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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2011年03月19日(土) 経済への影響 日立製作所・ソニー・NEC・富士通・東芝・村田製作所・アルプス電気などなど、主要な電機メーカーの関東や東北の工場が被災して操業が止まっています。
材料で言えば、鹿島の製鉄所が止まっているし、大きく被災した釜石市には新日鉄の製鉄所がありますが、これも止まっています。この二つの工場は自動車用の鋼板を作っており、前述の電機メーカーの自動車部品製造が止まっていることもあって、トヨタやホンダの自動車生産が止まっています。
エチレンの生産が1/4ほど落ちてしまっているのも痛いはず。
ただこうした様々なことも復旧が進めば次第に解消していくでしょう。地震で止まった精油所も来週から4月にかけて稼働するようになるはず。そうなると一番痛いのはやっぱり電力不足になります。
東京電力は現在3,400万キロワット(KW)まで落ちている供給能力を、4月末までに4,000万KWまで戻す予定でいます。これで計画停電がいったん終了するわけですが、冷房需要がある夏場になると需要が6,000万KWを越えます。
暑くなったら現在より過酷な計画停電をやらざるを得ないでしょう。今回の計画停電では東京23区その他いろんなところが除外されていますが、夏場は千代田・港・中央の3区を除く20区でも実施だそうです。これが秋まで続きます。そして、冬場も5,000万KWは必要だというので、冬になったらまた停電が始まるわけです。
首都近辺がこんな状態で、いったいこの先日本の経済はどうなってしまうのか。震災前には景気回復がささやかれ、暑くなってくる頃には本格的に回復が始まるだろう・・そう皆が思っていたわけですけど、逆戻りは仕方ないですね。経済関係の報道をみれば、これで日本発の世界不況になることはないし、日本だって今年いっぱいには回復基調を取り戻すだろうとあります。結局景気回復が一年先に伸びた感じでしょうか。ボーナスは仕方ない諦めるにしても、その間に会社がつぶれなければいいんだけど。増税もあるだろうし。
原子炉に海水を注入したら廃炉になっちゃうので、できるだけそれは避けたかったという動機も見えてきます。でもそのせいで大変なことになってますけど。
ところで、事故の起こった発電所で作業している作業員については東電は公表していません。エキサイトの記事をたどって見つけたのが、The New York Times のこの記事。
Last Defense at Troubled Reactors: 50 Japanese Workers
http://www.nytimes.com/2011/03/16/world/asia/16workers.html
英雄扱いな記事ですが、中に作業員の被害についての記述があります。地震以来5人が死亡、22人が様々な理由で負傷し、2人が行方不明。ある作業員は、突然胸をかきむしって起立困難となって入院、別の作業員は破損した原子炉からの爆風を浴びて入院。3号炉の水素爆発で11人が負傷しています。こういう事実は国内では報道されていないのかもしれないし、されていたとしても目立っていません。(確かに、震災の莫大な死傷者数からすれば小さな数字ですが)。水素爆発の後、北澤防衛相が、安全だと言ったのに危険だったじゃないかと東電に食ってかかってましたが、たぶん公表されないだけで自衛隊にも被害が出ていたのでしょう。
信田先生がブログで、首都圏の住民全員が当事者の状態なのに皆が平静を装っているのは軽い解離が起きているからではないか、と書かれていますが、まさにそんな感じがします。
この雑記だって結構解離的なのでありますから。(そのことを自覚できているだけまだマシだ、と言って自分を慰めていよう)。
AAの仲間から「合同庁舎の近くを通るんだったら、これを持っていってくれ」と頼まれて、トイレットペーパー・ティッシュペーパー・おむつを渡されました。県が被災地向けの救援物資を集めているのだそうです。僕自身はちょこっと募金しただけで、献血も献品もしようという気がなかったのですが、まあこれくらいの簡単な運搬役務を断ったらいけないだろう、と引き受けました。
今日は自動車で実家に行ったのでだいぶガソリンを使ってしまいました。また明日は市内のスタンドを回らなくては。この時間がバカにならないんですよね。やれやれ。
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