ク・クセになったらどうしよう・・・
痛いコトはわかってる。それがイヤで、なかなか彼の元に行けなかったのだから。。。 私は、恐怖と緊張で全身カチンコチン。 彼は、優しい言葉をかけながら、私の口に指を入れて探り始めた。 「うぅっ・・・」 苦しくて、反射的に唾を飲み込もうとした時、彼の指を噛んでしまいそうになる。 「苦しかったり痛かったりしたら言ってね」 彼は少しドキッとした様子だったが、優しい。 この人なら任せてもいいかも・・・・ なんて少し安心したけど、やっぱり痛いモンは痛い。 「ココかな?ココだね?一番奥だよ・・・どう?痛い?」 「あぐあぐ・・・うぅ・・」 痛いよぉっ(><。) と叫びたいくらいだったけど、彼の優しさに答えなきゃという思いと、今日こそはと決断して来たのだ。もう痛かろうがなんだろうがヤッちゃってもらわなきゃ困る。と言う気持ちで、痛みをグッとこらえる。 2、3回痛みでビクンッとしてしまったが、その度に彼は動きを止めて「痛かった?ごめんごめん」と優しい言葉をかけてくれる。 初めに「今日は時間かかるよ。覚悟してね」と言っていたが、思ったより早く終わった・・・ かと思ったが、思わぬ事件が起こってしまった。
前から、自分でも少し怪しいとは思っていたのだけど、友達の経験も聞いてはいたのだけれど、それが現実に自分に降りかかるコトになろうとは・・・
彼が、私の口から指を抜く。 私は口を閉じて、乾いた唇を潤そうとした・・・ がっ! 「あぅあぅあぅぅ・・・・」 言葉にならない。と言うより、言葉が発せられない。すがるような目で彼に訴えかける。 彼は慣れているのか、少しびっくりしているようだったが、冷静だ。 再び私の口に指を二本突っ込み、「こんなことは前にもあったの?」と聞く。 「あぅあぅ・・・」言葉が出ない上に、彼の指が口に入っていてしゃべれない。首を横に振る。 もしかして、ずっとこのまま?このまま病院行き?そんなの恥ずかしいよぉ(><)助けてぇぇ!! そんな不安が頭を巡る。 3回目のチャレンジでなんとか治った。 ほっ。
「顎関節症ですね」
あぅぅ・・・(;;) そう。顎が外れたのだ。
しかし、まだ終わってはいないのだ。こんな中途半端で止めるワケにはいかない。 彼は優しかった。 「あんまり無理して大きな口開けなくていいから。無理しない程度でなんとかやりましょう」 うぅ・・・先生・・・あなたに全てを預けます。 今まで、こんな素敵な先生に出逢ったことなかった。 痛みの恐怖も大きかったのだが、「もっと!もっと大きく開けてっ!!」と怒られるばかりだったので、ついつい足が遠ざかってたのよね。その間に、どんどんと症状は悪化していく一方。 とうとう奥歯の詰め物が取れて、激痛に耐えられずに歯医者に行くしかなくなったのだ。 仕方ない。素敵な先生に出逢ったことだし、しばらく通うことにしよう。
嗚呼、顎が外れるだなんて・・・ 初体験だわ。 とほほ。
あ、なんか変な想像しながら読んでませんでした?( ̄ー ̄)にやり
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