ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年02月20日(水) 元に戻る? 1955年の「再販にあたって」を読むと、AAが広く世間一般に受け入れられていった理由をふたつあげています。ひとつは「たくさんのメンバーが回復したこと」、もうひとつは「家族関係が元に戻ったこと」です。
現在の日本のAAのメンバー数(推定四千数百人)では、たくさんのメンバーが回復しているとは言えないでしょう。しかし、そのことは良く言われることなので、改めてここで取り上げるまでもありません。
「家族関係が元に戻った」が何を意味するのかわかりませんが、原文は reunited homes なので、たとえば別居・離婚していた夫婦や親子が再び一緒に暮らすようになった、ということなのでしょう。でも、僕はそういう実例をAAの中で聞いたことがありません。
別れようかと思いながらも別れなかった夫婦が、酒が止まって時間が経ったら、関係が良くなってきたという話ならいくつも聞いたことがあります(なかなか良くならないという話も当然あります)。でもAAの他でもそういう話は聞きますから、酒が止まっていることで改善できるものなのでしょう。
別れてしまった奥さんや子供とまた一緒に暮らしたいと思っているAAメンバー男性はすごく多いように思います。けれどなかなかその願望が実現したという話は聞きません。
僕の見聞が狭いだけなのかも知れません。酒のせいでバラバラに住んでいた家族が、ふたたび一緒に暮らし始めた、というAAメンバーの話があったら、ぜひお聞かせ願いたいものです。
ただ、あまりのそのサンプルが少ないのであれば、やはり1950年代のアメリカのAAと、現在の日本のAAには、何かの決定的な違いがある、という結論になると思うのです。
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