Onry Me
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2001年10月31日(水) 差別する人、される人

今日の朝、私の家の前の道路にて久々に
不愉快な現場を目撃してしまいました。

朝、八時過ぎ私が外に出ると、ちょうどゴミ
収集車が来てゴミの回収作業を行っていました。

そんな中、作業をしている作業員の前を中学生と思われる
男子2人連れが通りかろうとしていました。

そして、2人の中学生がちょうど回収作業をしてる最中の
作業員の前を通りかかった時、作業員が手にしていたゴミ
袋が破れていたみたいで中に入っていた生ゴミと思われる
汁が地面に飛び散ったんです。

その時2人の中学生はあろうことか、作業員の目の前で

「うわ〜汚ねぇ〜!」

とか

「臭せ〜〜!!」

などと作業員を小バカにするような事を叫びながら
通り過ぎていったんです。

私は彼らの言葉を聞いたその瞬間、久々に心の底から
腹が立ちました。

一体彼等は何様のつもりなんでしょうか?

その汚いゴミを誰が出したと思ってるんでしょう?

誰のおかげで快適な生活を送れると思ってるんでしょう?

真面目に働いてる作業員の前でどうしてこんな
ヒドイ事が言えるんだろうか・・・。

彼らが小学生の低学年とかならまだ解らないでも
ありませんが彼らはもう中学生でした。

中学生にもなれば言っていい事と悪い事くらいの
区別は付く筈です。


・・・最近人の痛みを知らない子供が多いような気が
してなりません。

彼らのこのような差別的な発言は間違えなく
親の教育がなってないからだと思う。

もし自分に息子がいてこんな事を言ったとしたら
間違えなく私はひっぱたくことでしょう。

でも、もしかしたら、その場で注意しなかった
私も含めて彼らのような子供が増えているのは
社会全体の責任なのかも知れません。

・・・しかしながら実際の話、このような差別的な
発言や考え方って子供に限らず、大人社会でも、
日常的にあるんです。

以前、テレビで若い女のアナウンサーがホームレスの
方の取材をしているのを見たことがあるのですが、
その時のアナウンサーのホームレスに対する接し方が
酷かった。

まだ入社して間もない新入社員と思われるその女性の
アナウンサーは親子程も離れたそのホームレスの方に
対してあろうことか、ため口で話をしていたのです。

「おじさんはいつからホームレスをしてるの?」
「仕事はしないの?」
「家族はいないのぉ?」
「辛い事とかある?」

その時の状況を文字にして書くのも難しいのですが
とにかくそのアナウンサーの女性のホームレスの男性に
接する態度は明らかに普通の人と接する態度とは異なり
自分より格下の人間を相手にしているような人をバカに
したような態度で話をしていました。

・・・このアナウンサー。

仮に、総理大臣と話をする時も同じような口調で話を
するのでしょうか?

大企業の社長と話をする時も同じような話し方を
するんだろうか?

・・・きっとそれはありえないことでしょう。

社会的に立場の偉い人と接する時は間違えなく
敬語をつかい緊張するはずです。

それなのに親子程も年齢の離れたホームレスのおじさんに
話し掛ける時はどうしてため口になったんでしょうか?

・・・少なからず彼女が日常的にホームレスに
対してバカにした考えをもっているからだと思う。




私がまだ二十代前半の時、父の仕事の手伝いで、
秋葉原にある廃墟と化した雑居ビル内の清掃作業
をした事がありました。

汚れた雑居ビルの内部は以前、そこに入っていた企業の
残したダンボール箱が山済みになっていました。

私が大量の段ボール箱を全部つぶしてまとめていた時
ビルの前をリヤカーを引いてダンボールを集めている
ホームレスのおじさんが通りかかりました。

そのおじさんは目の前に積まれたダンボールの山を見て
父に是非譲ってくれないかと頭を下げて来ました。

もちろん断る理由はまったくないので、そのおじさん
にダンボールを処分してもらう事にしたんですけど、
その時の、ホームレスに対する父の態度が驚くほど
丁寧だったんです。

