ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2010年12月03日(金) 一緒に食事を 数年前、AAのサービスのある役割を任されていました。同じ役割を任された者同士、東京にほぼ月に1回のペースで集まって会議をやっていました。会議は午前と午後とほぼ一日続くので、途中に昼食を挟みます。この昼食をメンバーで一緒に食べようと言うことになりました。
それは、限られた時間の中でお互いのことを理解するには、一緒にご飯を食べるのが一番良い、という意見があったからです。
「AAそのものは決して組織化されない」とはいうものの、AAのサービス活動に組織はつきものです。サービス組織の意志決定をするのに、各グループの代表が集まる地域集会というのが年に数回開かれます。関東の集会では毎回丸一日費やしています。当然昼食が挟まるのですが、みんなが会場外へ三々五々食べに出ています。
あるメンバーがアメリカの同じような地域集会に出たところ、昼休みにはみんなで一緒に食事をしていたそうです。たくさんの人が集まれる会議室を用意するだけでも面倒なのに、みんなが一緒に食事できる手配をするのはもっと大変です。なぜそんな面倒なことをするのか? 短期間で親しくなって、自由に意見交換できる環境を整えるためだそうです。つまりは会議の成功のため、サービス活動の成功のためです。
東京で僕らの昼食は、お互い意見が違っていて喧喧がくがくでしたが、時間が経った今でも昼食を一緒にしたメンバーには親しみの感覚が保たれています。「同じ釜の飯を食う」ではありませんが、衣食住の一部でもともにした人とは仲間意識や親しみが芽生えるのでしょう。
僕はそれまでAAの仲間と一緒に食事をするタイプではありませんでした。僕がAAにつながった頃は、メンバー同士ミーティング以外では親しくしないのが普通でしたし(これはたぶんAA以外のグループの影響が大きかったのでしょう。ACブームの真っ最中でした)。けれど、それからの僕は、機会さえあればメンバーと一緒に飯を食うことにしています。
特にスポンシーとは努めて一緒に食事をする機会を作ることにしています。なんと言ってもスポンサーシップは特別な間柄だし、個人的なことをたくさん話し合うのですから、信頼関係を築くためにも親しさはあった方がよいでしょう。ミーティングが終わった後にグループのメンバーとアフターに行くのも好きですし、施設の人たちと一緒に屋外でバーベキューをする企画もあって楽しみにしています。
僕の最初のスポンサーとも(これは偶然なのですが)病院メッセージの前に同じ食堂で昼食を食べたことが何度かありました。二人のスポンサーシップがうまくいったのは、その偶然も寄与していたと思っています。
一緒に食事をすることは、スポンサーシップをうまく成立させるための隠れた秘訣だと思っています。
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