鍋をたたく...鍋男

 

 

DelMonte - 2004年12月07日(火)

むかーし
まだストリートとかでバンバンやってた頃
その日もパンケースを広げて投げ銭ライブをやっていた

ずっと見てくれていた女の子が一人
まだ小学校に入る前くらいの女の子は、お母さんと一緒に20分ほどのステージの間、ずっと見入ってくれていた

一通り演奏が終わり、楽器のケースにお客さんが投げ銭を入れてくれている
順番にお客さんに挨拶していると、お客さん達の後ろに見え隠れしているのは、さっきの女の子
「あげる」
と言って、持っているバナナの房を半分にわけてくれた
なんのこっちゃわかんないまんま、みょうに嬉しくて
「ありがとー、バナナ大好きやねん」
女の子はトコトコとお母さんの元へ
残りのバナナを大事にかかえて
「バナナあげてきた」

「あげる」って言ってくれたときの表情がなんとも優しくて
幕間にバナナ食べながら考えた

お母さんを引き留めてまで見ていた彼女は
とりあえず、気に入ってくれていたのだろう

投げ銭というシステムをお母さんに尋ねたのだろうか
もしかしたら、自分の持っている物の中で
大事な物を分けてくれたのかも知れない
だとしたら、これほど価値のある物もない

ありがたい

誰かに「ありがとう」と言ってもらえる事をして、お金をいただく
これが仕事なんだろう
誰かの役に立ってない仕事なんかない

ありがとうの連鎖が続くと平和だな

バナナに貼ってあったシールは今でも僕のパンに貼ってある
もう十年以上、僕と一緒に演奏をしてきたシールだ

投げ銭はおもしろい
実力がもろに出る

村治進一人鍋ツアー2005
投げ銭で回ります
delmonteのシールと一緒に



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