父の態度は普通の人と接するのとまったく同じでした。

ダンボールの量があまりに多かった為、おじさんも
リヤカーを引いて行ったり来たりと半日がかりの
作業になってしまったんですが、その間も父は気を
使ってジュースを買ってあげたり、昼食時などは弁当
を買ってあげたりと私自身、驚くほど普通に接して
いたんです。

その光景を目撃して私自身改めて、どんな立場の
人であっても敬意をもって接することの大切さを
父から学んだような気がします。

しかしながら、そんなことを言っても実際は私自身、
父ほど人間が出来ていないので、無意識のうちに彼
らを少なからず差別してる事があるのもまた事実な
ような気がします。

でもホームレスの方々もなりたくてなったわけでは
ないはずです。
彼らの大部分は仕事をしたくても仕事がない
社会的弱者なんです。



失業率が5.3%に達しても、政治家は景気対策に
全力を尽くすと繰り返し言うだけの毎日・・・。

でも、彼らは本気で景気を回復させようなんて
これっぽっちも思ってないはずです。

なぜなら、彼らの地位は景気が良かろうが
悪かろうが安泰だから・・・

それに年間数千万円もの給料を貰っている彼らに社会の
底辺で苦しみながら生きている社会的弱者のことなど
関係ない別世界の事なんです。

年間7千人以上の人が苦しく辛い思いで自殺してる現代の
日本にあっても、彼らの心は痛まない筈です。

・・・なぜなら彼らにとって自殺者は間違いなく
他人だから・・・。

別世界の人間が生きようが死のうが
彼らの心は一切痛まないんだと思う。

今の日本を動かしているエリート連中はみんな
人の痛みが解らないんじゃないでしょうか?

・・・だって、
その地位につくまでに学歴社会の中の競争で
人のことを散々蹴落として来たに違いないから。



私は常々、日常生活において外見だけでしか人を判断出来
ない方々とはあまり係わり合いを持ちたくないと思っています。

かといって今時、人の内面を見てくれる人がどれほど
いるのかと言うと、もしかしたらそんな人、数える程
しかいないかも知れないけど・・・。


口では奇麗事を言っても所詮誰しも
地位と名誉と金が欲しいのかも知れない。

以前、ある金持ちが愛も金で買えるんだって
豪語してるのを聞いた事があるけど、それも
あながち嘘じゃないのかも知れません。

でも、そんな愛情、「金の切れ目が縁の切れ目」
なんて言葉があるけど何かあったら壊れて消え去る
はかない物なんでしょうけど・・・。


これだけ物があふれてる今の世の中において
人の心は逆にどんどん貧しくなってるような
気がしてならない。

・・・なんとも、寂しい世の中になったものです。



人間、誰しも一人では生きてるわけじゃない筈です。
いろんな人がこの社会を支えているんです。

いろんな人がいるからこそこの世の中は
面白いんだと思うのです。


・・・そういう風に考えると、いろんな職業の
人がいるのも当然だと思うし、どんな職業に
ついてる人であってもバカにすることなんて
出来ないはずなんです。

清掃作業員であろうと一流企業のサラリーマン
であろうと、働いてるって事に関しては違いは
ないんです。

職業で人を差別するのはおかしい事だと
私は常々思うんです。

でも、もしかしたらこんな事を思ってるのなんて
私くらいかもしれないけど・・・。

・・・とにかく職業で人を差別する人が
私は何よりも腹が立つ。


私は人の痛みを知らない一流の人生を歩まずに
人の痛みが解る三流の人生で本当に良かったと
思う。

今後自分自身、人に対する接し方がどう変わっていくか
なんて正直分からないけど、今の思いを大切にして生き
ていきたいと思っています。


パンチョ |MAIL

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