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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2006年10月20日(金) Cure for Cynicism (冷笑主義への処方箋) 忘れ物
By Yuki Oda
もしあなたが、根本的にこの世の中には思いやりなんてものは、存在しないんじゃないかと思ってしまったなら、ぜひミナコ・カトウと話してみるといい。
東京で雑誌編集者をしている彼女は、過去14年間にネイビーブルーのロエベの財布を5回なくしている。でもそのたびに財布は彼女の手元に戻ってきた。中身のクレジットカードや身分証明書、それに特筆すべきは結構な現金も含めて。
「別に驚くことじゃないですね」と彼女は言う。「じゃなければ、この財布は全然魅力的には見えないってことかもしれません」
もちろん、財布の外見とは何の関係もない話だ。
日本での忘れ物の返却率は驚くほど高い。警視庁の遺失物センターによれば、昨年東京で財布を落としたと報告があった件数は25万5844個。そして心温まることに、実に19万4139個の財布が警察へと届けられた。また、10万0247個の携帯電話が失われ、約9万5千個が届けられた。
さあ、これをどう説明できるだろう。たぶんそれは伝統的な倫理観だ。世界中どこでも、子供に落とし物を拾ったら届けなさいと教えてはいる。でも、日本人は実にそれが熱心なのだ。通勤者や同じ都市に住む人への思いやりの気持ちだろう。
理由が何であれ、彼らの変らずに見せる正直さは、ときに海外からの滞在者を驚かせる。
「あなたがロンドンのセブン・イレブンの外に傘を置いたとする。するとあなたが店に入るか入らないかぐらいには、もう傘は消え失せているだろう」とDick Catlinは言う。イングランドからやってきた海外投資家の彼は、東京都内のバーにカメラと電話機と家の鍵を忘れてきたが、翌日にはそのまま出てきたのだ。「でも、やっぱり日本がとりわけ変わっているんだと思うね」
メッセージは明らかだ、もしこの先、忘れっぽくなるんだったら、日本でなるべきだということだ。
May 15, 2006 HKT:
from TIMEAsia, The BEST of Asia, Best for The SOUL
http://www.time.com/time/asia/2006/boa/soul_cynicism.html
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