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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2011年02月17日(木) 処方薬乱用とレセプト請求のオンライン化 おおっと、水曜日だというのに少年サンデーを買い忘れたまま帰宅してしまうなんて。忙しすぎるのか、それとも老化現象か。上着を脱がずにそのままコンビニまででかけ、サンデー片手に帰ってきたら、テレビのニュース番組で生活保護受給者が向精神薬を転売している問題を取り上げていました。
生活保護受給者の医療費は全額が公費で負担され、本人負担はありません。それは処方される薬の代金についても同じです。
このサイトをご覧の方なら、精神科の診療がどんなふうに行われているかご存じだと思います。問診が中心なので、患者の側が病気のふりをすれば(眠れないとか、気分が沈むとか訴えれば)それを詐病だと見抜くのは難しい・・と、テレビに登場したお医者さんが言っていました。(いや、実は難しくないのかもしれないが)
こうして手に入った無用な薬は、路上やネットを通じて販売されます。向精神薬の譲渡は法律で禁止されているので(医者が処方するぶんには合法的な薬物でも)、資格のない者が流通させた段階でそれは「違法な薬物」へと変わります。
この場合の目的は金銭ですが、複数の医療機関から同じ種類の薬を処方してもらって、自分で使用する人もいます(乱用)。立派な薬物依存症者(ヤク中)なのですが、当人に言わせれば「(シャブやアヘンのような)違法薬物とは違う」というのが言い訳になります。
ニュースでは、4月からレセプト請求のオンライン化が行われ、誰にどんな薬が処方されているか電子データとして蓄積することが可能になると報じられていました。「だから、誰にどんな薬が処方されているか検索することが可能になり、複数の医療機関から向精神薬を処方されている人をチェックできるようになる」と厚生労働省の担当者が言い訳めいたことを言っていました。
考えてみるとちょっと怖いことかも知れません。誰がどんな精神病を患っているか、一瞬で検索することができる、ということでもあるからです。
とまれ、日本のほとんどすべての医療機関でレセプトのオンライン化が行われるようです(例外的に免除される医療機関もある)。それだけでなく、同時に多少の厳格化も行われるようです。
先日行った内科の診療所では、4月から診察を行わずに処方箋を発行することが原則的にできなくなるので必ず診察を受けて下さい、と掲示されていました。
今までのように窓口で
「今日は薬だけください」
と言って、診察なしで処方箋を書いてもらうことができなくなるわけです。
転売目的であれ、自分で乱用するためであれ、複数の医療機関から向精神薬を手に入れることは次第に難しくなっていくことが予想されます。
金銭目的の人は諦めるでしょうが、乱用(依存)の人はそう簡単にはいきません。アル中がなんとかして酒を手に入れようとするように、何とかして薬を手に入れようとするでしょう。おそらく路上か、あるいはネットの売人を通じて。今まで医者から手に入れていたのと同じ物質であっても、売人から手に入れた薬は「違法薬物」です。(覚醒剤などと違って単純所持や使用で罰せられるわけではないけどね)。
いつの間にか違法薬物に手を出している。その時その人は、自分の乱用している薬物が違法か合法かという違いなど意味がないことを知るでしょう。
借金の総額規制がギャンブル依存の顕在化を産んだように、レセプト請求のオンライン化が処方薬依存(乱用)を顕在化させるのかもしれません。
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