鍋をたたく...鍋男

 

 

いってらっしゃい - 2005年01月06日(木)

スティール・パワー・エクスパンデッドのダブルセコンド使い、まっちゃんがトリニダードに旅立った。エクスパンデッドのメンバーで、トリニダードに入るのは二人目だ。

トリニダードに行くに当たって、本人は不安だらけだと思う。
今までキュレップの関係者、生徒さん、お客さん等々、何人もの人にアドバイスを求められ、お答えしてきた。
出来るアドバイスはする。ここの旅行社が安いとか、ヒルトンでも水が出ないかも、とか。
個人で行く旅は何が起こっても自己責任で解決していかなければいけない。
旗についていけば安全に帰ってこれるツアーに参加するのではないのだ。
(もっともそんな他人任せのツアーに参加しても、得られるものは少ないと思うけど。)

 行く前に不安を少しでも取り除く。
 行ってから自分で安全を確かめつつ自由に動く。
この二つは矛盾するようで、合致する。

トリニダードに入ってしまえば、頼れるのは自分しかいない。何かしようと思えば自分で調べ、確認し、ぼったくられないように知識をつけ、行動するしかない。
予備知識としての、交通手段、物価、訛り、独特の国民性は教えれない事はない。でもそんな事を全部並べても、イメージが先行して生身のコミュニケーションがとれなければ意味がない。
とりあえず行ってみて、人と会い、だまされ、ぼったくられ、信頼され、友情を作りあげる。そこからすべては始まる。本人が開拓していかないといけない事は多々ある。

誤解のないように言うとトリニダード人は基本的に親切だ。
外国人に道を聞かれた時に「知らない」と言う人は少ない。自分の知っている知識の中で最大限答えてくれる。
「たしかあっちの方になんかあったよ」とか。いくら歩いても何もなかったりする。
これは日本人的には「ウソをつかれた」と思ってしまうのだが、そこは少しニュアンスが違う。
「そこの角まがった所の売店で聞いてみな」
って言われて、groceryが聞き取れない、もしくは意味がわからない、って事もあるだろう。なれないとあの訛りはなかなか聞き取れなかったりするのだ。角を曲がれば目標があると思っちゃう。そう信じている方が悪いのだけど、それに気づいていない。
そんなこんなで、トリニダードの人はうそつきだ、と思ってしまう人も多い。

そんな中で一人で生活していくのはただただしんどい。
世界中で自分一人だけが取り残されたような気分になったりする。
で、頼れるのは自分だけ。そこから這い上がってきた人は強い。


結局大事なのは「わたし」なんだろうね。私は何をする人なのか。何をしに来たのか。物事のプライオリティをどう組み立てているのか。「わたし」をしっかり持っていれば崩される事もない。
それはもう各個人によって違うのが当たり前。

ベースになるイメージはできるだけアドバイスするようにしている。その人が数週間、一ヶ月を超える滞在をするような時は、「わからない事は現地で聞きなさい」と言うようにしている。そこでウソを言われても、一つの経験として残るのだ。

日本語のしゃべる機会のない世界で、トリニダード人と同じものを喰い、同じサイクルで生活し、同じペースで練習し、同じ酒を飲んで笑い、同じ曲を聴いて感動する。そうしてるうちに「なんでこのカリプソの歌詞がこんなに受けるのか」が解るのだ。スティールバンドのグルーブが見えてくるのだ。

今まで何人かの長期滞在者を見守ってきた。確実にみんないい顔になって帰ってくる。これもまた楽しみである。


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