Onry Me
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2001年11月27日(火) 難しい?老人介護と老人ホームの勧め。

久しぶりに高校時代の友人と飲みました。

この友人。
今は老人ホームで介護の仕事をしている
のですが、その事で私が何気なく

「毎日お年寄りをお風呂に入れたり
 シモの世話をするのって大変でしょ?」

って聞いたら、友人は

「もう慣れたから全然大変じゃないよ。
 それに今はウ●コの処理をした後に
 平気でカレーとか食べれるしね(笑)」

っと笑顔でさらりと言ってたんです。

その発言を聞いて私、何って愚かな質問を
したんだと自分で自分が恥ずかしくなって
しまいました。

そもそも、嫌だとか大変だとか思いながら
仕事をしていたんじゃとてもじゃないけど
老人介護の仕事は勤まらないらしいのです。

でも、やっぱこの友人は凄いなぁって
感心してしまいました。

もし私だったら仕事とは言え、きっと他人の
シモの世話まで出来ないような気がするんです。

私が20歳の時に母方の祖父が脳梗塞で
倒れて一命は取り留めたものの半身不随
になってしまったんです。

その後、病院から退院してきてからの、祖父の
世話は言葉では言い表せないくらい大変なものでした。

祖父は体の半分が完全に麻痺している為、
歩く事は勿論、食事をするのもトイレに
行くのも一人では出来ない体になって
しまっていたのです。

祖母では祖父を抱きかかえる程の力が無い為
当時は何をするにも父か私のどちらかが常に
祖父の事を抱きかかえてあげないと何も出来
ない状態でした。

中でもやはりトイレに関してが一番大変でした。
祖父がトイレで用をたす間中、ずっと誰かが
祖父を支えてあげなければならなかったのです。

祖父が排便をしている間は、私は極力祖父の方を
見ないようにしていたのですが祖父も、さすがに
孫の見ている前で排便をする事に抵抗があるらしく、
思うように便を出す事が出来ないでいました。

この頃の祖父の口癖は
「厄介な病気になったもんだ」
とか
「もう死にたいから殺してくれ」
だとか、
家族に対して
「申し訳ない」と繰り返す毎日でした。

そんな祖父に対し家族はみんな
「気にしないでいいから早く病気を治そうよ」
などと声をかけていました。

でも実際は私を始め家族は皆、祖父の介護が
一ヶ月、二ヶ月と続くに従って精神的に参って
いきました。

特に祖母などは朝だろうが昼だろうが
夜だろうが夜中だろうが常に、祖父の
側を離れずに介護に明け暮れる毎日でした。

結局祖父はその後、病院に再入院したんですが
その病院で亡くなりました。

正直、老人介護がここまで大変だとは
私自身思いもしませんでした。

だから、最初に書いたように友人に
大変でしょう?って聞いてしまったんです。

以前、私と姉と母との会話の中で、
母が年をとって寝たきりになったり
したらどうする?
って会話を冗談半分でした事があったのですが、

姉は
「私は将来旦那の実家の両親の面倒を
見ないといけないから母の面倒は見れない」
などと、言い

私は私で
「・・・大丈夫。俺が責任持って姥捨て山に
 連れて行ってあげるから(笑)」

等と冗談で言ったりしていたのですけど、
そんな親不孝な娘と息子に向かって母は
「あぁ〜そうかい、そうかい!!
 あんたらは冷たいねぇ。
 安心してください。
 誰の世話にもなりませんから。
 お母さんは老人ホームで優雅に暮らします!!」

などと、これまた冗談で言ってました。

・・・でも、
この発言って意外と母の本音だと思うんです。
老人介護の大変さは母も祖父のことで分かって
ると思うから。

核家族化が進んでいる現代で少人数で老人を
介護する行為がいかに大変かを私達家族は
嫌というほど味わいました。

家族愛。夫婦愛。親子愛。
そこにどんなに愛情があったって、それだけでは
老人介護って乗り越えられない部分があるんです。

介護する側は次第に精神的に疲れていくし
介護される側はそんな家族に対して申し訳ない
との思いを抱き続ける毎日なんです。

介護する側とされる側とでお互いに気を
使いあって暮らすくらいなら、私は老人ホームで
余生を暮らすっていうのもアリだと思うんです。

私自身将来年を取ったら、もし子供がいても
子供の世話にはなりたくないと思うだろうし、
老人ホームに入った方が気楽で良いと思うんです。

やっぱり親として
息子や娘に迷惑はかけられないって気持ちが
あると思うんですよね。

高齢化社会の現代で老人の一人暮らしが増えて
いるのもそんな親としての気持ちが心の中に
あるからだと思うんです。

でも、毎年必ず
「一人暮らしの老人が死後何ヶ月で発見されました。」
なんてニュースが報道されてますが、このような
出来事は本当にとても悲しい事だと思います。

せっかく70年間、80年間と長生きしてきたっていうのに、
最後は誰にも見取られることなく孤独に一人
で死んでいく老人達は一体何を思い死んでいったのか?
その事を考えると、暗い気分になってきます。

結局、子供に世話になりたくないと思っても
お金が無ければ老人ホームにも入れないんですよね。

ホテルのような老人ホームで優雅に暮らしている
老人もいるかと思えば、小さなアパートで食べるものも
食べられず孤独に死んでいく老人もいるわけで・・・。
それが今の老人を取り巻く現実みたいです。


残念ながらやっぱり世の中お金なんですよね。



なにはともあれ、笑顔で老人介護の仕事をしている
友人はやっぱり凄いと思う。


パンチョ |MAIL

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