心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」

たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
もくじ過去へ未来へ


2007年03月02日(金) ネカマ(その2)

普通はシェヘラザードというんですね。バートン版の翻訳ではシャーラザットだったんです。

出会い系サイトというものがあります。どのような「出会い」を求めているかは人それぞれでしょうが、まあ多くのサイトは男女交際の相手を探すのが目的でありましょう。もちろんこれも、ネットの普及とともに現れたものです。それ以前にも、パーティラインやら伝言ダイヤルやら、はたまたテレクラというものは、世の中に存在していたわけですけど。

携帯電話の出会い系サイトを未成年者が利用することが社会問題になっていますが、今回の話はもっと大人の人々、それも既婚の男女が「たまにはパートナー以外の人と情熱的な出会いを・・・」というどろどろした欲望が渦巻くサイトの話です。
回りくどいことを言っていますが、要は不倫浮気系出会いサイトです。

ある時僕は、そうしたサイトのひとつに、ふらふらと引き寄せられてしまいました。まあ、ネット上であれば、人が眉をしかめるような場所へも平気で出かけていってしまう僕であります。
そこには交際相手を求める女性のための掲示板があって、男はその中から選んだ女性にメールを送って求愛する仕組みになっていました。といっても女性のメールアドレスが分かるわけでなく、フォームメールで送る仕組みですから、相手の身元は一切分かりません。女性は届いたメールの中から、気に入った男性を選べばいいシステムです。

そこが有料だったらすぐに立ち去っていたでしょうが、フォームメールを送るのは無料でした。「あわよくば」という妄想を抱いた僕は、何人かの女性にメールを送ってみたのです。

当然のことながら返事なんか帰ってきませんでした。そこで素直に諦める人もいるのでしょうが、僕はすぐムキになるタイプであります。ギャンブルや株にはまる人の気持ちが分かる気がします。
もちろんこの類にはサクラはつきものです。「サクラって何ですか?」という質問は救済できないので、広辞苑でも引いてください。たとえサクラが混じっていても、数打ちゃ当たる・・・と物量作戦に出ました。しかしメールを送るのは無料でも、メールを書く時間がバカにならなってしまいました。

さすがにそれが虚しくなった時、ふと「はたして自分にはどれだけ競争相手がいたのだろうか」という疑問が浮かびました。少ない資源に多くの競争相手が群がっていることが明らかになれば、自分も諦めやすくなるかも知れない、そう思いました。

そのサイトには、交際相手を求める男性のための掲示板もあることは知っていました。が、目が血走った男たちの浮ついたメッセージなど読みたくもなかったので、それまでそこを覗いたことはありませんでした。お前だって目が血走っていたんだろうって? 確かに。
その掲示板を見て、僕は書き込みの多さに圧倒されました。その数はまさに圧倒的でした。

掲示板の記事数を元に、そのサイトの男女比を推定するなら、女性一人に対し、男性数十人。やっぱり男って、こういうことになると・・・。

いやしかし、これはあくまで掲示板の記事の比率にすぎません。これを元に、掲示板に投稿した女性に送られるメールが数十通だとは言い切れません。掲示板には書き込まなくても、メールは送る男は多いかも知れず、また逆に少ないかも知れません。が、残念なことに男である僕には、女性の元に何通のメールが届いているのか、知る手段がないのであります。。

それでも、判断を下すには、正確な事実を知らねばなりません(そんな義務はない?)。そこで・・、僕は女になってみることにしたのです。

「続きは明日の夜」とシャーラザットは言うのでありました。

(まだ続く)。


もくじ過去へ未来へ

by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


My追加