Onry Me
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2001年07月25日(水) 知らぬが仏

前回の日記に書いたクサレンジャーに関しても
そうなのですが、どうやら私は人を観察するのが
好きらしいです(笑)

特に電車に乗ってて何もする事がなかったりすると、
暇つぶしに周りの人達を見るとはなしに見てしまうようです。

そして以前にも、私が電車に乗ってた時にとても、
笑える出来事がありました。

それは去年の秋頃、私が電車に乗った時の事・・・、

夕方の帰宅ラッシュを前に比較的混雑していた車内
に私が乗り込むと奥のほうの、とある一角だけが
異常に空いていることに気付きました。
私は、何でそこだけ空いているんだろうと不思議に思い
人ごみを掻き分けて、空いている方へと向かいました。

・・・すると、
その一帯だけが何で空いていたのかが解りました。

私の視界に飛び込んできたのは、三人掛けの座席に横に
なって眠っているホームレスの人の姿が飛び込んで来ました。

年は恐らく60歳前後、
ボロボロになった服を身にまとい、
のび放題の髪と髭。
座席の前には大きなカバンが一つ置かれていました。

そして、何より酷かったのがその臭い。

もう普通に体臭が臭いとか、そういう
レベルではなくて、なんって表現したら
良いか解らないけど、公園にある公衆
トイレの汚れきった便器の臭いがしたのだ。
とにかく吐き気がするほどのアンモニア臭
のツンとした臭いが私の鼻をつきました。

・・・なるほど、これじゃ誰も近づかない訳です。
車内が混雑しているというのにそのホームレスの
周囲三メートル以内は誰も近寄らず、その光景は
まるであの

「モーゼの十戒」

の海が割れる壮大な
シーンを見ているかのような感じでした。

あまりに臭いが酷かったので
いっそ別の車両に移ろうか
とも思ったのですが、私が降りる
予定の駅がそう遠くはなかったんで
しばらく我慢する事にしました。

所が、そのホームレスは私が乗り込んで
2駅目で突然、のっそりと起きだしフラフラと
荷物を抱えてあっけなく降りてしまいました。

・・・しかし、彼が降りて車内には
平和が戻ったというのに何故か他の
乗客は混雑しているにも関わらず
ホームレスの寝ていた座席には
誰一人として座ろうとする人が
現れませんでした(笑)

まぁ、あの光景を目の当たりにして
座れる人の方が珍しいですけど・・・。

そして、電車は次の駅に停車して新たな
乗客が多数乗り込んできました。
・・・当然、座席が空いていれば
座ろうとする人が出てくるわけで・・・。

新たに乗り込んできた乗客が何の
ためらいもなくその座席に座りました。

しかも座ったのが・・・、


女子高生三人組!


私は、どうにも彼女達の事が気になってしまい、
彼女達の会話を聞くとはなしに聞いてしまいました。
・・・そしたら、彼女達はとても、面白い事を話し
ておりました。

混雑した車内で雑音も多く、全ての会話は聞こえず
詳しいことは解らなかったのですが、部分、部分
聞こえてくる会話の内容は以下のような物でした。

「・・・・えっ〜マヂ〜!!
チョーキモくない?それって!」
とか、
「・・・あたしは絶対ダメ〜」
とか
「・・・そんなにお風呂に入れなくって大丈夫なの?」
など・・・。

どうやら彼女達の中の1人が骨折した経験があるらしくその時
何日間も風呂に入らなかったといった会話をしていたようです。
そしてその後、会話は彼女達がいかに潔癖症であるかに
移行していきました。

「・・・ムリ、ムリ、絶対無理!」
とか
「・・・チョーキモくない?
 あたし、あいつ(恐らくクラスの嫌われ者の男子か先生?)
 に触られるくらいだったら死んだ方が絶対マシ!・・・」
とか
「・・・てゆうか、あたし電車のつり革も触れないし〜」

「あたしも〜、あたしも〜(同意する他の二人)」
など・・・、
どうやら、会話の内容から彼女達は相当な綺麗好きみたいです。


でも失礼ながら私・・・、
その会話を聞いていて笑いを堪えるのが大変でした。

そして、心の中で彼女達に向かって言いました。
「君達が綺麗好きなのは良く解ったけどさぁ・・・」
「その座席・・・、」




























「さっきまで
ホームレスが
寝てたよ!」










数分前の出来事など知る筈もない
彼女達はホームレスの寝てた座席
にどっかりと腰を下ろし、いかに
自分が潔癖症であるかを実に楽し
そうに話しておりました。


・・・「知らぬが仏」
って言葉があるけど、この時ほど
この言葉の意味を実感した事はありませんでした(笑)


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