ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年11月26日(月) 短いお話 ひさしぶりの勤務で疲れたので、昔いただいたメールのコピーなどでお茶を濁してみます。
「満足している漁師」というお話。アントニー・デ・メロという人の作。
北部から来た金持ちの実業家が、パイプを吸いながら自分の船のそばにのらくらと寝そべっている南部の漁師を見つけて、大変びっくりしました。
「なぜ漁に出かけないのかね?」と実業家は尋ねました。
「だってわしは今日の分のをもう捕まえましたからな」と漁師は言いました。
「何故それ以上に魚を捕まえないんだね?」と実業家は言いました。
「それがどうだって言うんです?」と漁師が尋ねました。
「もっとお金が儲かるではないか。それであんたはモーターをあんたの船に取り付けられる。それでもっと深い海に行き、もっとたくさん魚が捕れるではないか。ナイロンの網が買えるではないか。そうしたらもっと魚が捕れ、もっと金が儲かるではないか。間もなくあんたは2そうの船が買えるだけのお金を持てるだろう・・・多分もっとたくさんお船だってね。そしてあんたは、私のように金持ちになるだろうに」
「それがどうだって言うんです?」と漁師が尋ねました。
「あんたは何もせずに人生が楽しめるってわけさ」と実業家は言いました。
「では、わしが今していることとどう違うのですか?」と、満足しきっている漁師が言いました。
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