心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年06月29日(日) 休日

娘たちが誕生日プレゼントを持って遊びに来ました。
といっても、歩いてくるわけではないので、車で迎えに行くのであります。

一時期頑張っていたママの調子が、ここのところ悪く、晩ご飯は作ってくれるものの朝食はダメなのだそうです。なので平日は長女がパンを焼いて、次女を起こして・・ニュースZEROを最後まで見るのが習慣だった長女が、ズームイン朝を最初から見る習慣に変わったそうです。
まあ、子供たちは給食で栄養のバランスをキープできているかもしれませんが、パパには給食はないのだよ。

前回引っ越し用段ボール箱の上で宿題をやらせたのがえらく不評だったので、テーブルを買いました。それから今日中古の洋服ダンスの配達があり、これで買おうと思っていたものは大方そろいました(あとトイレのコーナーボックスぐらいか)。

昨日は元妻の母方の祖母の十三回忌だったそうです。思い起こせば僕のソーバー1年目は、ずいぶん葬式やら法事が多く、酒の席にばかり出ていました。跡継ぎにあたるおじさんは、以前奥さんに逃げられてしまい、手元に残した娘も嫁に行った後は、カビと暮らすような生活だそうです。昨日もおじさんの家に法事に行ったのか掃除に行ったのか分からないほどだったと、娘がこぼしていました。

お昼は、ひつまぶしにしました。小学生にどんぶり飯は多すぎるかと思いましたが、ぺろりと食べてしまいました。「おいしい」と言われても、鰻を焼いたのはパパではないのだよ。

サクランボを買っておいたのですが、「またぁ? 本当にパパはサクランボが好きだねぇ」と言われてしまいました。そりゃ確かにサクランボは好きですが、お前たちのために買っておいたのだ、とは強く言えません。
「イチゴ地獄」ってのがありましたな。イチゴの季節になると、父親が毎日イチゴを買って帰る。家族のほうや喜ぶどころかもうゲンナリなのですが、「もう結構です」とは言えないために毎日イチゴを食す羽目に・・。我が家でもやりましたが、ほかの家でもあるみたいですね。ひょっとしてアル中お父さんの得意技なんでしょうか。

それでもサクランボは5分も立たずに1パック消えてしまいました。宿題も終わったので、朝食用のバタピー、チーズ、お茶漬けなどをおみやげに持たせて送っていきました。

玄関口まで送っていくと、奥で夕食とお風呂の準備をしていた元妻が顔を出しました。

「もうレーザー脱毛には通ってないの?」
「うん、金がかかるからね。でもどうして? ヒゲが濃くなってきた?」
「そうだよ。またお風呂で剃りながら血をだらだら流してるんでしょう」
「うん、あれはみじめな気分だよ」

離婚しなければそんな苦労はしなくて済んだのに、と言いたいのでしょうが、無論それが言葉になることはありません。子供とプールに行く日付を決めて帰りました。

こうやって密に子供と接していても、いずれだんだん疎遠になっていき、金を送るだけの関係になりがちなのだとか。だいたい一緒に暮らしていたとしても、娘が中学生高校生になれば、父親への甘え方も「親父、金をくれ」になっていくものなんでしょう。それが精神的自立なんでしょうし。

ところで、誕生日のプレゼントは何だったのか?
実は何ももらってないのです。プレゼントは手紙だったようですが、実は迎えに行ったときにまだ書いている最中で、待たされたパパが「いつまで待たせるんだ!早くしろ」とやったせいで、書くのを中断して出てきちゃったのだそうです。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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