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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2009年06月20日(土) ビッグコミックオリジナル発売日 52.4Kg, 9.9%
ホームグループの会場へは高速の側道を通っていきます。
測道の脇には田んぼが広がり、5月には麦が実っていました。おそらくこれは転作奨励金目当ての麦作であって、真面目に耕作するつもりはなく、麦を収穫した後は冬まで荒れ放題にされるだろうと予測していました。
しかし先日そこを通ってみると、ずらりと稲が植えられているではありませんか。きちんと麦と稲の二毛作をしているのです。僕は勘違いを恥じねばなりません。
最近ネット上での露出が減っているのは、意欲が減退したからです。
他のことが楽しくなって、ネットが面倒になっているだけです。この週末も、nLiteをいじくり回しているうちに半分過ぎてしまいました。
今週はビッグブックの3章(ステップ1)の前半でした。僕の心に響いのは「ゆがんだ考えが身についているために、自分の力でやめられる人もほとんどいないだろう」という一節でした。精神病院の中で、ケースワーカー室からこの本を借りて読んだとき、この一節に対してとても腹を立てたことを思い出します。
「お前の考え方は歪んでいる」と言われて腹を立てない人はいないでしょう。だが僕の考え方は歪んでいた、と今では思えますし、そんな自分を笑うことも出来ます。自分の失敗、自分の愚かさを笑うことができる、これは大切なことだと思います。
過去を振り返れば、「あの頃の自分の考えは歪んでいた」と常に思うのですから、きっと5年後に現在を振り返ればやはり歪みを見つけるでしょう。
最近つくづく思うのは、酒はあまり早く止まらない方が良い、ということです。
早すぎる断酒は、しっかりした断酒にならないことが多く、自分の力で酒をやめられるという誤解を生む元になるだけに思えます。精神病院の患者さんの中には、3年、5年自力で断酒できたと主張する人も多いのです。そして彼らの多くは、再び自力の断酒に果敢に挑んでいくのです。繰り返すごとに困難になっていくとも知らずに。
「底付きの底を浅くする」という話もナンセンスに思えます。病気の進行を遅らせるよりは、たっぷり飲んでもらって、最短コースでどん底に到着した方が、酒をやめた後の人生が長くて良いでしょう。それが真の底上げなのでは?
だから僕は「自力で酒がやめられる」と主張する人の意見を覆して、ハイヤーパワーを押しつける気にはなれません。というか、「自力断酒だなんて、無駄な我慢しないで早く酒を飲んだら?」と思っているのがホンネです。
だって、それが思いやりというものでしょ?
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