M - steel drum - 2001年08月25日(土) Material-Steel Drum 素材ードラム缶 スティールドラムというのは楽器辞典によると、楽器名、ドラム缶から作られたトリニダードの楽器、という事になっている。このスティールドラムという名前を定着せしめたのは、マイアミ在住のトリニダーディアンOthello Molineaux氏の、長年の演奏活動によるところも、かなりあると思われる。ただ、Steel Drumという英語はただ単にドラム缶という意味であり、それを転じて、この楽器をスティールドラム、つまり「ドラム缶」という名前で呼んでいるのである。英語の分かる人にはそれでいいが、普通の日本人なら、「スティールドラム?ふーん、鉄の太鼓ですか。うるさそうですね。ストンプみたいなやつですか?」という反応が返ってくるのはいなめない。 という事で、わたしはスティールパン、もしくはただ単にパン、という名前を使っている。鍋という意味が分かっているにしろいないにしろ、新しい楽器名としては、新しい単語を当てた方が、混乱が少なくていいのではないか。少なくとも太鼓と間違われる心配はない。 名前の話はおいといて、今回は素材のドラム缶(Steel Drum)の話。 ドラム缶は一応規格ものなのだけれど、日本規格の200Lものと、アメリカ規格のガロンもの(55ガロンだったかな)で、若干寸法が違う。また、きちんとした製造工程が義務づけられているわけでもないので、その形にもいくつかの種類がある。 形といっても、円筒形で、円の直径がだいたい58cm、高さ約90cm、胴の部分に二つの膨らみが入っていて、強度を作っている、という所はほとんど一緒。 若干の違いはリムの部分。 いくつかのパンを見ていると、リムの丸いタイプと、角いタイプとがあるのを見つけることがある。丸いのは三重巻、角いのは二重巻。三重巻の方が強い。ここで少し規格の話を先にしよう。 規格ってのがおもしろくて、あるようでないようで。 日本工業規格(JIS)ではなく、消防法での基準があるだけなのよね。 200Lのドラム缶の場合、 「何リットルの水を入れて、内圧んんkgをかけ、ほにゃらら度傾けた状態で、うんメートルの高さから落とした場合に、内容物が外にこぼれないこと」 というような、強度のテストの内容が決められているのだという。 「その場合のドラム缶は何ミリの鉄板を使用しなければならない」などという素材や製造方法に関する規定は無いそうだ。運送業者としては軽い方がいいわけで、ドラム缶の製造業者が薄い鉄板で強度の強いドラム缶を作ることに成功すれば、その業者はシェアをのばすことができる。ま、そういう競争はもう充分にやって、限界に来てるだろうけどね。 で、日本の企業は薄い方向にどんどん行っているかというと、逆に「100個テストして、100個合格しました、うちの商品は優秀です、安全です。」という方向に行っている。つまり、鉄板も余裕を持って厚め、リムも二重で大丈夫かも知れないけれど、三重巻。 アメリカその他のドラム缶は、向こうの基準(日本よりいくらかゆるいらしい)に合わせて作られているので、鉄板も巻も薄い物が多いようだ。 今日はここまで 次回は薄いのと厚いの、どっちがいいの?って話。 トリニダードでのインタビューを交えてお伝えします。 また来週。 ご意見ご感想を bbs に書き込んでくれはると嬉しいわぁ。 T(株)の田中部長、やっと書けました。その節は勉強させていただいてありがとうございました。こんな感じでいいですか? -
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