ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
もくじ|過去へ|未来へ
2009年06月26日(金) 適正飲酒? 53.0Kg, 7.2%
さて、節酒というか適正飲酒の話。
アル中さんは飲み過ぎるからいけない。ほどほどに飲めば良し。
それが出来ないから病気であって、飲み過ぎないためには「もっと飲みたい」という気持ちを抑え込まねばなりません。例えその欲求が飲酒再開後それほど強くなかったとしても、何ヶ月、何年と飲酒を続けるうちに制御できなくなってしまいます。
アル中ではない普通の酒飲みたちは、飲んだくれを見て「なぜ、ほどほどにしておけないのか?」という疑問を持ちます。
では、アル中でない普通の酒飲みは、適正飲酒をしているのでしょうか?
酒席で普通の酒飲みと一緒になったら、酒をもっと飲むように勧めてみてください。勧めに応じて多く飲む人もいるでしょう。その場合には、もっとしつこく勧めてみてもいいです。いずれ必ず「もうこれ以上勧めないでくれ」とか「いらない」と言い出すでしょう。
つまり普通の酒飲みは「もっと飲みたい」という気持ちを抑え込んではいません。彼らは飲みたいだけ飲みます。これ以上いらないというところまで飲み、満足して帰って行きます。その満足の量が、人によってはビールたった一杯だったりもします。彼らは「ほどほどに飲む」ために、意志の力もいらないし、努力もいりません。
つまり飲みたいだけの量を飲んでいる、という点では、普通の酒飲みもアル中さんも変わらないのです。結果が違うだけ。
結局の所、アル中さんを普通の酒飲みに戻すためには、トラブルが起きない程度の少量の酒で十分満足できる陶酔感が得られるよう脳を戻す必要があるのでしょう。
適量の飲酒に戻れたとしても、それを保つために努力や気配りが必要なら、それはアルコール依存症が治癒したことを意味しません。単に症状が小康状態を保っているだけなのでしょう。
もくじ|過去へ|未来へ