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2001年07月20日(金) おばあちゃんの漬物

朝、目を覚ましたら、目の前に
ご飯と味噌汁が用意されています。
・・・もしそのような状況で
一品だけしかおかずを選べない
としたら、一体何を選びます?

まず、本命はなんと言っても
シャケかあじの開きでしょう。
宿泊費一万円程度の安旅館では
大体このどちらかが朝食の
主役を張っているしね。
それくらい彼らはポピュラーな
おかずなのです。

次に対抗として挙げられるのが
納豆や生卵、卵焼きといったシャケやアジと
比べるといかんせん地味な感じは否めないものの
これらも朝食には欠かすことの出来ない一品達です。
ただ、これらは結構好みが分かれる食品の為
場合によっては見向きも去れない場合があるのですが・・・。

そして、穴として登場するのが味付け海苔。
味付け海苔もまた朝食には欠かせない
定番アイテムの一つです。
しかし実は味付け海苔達は少々不幸な
人生を歩んでおりまして・・・
彼らは旅館の朝食には必ず出てくる
定番アイテムにもかかわらず、どういう訳か
大抵の人は袋から開けもせずにそのまま
食べずに残される運命にあるのです。
しかも海苔を食べてる人でさえ、ご飯には乗せず
そのままバリバリと口に放り込む始末・・・。
こんな食べ方をされる為に彼らも
生まれてきたんじゃないでしょうに・・・。

母なる海で生まれ、優しい漁師さんに育てられ、
工場で味をつけられて、袋詰され立派な姿に
なってみんなの前に登場したにも関わらず彼らの
多くは人々に見向きもされず食品衛生上の理由
からそのまま生ゴミ達と共に荼毘に付される運命
にあるのだ。

・・・なんってせつないんでしょう。

ご冥福をお祈りします。

・・・海苔さん。いつも空食いばかりしてゴメンネ!


そして、最後は大穴中の大穴!
お漬物。

漬物はおかずとして見れば地味すぎて
間違えなくメインは、はれません。
しかし、日本の朝食ではこれが無いと
何とも寂しい限りなのだ。
韓国人にはキムチが欠かせないように
日本人には漬物が欠かせないのです。

そして、私は朝食で一品だけおかずを
選ぶなら間違えなくこの漬物を選ぶ事でしょう。

とにかく漬物が大好き。
ご飯を食べつつ、
キュウリをパリポリ。
ダイコンカリカリ。
カブをコリコリ。
ナスをクチャクチャ。
どの漬物も実にご飯に良く合うのです。

丁度いい浸かり具合の漬物を食べた時の
あの感動は何物にも変えがたい程
嬉しくなるのです。

そして、実は私の祖母はぬか床をもっている為、
私はいつも新鮮なヌカ漬けを食べる事が出来るのです。

このおばあちゃんのヌカ漬けが実に旨いのです。
良く居酒屋などでも漬物を頼むんだけど
おばあちゃんの漬けるヌカ漬けに勝る
お漬物は今だかつて食べた事がありません。
それほど、祖母のヌカ漬けは美味しいのです。

ちなみにこのヌカ味噌は私が生まれる前から
ずっと漬けている物なので恐らくもう3、40年
は使い続けている年代物のヌカ床なのです。
ヌカ味噌は生き物と同じなので毎日かき混ぜないと
ダメなのですが、祖母は毎日毎日一日も欠かすこと
なくヌカ味噌をかき混ぜています。
だから、美味しいのかもしれません。
でも、毎日かき混ぜるのって予想以上に
大変みたいなんですよね。

以前父が、祖母の真似をして、一時期自分でヌカを
買って来てヌカ味噌作りにチャレンジしていましたが
結局毎日ヌカ味噌をかき混ぜる根気がなくヌカ味噌作り
が大失敗に終わった事がありました(笑)

そしてこの頃、我が家では小蝿が大発生するという
不気味な事件が起こったことがあったのですが、
実はその原因は父の放置したヌカ味噌にあったのです。
父がかき混ぜるのを長期に渡って忘れた結果
ヌカ味噌を入れてある壷の中は、いつのまにか
おびただしい数の小蝿で埋め尽くされておりました。

・・・思い出すだけでも鳥肌ものです。

やっぱり漬物作りはおばあちゃんの
右に出る人はいないみたいです。
私の祖母は現在77歳。
今後も健康で長生きして美味しい
お漬物を漬けて私に食べさせて下さいね(笑)

・・・でも、祖母が死んだら
このヌカ床はどうなるんでしょうかねぇ?
誰も漬けないんだろうなぁ・・・。


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