐辛子を
使って麻婆豆腐でも作ってみようと
思います(笑)


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