心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2010年08月31日(火) ステップセミナーのスピーカー決まる

こちらで案内している地元のAAのステップセミナー。
http://www.ieji.org/dilemma/2010/08/103-aa.html

ステップセミナーというと、何人かのスピーカー(話し手)に12ステップを割り振るパターンが多いように思います。ステップ1・2・3、4・5、6・7、8・9、10・11・12みたいな分け方。
これはこれで分かりやすくていいのです。例えばステップ4と5を話す人の棚卸しの話がまとめて聞けますから。けれど利点ばかりではありません。そのステップに至るまでの経緯も含めて15分や20分で話をまとめろというのは無理な要求で、時間切れで尻切れトンボになってしまうことも少なくありません。

今の日本のAAでは、ストーリイ形式で棚卸しをすませたら、その先のステップに進めなくなっている人が少なくありません。(まだ棚卸しをやるだけマシだという現実!)。そうなると、ステップ6・7から先は話せる人がぐっと少なくなってしまいます。僕のいる地区では、ステップを話せるメンバーの数が確保できないという理由で、ここ数年ステップセミナーは開催せず、自由テーマのオープンスピーカーズミーティングばかり開いてきた次第です。AAとしてステップを話せる人が少なすぎる・・・ってのは、これはかなり情けない状況です。

いや、まだ自分たちの実力不足を認識しているだけ良いか。某所のステップセミナーを聴きに行ったら、スピーカーが「僕はまだこのステップをやっていないので、別の話をします」と話し始めたのは驚きました。しかもそれが何人も。僕はいったいここに何を聴きに来たのか?と自問自答し、椅子に座りながら意識が空想の世界にかっ飛んでいってしまいました。昔スポンサーに言われた「できないことを、できると言うな」という言葉を思い出します。

というわけで、状況を打開すべく、うちの地区でもステップセミナーをやらねばならん、という話になりました。そもそもステップセミナーは、ステップを1から12までやった人が、その回復の喜びを伝えるためにやるものでしょう。だったら、12ステップを「ぶつ切り」にして聞き手に差し出すのはおかしい。人数は少なくなろうとも、1から12まで全部のステップを時間をかけて話しきってもらおうじゃないか、という企画になりました。

うちの地区は12グループあるので、いままでの地区のイベントでは、1グループから一人ずつスピーカーを差し出す?ことになっていました。自分のグループのメンバーでも良いし、よそのグループの人に話をつけてもいい。スピーカーを出せないグループのぶんは、県外のメンバーに話をしてもらう。というパターンでした。

今回は6人だけ。そのかわり12ステップをちゃんとやっているメンバーを推薦しろ、ということになりました。はたして推薦は集まるのか?・・・1回目の会議で自薦他薦7人の推薦が集まりました。しかもわりと若手が多かった。(ここでいう若手とは実年齢ではなく、飲んでいない年数の若さ)。それを見て「若い者にはまだまだ負けられない」と思ったのかどうかは知りませんが、2回目には「超先ゆく仲間」が4人も名を連ねました。

実は僕のホームグループでは、毎年県外の女性のメンバーにスピーカーを依頼しています(交通費負担のために献金をプールしている)。今年もそうする予定で、方々に頼んだのですが、ことごとく日程が合わない残念な結果となってしまいました。(結果としてスピーカーは全員県内の人間になりました)。

実行委員長の「自薦の人優先」の声で5人が決定。自分は12ステップを全部やっているから、その話を聞いてくれ、というメンバーが5人も出てきたのはいいことでしょう。残る1人もすんなり決まりました。もし人数が多すぎた場合にはどうするつもりだったのか、実行委員長にたずねると、「この場で誰が良い悪いという話をすれば、それはその人の棚卸しになってしまう。その場合にはくじ引きで決めるつもりだった」だそうです。さすがだ。

というわけで、いまからセミナーが楽しみです。

ちなみに、僕もスピーカーの推薦を頂いたのですが、辞退させて頂きました。他でも話をする機会を与えていただいているので、露出が多くなりすぎるのは良くないと思ったからです(日本人的横並び意識)。僕の他にも同じ理由で辞退した人がいたように思います。(だいたい1時間もらったって、全部のステップの話をするには相当忙しい)。

「自分はこのステップはやっていないので・・・」という言葉を聞かなくて済むステップセミナーです。飲んでいた頃どんなにひどい自分だったか正直に話せるのが良いスピーカーではありません。そこからどうやって回復してきたか。具体的に何をやってきたのか。聞き手に、ああ、自分もそれをやれば良くなるかも知れない。いや、なりたいぜ、できるはずだ、やり方をもっと詳しく教えてくれ、と思わせるのが良いスピーカーです。(と自分が話さないので、何とでも煽れるわけだ)。ご期待を。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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